Android iPhone 特集・連載

【石野純也のソーシャルゲーム最前線-第10回-】

藤田社長が考えるスマホ市場とは!? サイバーエージェント「Ameba」の進む道。

文●石野純也

2013年04月05日 23時20分

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ベースとなるコミュニティがあり
そこにゲームを載せていっている


ケータイジャーナリスト・石野純也氏が、プラットフォーマーやゲーム運営会社にインタビューをしてソーシャルゲームの今後を占う当連載。“スマートフォン向けコミュニティー&ゲームSNS”をコンセプトとする「Ameba」の運営元であり、自社からも『ガールフレンド(仮)』などのヒットゲームを飛ばすサイバーエージェントの代表取締役社長・藤田晋に直撃した(取材日時:2013年3月12日)

藤田社長が激白!サイバーエージェント「Ameba」の進む道。

▲サイバーエージェント 藤田晋:サイバーエージェント 代表取締役社長。1997年に大学卒業後、人材派遣会社インテリジェンスへ入社。1998年にサイバーエージェントを設立、同社の代表取締役に就任。2000年には東証マザーズ上場を果たした。

 昨年、スマートフォンに注力する方針を明確に打ち出し、ソーシャルゲームを含むさまざまなコンテンツをリリースしているサイバーエージェント。「Amebaスマホ」と銘打ち、社員を起用したCMも話題を呼んだ。同社は、シーエー・モバイルなどの子会社を抱え、フィーチャーフォンにも強かった会社だ。ソーシャルゲームの分野では、Cygamesやサムザップなどのゲーム開発会社も関連会社に持つ。

 一方で、サイバーエージェント本体は、「Amebaブログ」や「アメーバピグ」など、Amebaブランドを冠するPC向けのサービスに強かった印象を持つ読者もいるはずだ。グループ全体で見るとモバイルでの実績も多々あったサイバーエージェントが、なぜ、あえてこのタイミングでスマートフォンを重視しはじめたのだろう。

 また、こうした性質を持った会社だけに、同社のプラットフォームであるAmebaは、MobageやGREEのように、ゲームに特化したものになっていない。ソーシャルゲームのど真ん中と言えそうな『ガールフレンド(仮)』や『天下統一クロニクル』がある一方で、オークションサービスの「パシャオク」、女性用匿名掲示板の「GIRL'S TALK」、ビジネス向けSNS「Intely」など、幅広いラインナップを用意している。一連のサービス群の中で、サイバーエージェントにとってのソーシャルゲームとはどのような位置づけになっているのか。

 これらの疑問を、サイバーエージェントの代表取締役社長である藤田晋氏に聞いた。

――元々、サイバーエージェントがソーシャルゲームに取り組んだきっかけからお話ください。スマートフォンとの関係についても教えてください。

藤田氏:ガラケーのときからやっていて、Amebaモバイルで提供していた『ブーシュカ』や『私のホストちゃん』は、基本的に内製でそれなりに売上の規模も持っていました。そこにスマートフォンが登場して、デバイスが変わることで、できる範囲も広がってきました。おもしろいゲームとは何かということも変わっています。ですが、私たちはゲームのポータルを作るつもりでやっているわけではありません。ブログと同じで、ベースとなるコミュニティがあり、そこにゲームを載せていっているイメージです。

――ゲームポータルを作るわけではないという点は、MobageやGREEとの差別化にもなるとお考えですか。

藤田:私たちは「コミュニティ&ゲーム」と言っていて、ゲームも重要な要素ですが、よりコミュニティの発想が強いですね。社内にもゲーム会社出身の人はほとんどいません。何かを考える際には、コミュニケーション、コミュニティを起点にしています。

 

――ソーシャルゲームが盛り上がる一方で、確かにコミュニティに重きを置いたサービスはありませんでした。

藤田氏:たとえば、私たちがヒットさせた「モグ」だと、友達の家に行きご飯を食べ、自分のものを並べてレシピを覚えていく。こういうゲームは、コミュニケーションを起点にしており、ゲーム業界の人が作らないものです。ゲームも一種のコミュニケーションで、コミュニティだと思います。

 でも、ソーシャルゲームの一番のポイントはそこですよね。みんなゲーム色が強くなってきていますが、ゲームの部分で勝負したらパッケージ(コンシューマーゲーム機向け)ゲームにはかないません。そういう意味では、違う方向に進んでいます。

――現状、プラットフォームというには、まだサードパーティが少ない気もします。

藤田氏これは2段階で考えています。現時点では内製のものをはやらせているところで、サードパーティがAmebaでどうしても出したいという規模が増えてきた段階で開放していきます。今も開放はしていますが、それほど積極的ではありません。

――Amebaほどの規模があれば、ゲームを出したいという声は強いと思いますが。

藤田氏:増えてはいますが、ユーザーに喜んでもらうため、私たちはAmebaならではの特色を出したいと思っています。なんでもいいから出したいというわけではありません。

――イメージとしては、iOSのApp Storeや、AndroidのGoogle Playに近いのでしょうか。

藤田氏:いや。それよりも、iモードですね。あのころのドコモのように、載せるものはきっちり審査していきます。

――そこまで審査をしっかりしているプラットフォームは、今だとあまりありません。

藤田氏:結構な時間を要してしまいますからね。ただ、クオリティが低いものや、運用をほったらかしにしているものに当たったときのユーザーの失望感を考えると、なんでもいいから入れるというわけにはいきません。

 本当はちょっと悩ましいところなんですけどね。プラットフォームなので、それなりに数が集まらないと傑作が生まれないという考え方もありますから。

――サイバーエージェントはグループ会社もソーシャルゲームを開発しています。今後は、本体とグループ、どちらが開発を担っていくのでしょうか。

藤田氏:徐々に切り替えているところです。グループ会社はいわゆるSAP(ソーシャル・アプリケーション・プロバイダー)ですが、さまざまな歴史があり、色々な会社ができてしまいました(笑)。プラットフォーム別に目的を分けるなど、今のところは緩く住み分けができています。ただ、どこかのタイミングで再編もありえます。

――MobageやGREEにソーシャルゲームを提供しているという点で、自社のプラットフォームと競合してくるような印象も受けます。

藤田氏:それは、逆に収益面での貢献の方が大きいですね(笑)。まだ実際に、そこまでユーザーを食い合うようなところには達していません。

>>次のページでは、「男道計画」が明かされる!?

サイバーエージェント コンテンツ PickUp!-①-

『ガールフレンド(仮)』

 

▲個性的な女の子が多数登場するのに加え、堀江由衣や佐藤聡美など人気声優陣によるボイスが話題の美少女恋愛カードゲーム。女の子同士のチャットが見られるヒトコトシステムが見られるヒトコトシステムなど、彼女たちのいろいろな面が知れるのも魅力だ。2013年3月28日時点で、会員数150万人を突破している。


対応機種:Android、iPhone
ジャンル:学園恋愛カードゲーム
料金:アイテム課金制
配信元:Ameba
URL:
http://vcard.ameba.jp

(c)CyberAgent, Inc.

 

サイバーエージェント コンテンツ PickUp!-②-

『天下統一クロニクル』

 

▲自分の故郷や愛着のある都道府県から1つを選び、同郷の仲間たちと日本一を目指すカードバトルゲーム。県同士の合戦では、10対10の熱いバトルを楽しむことができる。会員数100万人を突破したヒット作だ。


対応機種:Android、iPhone
ジャンル:ご当地カードゲーム
料金:アイテム課金制
配信元:Ameba
URL:http://tnk47.ameba.jp/

(c)CyberAgent, Inc.

 

>>社内にある「男道計画」とは?

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