スペックよりもユーザー体験! 「GALAXY S 4」発表会レポ

文●山根康宏

2013年03月16日 12時00分

超ド級のスペックをひっさげ
GALAXY S 4がNYに降臨!

 サムスン電子は3月14日(現地時間)、ニューヨークで新製品発表会「SAMSUNG UNPACKED 2013 Episode 1」を開催し、フラッグシップスマートフォン「GALAXY S 4」を発表した。

会場のラジオミュージックホール。開場時間2時間前から多くのメディアが集まっていた

 サムスン電子の新製品発表会であるSAMSUNG UNPACKEDは、毎年各都市で開催されている。今回のSAMSUNG UNPACKED 2013 Episode 1は、フラッグシップ製品をアメリカで最初に発表するという、初のイベントとなった。携帯電話およびスマートフォン販売台数世界シェア1位になったサムスン電子の最新製品発表会とあって、会場となったラジオミュージックホールは早い時間から多くのメディア関係者が取材に訪れていた。

イノベーションはユーザー体験向上のためと語るJK・Shin氏

カメラは画素数アップよりも機能強化がポイント

 イベントの冒頭に登壇したサムスン電子のIT and Mobile Communication DivisionのPresident and Head JK・Shin氏は「端末のイノベーションとはユーザーによりリッチな体験を与えるためのものだ」と話し、これから発表する新製品に搭載される新しい機能をダイジェストで紹介。メインとサブの2つのカメラを同時に利用し1枚の写真を撮れる「Dual Camera」、写真撮影と同時に短い音声を記録し、声の入った写真が撮れる「Sound &Shot」など、カメラ機能は単純に高画質を追及するのではなく、より楽しい体験を提供するべく進化させたと説明した。

Air Viewは指先操作が可能に

目線でコントロール可能な新機能も搭載

 また、GALAXY Note IIでペンを使って、画面にタッチせずともアルバムやメール内容を表示できる「Air View」機能は指先での操作に対応。さらには目線を検知して動画の再生を一時停止する「Samsung Smart Pause」、画面スクロールを本体を傾けるだけで行なえる「Samsung Smart Scroll」など、画面に触れずにスマートフォンをコントロールする新たなユーザーインターフェースも搭載している。

 そして、複数の端末をシンクロナイズしてコンテンツ再生ができる「Group Play」や、ワイヤレス機能を内蔵した健康測定機器と連携し日常的な健康管理を行なう「S Health」、プライベートとビジネスシーンでスマートフォンを安全に使い分けることができる「Samsung Knox」なども紹介。スマートフォンは高機能化させるだけではなく、常に消費者目線に立ち、使いやすさを提供することが正しい進化の方向だと語った。

GALAXY S 4を受け取り発表するJK・Shin氏

4月末から155ヵ国で発売予定

 これらの説明の後、JK・Shin氏はGALAXY S 4を発表。同製品は「Life companion」、すなわち生活をサポートし、楽しませてくれるツールとしての機能をふんだんに盛り込んだデバイスであるという。前機種となるGALAXY S IIIと比較して、機能がアップしたにもかかわらず、本体はよりスリムで軽く、そしてソリッドなデザインになった。

 GALAXY S 4の発売は今年4月末から、世界155ヵ国の327の事業者から発売が予定されている。なお、日本市場への投入については現時点ではまだアナウンスは無い。LTEの対応も強化されており、FDD-LTEに加えTD-LTEへも対応。今年TD-LTEの商用テストサービスが全国で本格化する中国市場への投入も十分意識されている。会場には中国からのメディアも多数訪れていた。

 「GALAXY S 4は、より高いユーザー体験を提供する一方で、操作はシンプルになり、その結果利用者に高い満足度を与えることができるだろう」。JK・Shin氏は新製品に対する自信をこのようにまとめた。

機能アップしながらもスリムになったGALAXY S 4

LTEカテゴリ3に対応、赤外線も搭載する

 続いてSamsung Telecommunications AmericaのDirector of Product Marketing、Ryan Bidan氏が登壇し、GALAXY S 4の詳細スペックの説明をした。GALAXY S 4はS IIIと比べて同じ高さの136.6mmに対して横幅は69.8mm、厚みは7.9mmと薄くなり、重量も130gと軽量化されている。ディスプレーは5型(実際は4.99型)の有機ELでフルHD、441ppiの高解像度を誇る。本体カラーはBlack MistとWhite Frostの2色。

 通信方式はFDD-LTE、TD-LTEの最大5バンドに対応、最大通信速度は下り100Mbps/上り50Mbps。Wi-Fiは802.11a/b/g/nとacに対応、Bluetoothは4.0、そして家電コントロール用に赤外線も搭載している。本体メモリーは2GBのRAMを搭載し、内蔵ストレージは16GB/32GB/64GBの3モデルが用意される。また、最大64GBのmicroSDカードも利用できる。バッテリーは2600mAhの大容量で交換も可能だ。

カメラ機能は大きく拡張された。連続写真を1枚に収められるDramaショット

Chat Onは背面の動画を流しながらビデオコールも可能になった

 その後、新しい機能はミュージカル調の劇で説明が行なわれた。豊富なカメラ機能、音声コントロールや翻訳機能の「S Translator」、手軽にアルバムを作成しプリントサービスとも連携した「Story Album」などは、海外旅行時などに便利そう。サムスン電子オリジナルのソーシャルサービス「Chat On」は背景にメインカメラの動画を流したままビデオ通話ができる「Dual Video Call」に対応する。他にも目線コントロールの 「Samsung Smart Pause」や「Samsung Smart Scroll」など、多数の新機能が搭載されている。

発表されたGALAXY S4のスペック。CPUの項目は無し

 これらの機能は、高速なCPUを搭載したからこそ提供できたものが多い。しかし、イベントでは最後にGALAXY S 4のスペック一覧が表示されたものの、それも含めCPUについての説明は一切無かった。8コアCPU搭載という大きな目玉を封印してまでも、操作性や機能向上といったソフトウェア面のアピールに徹し、「Life companion」というGALAXY S 4の特徴を前面に押し出した新製品発表会の内容であった。

  GALAXY S 4 GALAXY S III α
SC-03E(参考)
GALAXY Note II
SC-02E(参考)
ディスプレー 5型有機EL
(FULL HD Super AMOLED)
4.8型有機EL
(HD SUPER AMOLED)
5.5型有機EL
(HD SUPER AMOLED)
画面解像度 1080×1920ドット 720×1280ドット 720×1280ドット
サイズ 69.8×136.6×7.9mm 71×137×9.1mm 81×151×9.7mm
重量 130g 139g 189g
CPU 1.6GHz(8コア) or 1.9GHz(クアッドコア) Exynos 4412 1.6GHz
(クアッドコア)
Exynos 4412 1.6GHz
(クアッドコア)
OS Android 4.2.2 Android 4.1 Android 4.1
カメラ画素数 リア13メガ/イン2メガ リア8メガ/イン1.9メガ リア8メガ/イン1.9メガ
バッテリー容量 2600mAh 2100mAh 3100mAh



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