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【石野純也のソーシャルゲーム最前線-第11回-】

フランス発のメーカー・ゲームロフト社長にとって日本のソーシャルゲーム業界の魅力とは!?

文●石野純也

2013年05月23日 16時55分

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日本の市場は
トレンドリーダー


 ケータイジャーナリスト・石野純也氏が、プラットフォーマーやゲーム運営会社にインタビューをしてソーシャルゲームの今後を占う当連載。フランスに本拠地を置き、日本でも多数のゲームを配信するゲームロフトに直撃した(取材日時:2013年4月17日)

フランス発のメーカー・ゲームロフト社長とって日本のソーシャルゲーム業界の魅力とは!?

ゲームロフト アレクシー・グレゾヴィアック:ゲームロフトグループ 日本担当 副社長、ゲームロフト株式会社代表取締役。1974年、フランスに生まれる。1998年フランステレコム入社。2001~2003年 Wanadoo Edition日本マネージャー。日本のゲーム業界歴は10年以上。2003年、ゲームロフト入社。2004年4月に日本法人を立ち上げる。以来、ゲームロフト株式会社はフィーチャーフォン向けの日本向けオリジナルゲームの開発を経て、XBox Liveアーケード、DSiウェア、WiiウェアやPlayStation Networkなど家庭用ゲーム機向け、iOS、Androidなどのスマートフォン・タブレット端末向けなど、マルチプラットフォームにタイトルを手掛け、発展を続ける。現在ではソーシャルゲームも手掛け、今後も多くのプラットフォームに対応するタイトルを開発・配信していく予定。日本在住歴は10年以上で、妻と娘2人と暮らす。

 フランスに本拠地を置き、モバイルに特化したゲームを開発してきたコンテンツプロバイダー。それが、ゲームロフトだ。同社はiモード全盛のころに日本市場に参入。海外の会社ながら、iアプリのゲームを多数リリースしてきた。

 スマートフォンへの取り組みも早かった。アップルやグーグルが開くイベントで、同社のゲームが“お手本”として紹介されることも少なくない。iOSやAndroidといった最新プラットフォームにいち早く目をつけ、クオリティの高いゲームを提供してきた会社と言っても過言ではないだろう。2月にスペイン・バルセロナで開催された世界最大の携帯電話関連見本市「Mobile World Congress」では、ドコモやサムスンが推す新OSの「Tizen」上で動くゲームのデモも行っていた。

 グローバルに活躍するゲームロフトだが、日本の潮流を踏まえたソーシャルゲームもリリースしている。昨年は、グリーとのパートナーシップを発表。同社のプラットフォームであるGREE上にも、「ギャングドミネーション」や「ドラゴンサマナー」といったタイトルを提供している。また、最近では同社のリリースするゲームの多くが、アイテム課金を採用。ソーシャルゲームのビジネスモデルを、グローバルで展開している。元々モバイルのゲームに強かったゲームロフトが、ソーシャルゲームに舵を切った理由は気になるところだ。

 一方で日本のコンテンツプロバイダーからは、海外での課金ビジネスは難しいという話も聞く。グローバルでビジネスを展開するゲームロフトは、こうした見方に対してどのように考えているのか。ゲームロフトの代表取締役社長、アレクシー・グレゾヴィアック氏に、同社の戦略や海外市場の現状を聞いた。

――ゲームロフトは、フランスに本拠地を置く会社です。基礎知識として、まずここ最近の会社の歴史と、日本法人の役割から教えてください。

グレゾヴィアック:これまでの歩みで重要だったのは、2010年の夏にスマートフォンにシフトしたことです。以前はフィーチャーフォン向けのアプリを作っていましたが、これを完全にやめたのが2010年の夏でした。

 スマートフォンにシフトすることで、ゲーム自体がより進化します。(容量の)大きさで言うと、300KBで作っていたものが、300MBクラスになります。ゲームロフトが開発したゲームには1GBのものまでありますが、この数字だけを聞いても、どれだけスマートフォンが進化したかはお分かりいただけると思います。

 その結果、チームを増やさなければならなくなり、コストも自動的に増えます。結果として世界展開をする必要が生じ、世界的なヒット作を作ることが求められました。これが1つ目のポイントです。

 もう1つが、2011年ごろにフリーミアムにシフトしたことです。アプリ自体は無料でダウンロードできて、その中で課金するタイトル中心の戦略にシフトしたわけです。

 東京ほかローカルのオフィスを置く理由は、3つあります。1つ目が、その市場に存在するということです。ゲームのローカリゼーション(国の地域性に合わせて調整すること)がより効率的に、現地でできるのはメリットです。もちろん、ネイティブによるカスタマーサポートにもメリットとなります。

