最新スマホも続々登場! Mobile World Congress 2013レポ

HTCの日本でのブランド認知度を高めたい CPO小寺氏に聞く (1/2)

文●末岡洋子

2013年03月01日 18時00分

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 2月中旬に最新のフラッグシップ端末「HTC One」を発表。今年はHTCにとって再生の年になるのかが注目されている。スペイン・バルセロナで開催中の「Mobile World Congress」で、HTC本社でCPO(最高商品責任者)を務める小寺康司氏に日本市場、タブレットやOSなどの戦略について聞いた。

HTC Oneの日本投入は事業者次第
グローバル機との差は縮まってきた日本市場

HTCでChief Product Officerを務める小寺康司氏

――2月に「HTC One」を発表しました。日本での販売計画について教えてください。

小寺康司氏(以下、敬称略) 日本市場でも出したいと思っている。だが、事業者次第なので、現時点では話ができない。

――日本市場では「HTC J butterfly」など日本市場向けの開発機種を投入していますが、グローバル機種とはどちらが人気ですか?

小寺 日本市場も変わってきた。グローバル機種と日本向けの差分が減ってきており、アップルは日本でも世界でも同じ機種で展開している。どちらかというと、販売店側がすべて揃った機種の方が販売しやすいので、そういうモデルを用意しなければと思っている。しかし、将来は日本向けの特別なモデルというより、世界共通モデルに近づけていきたい。

HTC J butterflyの5型に対し、HTC Oneは4.7型のフルHD液晶で比較的コンパクトだ

 日本市場ではこれまで日系メーカーが中心だったが、海外のグローバルベンダーが入ってくるようになった。変化しているのでゆくゆくは変わると思うと思う。

――現在の日本のユーザー層は? アーリーアダプターが中心ですか?

小寺 HTC J butterfly以降、明確に変わってきた。以前は(HTCは)その層に強く、それ以上は拡大できなかったが、それが変化し、普通のお客さんに購入していただけるようになってきた。

以前からのHTCファンには違和感があるかもしれないが、乃木坂46を用いたプロモーションで認知度は確実に上がっている

――ビックブランドが席巻する中で、端末の出来、機能などHTCの良さやメッセージをどのようにエンドユーザーに伝えていくのでしょうか?

小寺 伝わるところには伝わっている。たとえば事業者には、HTC製品を評価していただいているので採用という結果になっている。だが、お客さんに幅広く伝わっているか、ここは課題で今後改善していきたい。

スペックの数字の競争ではなく
しっかりしたクオリティーを追求していく

――スマートフォンの普及率が高まるとともに、一部市場では同じデザインに飽きてきたユーザーも出てきています。市場が新しい段階に入りつつある中で、HTCの戦略は?

小寺 行き着くところは同じだと考える。時間差はあるものの同じ需要がくる。普及率の高低で考え方を変えることはしていない。オープンなプラットフォームなので、差別化は、1に素材、デザインなどの外見や触ったところ、2に使い勝手、3にソフトウェアとハードウェアの境目の3つで図っていく。

 2番目の使い勝手は「Sense UI」になるが、これが3世代目となった。第1世代は、シンプルに使えるためのものだったが、第2世代で機能を詰め込み過ぎた。2012年の「Sense 4」で最初に戻りシンプルに。そして先に発表した最新のSense UIは、「電話の機能をいかに簡単につかってもらえるか」から「いかに簡単にアクセスしたいコンテンツにアクセスしてもらえるか」に変わりつつある。その例がホーム画面のUIである「BlinkFeed」だ。機能を使っていただくというより、簡単にアクセスしたい情報やコンテンツにアクセスしてもらうという方向性に変わりつつある。

ニュースなどさまざまな情報が集まる「BlinkFeed」

 3番目ではカメラが好例となる。ソーシャルネットワークでは文字よりも画像・映像のメッセージが強い。カメラを使いやすくして、いかクオリティーを上げるかになる。クオリティーの部分ではこれまでメガピクセル(の数字)で競争していた。本質は撮った写真が高品質であること。われわれは数字の競争から離れ、品質を追求していくという方向性に変換した。

画素数ではなく、撮った写真のクオリティーで勝負するという

 HTC Oneは、「ウルトラピクセル」として、たとえば暗いところでもきれいに撮れるカメラを搭載している。このほか、スピーカーを前面に置いた。これも、これまでは背面で手が覆ってしまうなどのことがあったが、ちゃんと音楽コンテンツを聴けるようにする。細かな改善になるが、こういうところで差別化を図っていく。使ってもらえればスマホで面白いことができるとわかっていただける。

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