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【石野純也のソーシャルゲーム最前線-第4回-】

吉田氏に聞く!日本、そして海外へ--グリーの展望

文●石野純也

2012年12月06日 18時00分

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ソーシャルゲームに
求められるものとは?


ケータイジャーナリスト・石野純也氏が、プラットフォーマーやゲーム運営会社にインタビューをしてソーシャルゲームの今後を占う本連載。インタビュー3回目は、海外へも積極的に進出しているグリー。プラットフォーマーとして、ゲーム開発会社としてどこに向かっていくのかを伺った(取材日時:2012年11月21日)

日本、そして海外へ--グリーの展望

▲吉田大成:2005年、名古屋工業大学大学院工学研究科修了後、ヤフー株式会社を経て、2006年10月グリー株式会社入社。ソーシャルゲーム立ち上げを担当し、『釣り★スタ『探検ドリランド『モンプラの事業責任者やプラットフォーム立ち上げに従事。2012年9月、グリー株式会社 取締役に就任。同月、子会社グリーエンターテインメントプロダクツ株式会社設立に伴い代表取締役を兼務。

 GREEは、日本を代表するソーシャルゲームプラットフォームの一翼だ。DeNAのMobageと、しのぎを削る2大陣営の一角とも言えるだろう。SNSというプラットフォームの上で、ユーザー同士が協力、競争するゲームを最初に投入し、ソーシャルゲームの原型を形作ったのは、ほかでもないグリーだ。当初は自社で開発したゲームが中心だったが、プラットフォームを開放して以降、サードパーティの取り込みも積極的に行っている。

 スマートフォンへの移行が世界的に進むなか、同社もまた、海外へと積極的に進出し始めた。すでに大規模なユーザーを抱えていたOpenFeintを買収し、GREEのプラットフォームに統合。「GREE Platform」として、世界各国でサービスを展開中だ。元々、PC用のSNSとしてサービスをスタートしたグリーだが、同社はモバイルに大きく舵を切った経緯がある。そのグリーが、なぜソーシャルゲームに勝機を見出したのか。スマートフォンシフトによってどのような影響があり、今後、ソーシャルゲームには何が求められるのか。同社で『釣り★スタ』や『探検ドリランド』の開発にも関わった、取締役 執行役員常務、メディア事業本部長、吉田大成氏にこうした疑問を直撃した。

―元々GREEはPC向けのSNSでしたが、今ではソーシャルゲームプラットフォームの2強の1社です。ソーシャルゲームに対する取り組みは、グリーの方がやや早かったとも記憶しています。なぜこの分野に注力することになったのか、まずはきっかけの部分からお話しください。

吉田:グリーは、元々PC版でSNSを始めていましたが、2006年11月から、モバイルでもサービスの提供を始めました。当時、モバイルで人気だったコンテンツは、やはりゲームや占いやデコメでした。それらを僕らのSNSと組み合わせることで、新しい使い方や新しいユーザーが集まれば面白いのではということで、GREEのモバイル版を始めました。

 その中でも、ゲームはやはりモバイルで人気の高いコンテンツでした。当時は家庭用ゲームやPCのオンライゲームがメジャーでしたが、もっとライトに、すき間時間でミニゲームにアクセスしているユーザーが多いというのも、データで見えてきました。それなら、SNSのユーザーと一緒に、長く遊べるようなものを提供すれば何か違うものができるのではないか。そう思い、2007年5月に『釣り★スタ』を開始しています。

 同じぐらいのタイミングでFacebookも始まりましたが(海外での一般開放は2006年)、当時はゲームというより、写真の共有などが主でした。その意味では、ゲームとSNSを連動させることを、最初に始めたのがGREEだったのかもしれません。やってみた結果、ユーザー間でのつながりが強化され、コミュニティもでき、コミュニケーションが活発になりました。そうしたゲームをユーザーの入り口にしながら、『釣り★スタ』『探検ドリランド』『ハコニワ』のユーザーも伸びてきました。

 このままソーシャルゲームをずっと提供し続けていくというのもひとつの方法でしたが、ユーザーが集まった中でプラットフォーム化し、多くのゲーム会社にゲームを提供してもらうことで、ソーシャルゲーム自体の幅が広がり、結果としてユーザーのニーズにも応えられる。そう考え、プラットフォームをオープンにしたうえで、ソーシャルゲームを提供することにしました。

――その意味では、最初に提供されたタイトルの影響は大きかったんですね。どの程度、計算通りだったのでしょうか。

吉田:当時から今の時代を考えていたと言えばカッコイイのですが、そうではありません。『釣り★スタ』を始めたときは、数カ月持てばいいと思っていました(笑)。当時無料のミニゲームは1週間単位で更新していて、1カ月持てばいい、数カ月持てばすごいという感覚で、魚の画像にもそれほど予算をかけていませんでした。自分たちの想像以上に使ってもらえたのは大きかったですね。ただ、今では少なくとも3年後は考えながら、計画を作っています。プラットフォームをやり始め、アニメやコミックなどを使った有名なタイトルが出てくる中で、長く続けていくのはプラットフォームとしての責任でもありますからね。

――初期に提供されていたタイトルだと、『探検ドリランド』は、今まったく別のゲームのようになっています(笑)。

吉田氏:確かに違いますね(笑)。昔からあるサービスですが、提供していく中で、よりコレクションをライトにやれるよう、シフトしていきました。『探検ドリランド』は自分自身が運営していた時もありましたが、4人ぐらいが集まり一緒に課題を解決するようなより同期性の高いイベントをやったり、非同期で何十人も参加するイベントをやったりと、色々と試しながらサービスを続けてきたタイトルでもあります。そうした中で、今のカードバトル型も生まれました。

 元々『探検ドリランド』自体を大きくリニューアルしたいという思いもあり、何が大事かを考えました。ゲームには世界観もありますし、ジャンルもあります。ただ、友達とのつながりがソーシャルゲームを長く続けるうえではもっとも大切です。そう考えると、ゲームのジャンルを変えてもいい、また友だちと一緒にやろうとなればいいという結論になりました。結果、今までやっていなかったユーザーに遊んでもらえるようになり、多くの既存ユーザーにも移行してもらえました。一から新しいカードゲームを出すより、こちらの方がよかったと、当時を振り返るとそう思います。

■グリーコンテンツPick Up!-①-
『釣り★スタ』

▲その名のとおり、釣りを楽しめるゲーム。魚がかかったら、動きに合わせてボタンを押してGET。釣った魚は図鑑に記録されるので、どんどん釣っていこう。


URL:http://product.gree.net/jp/ja/apps/96/

 

■グリーコンテンツPick Up!-②-
探検ドリランド

個性豊かなハンターたちを率いて、ダンジョンに現れる様々なモンスターを倒しながら、世界中のお宝を集めていくカードゲーム。ハンターをそろえて自分だけのデッキを作ることができる。


URL:http://product.gree.net/jp/ja/apps/98/

 

■グリーコンテンツPick Up!-③-
ハコニワ

北欧の小さな工房で作られる両手に収まる箱型のかわいい庭。植物を育てたり、雑貨を作って飾り自分だけの“ハコニワ”を作る育成シミュレーションゲーム。


URL:http://gree.jp/?mode=static&act=page&page=ext_special_garden

 (c) GREE, Inc.

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