QualcommがWindows PCの新世代CPU「Snapdragon X」のラインアップを公開 = 最上位と下位の性能差は1.3倍!

文●みやのプロ(@E_Minazou) 編集● ASCII

2024年04月26日 09時00分

 Qualcommはオンラインで発表会をおこない、「Snapdragon X」シリーズの下位モデル「Snapdragon X Plus」とともに、全体のシリーズ構成(SKU)を公開した。

 「Snapdragon X」はWindows PC用の新しいCPUで、昨年10月の「Snapdragon Summit 2023」にて、上位モデルの「Snapdragon X Elite」が発表となっており、今年の5~6月に、搭載ノートPCの発売が期待されている。

 発表会のタイトルは「The PC Reborn」で、「Snapdragon X」の内蔵NPUは現行ノートCPUとしては最高クラスなので、インテル&AMDに続く第3のCPUとして、PCが「生まれ変わる」のだというメッセージである。

発表ではQualcommのCompute&GamingのSVP・GM、Kedar Kondap氏が全体を解説した。

「Snapdragon X Elite」は3、「Plus」は1モデルを公開
AI性能を決めるNPUは全モデル45TOPSを固持
CPU名の2ケタ数値が性能を表す

Qualcommが公開したSKUは4モデル

 「Snapdragon X Plus」とともに公開されたSKU表によると、Eliteは3モデル、Plusは1モデルとなっている。表のとおり、AI性能の中心となるNPU(ニューラル・プロセッシング・ユニット)の性能(表中の右端)は、全モデル45TOPSを堅持している。

 「X1E-84-100」が最上位で、すでに公開されていたEliteのスペックのとおりで、CPUは12コア、マルチスレッドでの最高動作周波数が3.8GHz、1または2コアのブースト時の動作周波数が4.2GHz、GPU性能は4.6TFLOPSで、NPUは45TOPSだ。

 EliteはすべてCPUが12コアは変わらないが、中位モデルの「X1E-80-100」と下位の「X1E-78-100」では最高周波数が3.4GHになり、ブーストは中位が4.0GHz、下位ではブーストなしとなっている。また、GPU性能は中位と下位では3.8TFLOPSと、最上位の4.6の82%の性能となる。

 新しく発表となった「Snapdragon X Plus」は「X1P-64-100」という名称で、10コア、3.4GHz、ブーストなし、GPUは3.8TFLOPSで、Eliteの下位「X1E-78-100」との違いは、コア数の12と10だけとなる。

 つまりコア数だけで性能の違いがあるとすると、10/12で、約83%遅いということになる。名称の「X1E-78-100」と「X1P-64-100」の中央の2ケタ数字も、64/78で約82%なので、この数字が性能を表すようだ。

 そうすると、「Snapdragon X Elite」最上位と「Snapdragon X Plus」の性能差は64/84で、約76%ということになる。逆に言うと最上位は最下位の1.3倍速いというわけだが、これがCPU部のみなのか、CPU+GPUの性能なのかはわからない。

 5月のマイクロソフトのイベント「Build」や、6月頭のおなじみ巨大イベント「COMPUTEX」で、LenovoやASUSがどんな搭載ノートPCを発表するか、大注目なのである。

Geekbenchの結果では「Snapdragon X Elite」のAとBの性能差は約91%、「Core Ultra 7 155H」とは最高1.25倍速い。

3DMarkのWild Lifa Extremeでは、「Snapdragon X Elite」は「Core Ultra 7 155H」の1.6倍の速度となっている。

UL ProcyonのAIベンチでは、「Core Ultra 7 155H」の8倍を超える速度で、45TOPSの威力を発揮する。

「Snapdragon X Elite」(左)と、Plus(右)のスペック

「Snapdragon X Elite」(左)と、Plus(右)のおまとめ

Armアーキテクチャーでの比較ではAppleのM3より「Snapdragon X Elite」のほうが1.28倍速い。

「Snapdragon X Elite」(左)と、Plus(右)の「Core Ultra 7 155H」との比較。Eliteは同じ消費電力ならCore Ultraより52%速く、同じ速度なら60%省エネ、Plusは37%速く54%省エネとなる。ともにGeekbenchのマルチスレッドでの比較。

こちらは、Eliteと「Core Ultra 9 185H」のGeekbenchマルチスレッド比較。41%速く58%省エネとなる。

PlusのGPU速度をWild Lifa Extremeで「Intel Core 7 155H」と比較。36%速く50%省エネとなっている。

こちらは、EliteとCore Ultra 7でのバッテリー持続時間の比較。上のOffice365、ローカルビデオ再生、Webブラウズでは40%~58%長持ちで、YouTube再生、Teamsビデオ電話では2倍近い。

「Snapdragon X」は全4モデルでNPUは45TOPSです

DaVinci ResolveでMagic MaskをNPUで実施した場合、Core Ultra 7の3倍速い。

Luminar Neoではi7-1360Pの15倍速い。

Windows Studio EffectではCPUで実施するよりNPUを使ったほうが138倍省エネとなります。

ChromeのブラウジングではCore Ultra 7 155HよりEliteのほうが1.2倍速いです。

アプリの起動速度も7~69%速くなります。

 

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