 パートナーシップが、もう1つのメリットです。日本のメーカーや通信会社、サードパーティにお会いすることも、ローカルなオフィスがあれば難しくありません。GREEとのパートナーシップも、その成果の1つです。

 3つ目が市場に対する理解です。日本というのはトレンドリーダー的なところがあり、特殊なマーケットだと世界で見られています。ソーシャルカードゲームはいい例だと思います。ゲームロフトも、カードゲームとして『オーダー&カオス デュエル』を出していますが、これは日本の成功例を見て、「カードゲーム」が1つのトレンドだと思ったこともきっかけとなっています。

――海外メーカーであるゲームロフトがソーシャルゲームを出したのは、日本市場の影響が大きかったということでしょうか。

グレゾヴィアック氏:単に日本でソーシャルゲームが成功していたから作った、というわけではありません。ソーシャルゲームを最初に作ったのが日本であることは間違いないでしょう。一方で、今では世界中のさまざまなディベロッパーが作り始めていますから、必ずしも日本だけのものというわけではありません。その点では、日本にオフィスがあり、日本のマーケットを理解していることで、国際的に活躍している競合他社に比べて、当社はより効果的にゲームロフトとしてのソーシャルゲームを海外に発信できたと思います。

 ここでゲームロフトのミッションについて説明させていただきたいと思います。ゲームロフトはモバイルに特化した会社ですが、それはなぜだと思いますか? モバイルであれば、ゲームに多くの人がアクセスできるからです。より多くの人に、気軽にゲームを遊んでもらうのが我々のミッションです。モバイルなら、コンソール(ゲーム専用端末)やPCを購入する必要はありませんからね。また、フリーミアム(※編集部注)への転換は、それにマッチしていました。これによって、よりたくさんの人がゲームロフトのゲームに触れられるようになります。

――ゲームロフトとしては、日本のソーシャルゲーム市場をどう見ていたのでしょうか。

グレゾヴィアック氏:大雑把な印象ですが、ソーシャルカードゲームは、非常に革新的だったと思っています。一方で、成功したモデルが1つあると、そこにパブリッシャーが一気に集まり、たくさんのゲームが出てしまい、市場が飽和しているという印象も受けます。

 飽和した市場では、システムを最初に作ったところが成功しているように見受けます。たとえば、グリーさんの『探検ドリランド』がそうですね。このように初期のものがヒットするなかで、どのようにすればいいのかというと差別化しかありません。リスクを取って、新しい何かをするということです。その例として挙げられるのがガンホーさんの『パズル&ドラゴンズ』だと思います。あれは、ソーシャルカードゲームのシステムを採用してはいますが、ソーシャルカードゲームではありませんよね。このような中で、今は(『ドリランド』や『パズドラ』に続く)3段目の進化を各パブリッシャーが求めているのだと思います。

※フリーミアム(Freemium)……「フリー」(Free・無料)と「プレミアム」(Premium・割増)を組み合わせて作られた単語。基本プレイ無料で、一部のアイテムなどに課金するビジネスモデルのこと。

ゲームロフト コンテンツ PickUp!-①-

アイス・エイジ:ビレッジ

 

アメリカのCGアニメ映画『アイス・エイジ』のソーシャルゲーム。氷河期の動物たちのために、楽しい村を作ってあげるというシミュレーションゲームだ。


対応機種:Android、iPhone
ジャンル:シミュレーションゲーム
料金:アイテム課金制
配信元:Google Play / App Store

Ice Age Village TM & (c) 2012 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved. Ice Age Village game software, excluding Twentieth Century Fox elements. (c)2012 Gameloft. All Rights Reserved. Gameloft and the Gameloft logo are trademarks of Gameloft in the US and/or other countries.

 

ゲームロフト コンテンツ PickUp!-②-

My Little Pony

   

▲米Hasbro社の人気女児向けブランド「My Little Pony」の公式ゲーム。ゲーム内通貨を稼ぐことによって、新しいポニーを村に迎えたり、建物を建てたり、土地を広げたりすることができる。


対応機種:Android、iPhone
ジャンル:シミュレーションゲーム
料金:アイテム課金制
配信元:Google Play / App Store

MY LITTLE PONY (c) 2012 Hasbro.
(c)2012 Gameloft. All Rights Reserved. Gameloft and the Gameloft logo are trademarks of Gameloft in the US and/or other countries.

 

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