特集・連載

「Xperia A SO-04E」総力特集! デザインから紐解くXperiaの変遷

文●石野純也

2013年05月31日 19時45分

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Xperia A

ソニーモバイルとしての
共通の価値認識


 こうしたXperiaのデザインは、各デザイナーが「ビジュアルで共通認識を持ちつつ、あとは各々が考えてやっていく」(日比氏)というスタイルで作り上げている。それぞれの端末のデザインがバラバラにならないのは、「デザイナーひとりひとりが、デザインフィロソフィーやコンセプト、実現すべきデザインバリューを共有しているからできる。ひとつの思想の中で物事を進めている」(デザイナー、金田氏)からだ。ソニーモバイルでは 「デザインテーマを毎年決めている」 (鈴木氏)といい、たとえば2013年のキーワードである「オムニバランスデザイン」も、「さまざまな議論の中で生まれた」 (同氏)。デザインテーマは、「毎年決めているが、毎年変えているわけではない」(同氏)。ヒューマン・カーヴァチャーのように、継続しながら徐々に変えていくものもある。「開発のタイミングやプロセスが異なる」(金田氏)UIまで、世界観が貫かれているのも理由は同じで、「大きな冠の下でソニーモバイルのデザインとして、共通の価値認識を持っているから」(同氏)だ。


ソニーモバイル
コミュニケーションズ
デザイナー
金田氏

「Xperia NX」「Xperia Z」などのカラー&マテリアルを担当。


 

 

国を超えて、デザイナー同士が
コラボレーションする

「ソニーモバイルは、東京、スウェーデン、中国にデザインチームがありますが、定期的に進捗をシェアし、常に意見交換をしています。細かいところだと、アイコンひとつの表現にも、(デザインチームから)意見が出ますね」(鈴木氏)

 このようなプロセスを経て完成したUIにより、「自信を持ってプロダクトをシンプルにできると思っている。そこが残念だと、補うために(外観のデザインで)何かをしなければならなくなる」(日比氏)というように、プロダクトデザインに影響を与える好循環も生まれている。ちなみに、この前段階となる「デザインワークショップ」では、全世界の拠点からデザイナーが集まり、議論を重ねている。

「ワークショップで多くのリサーチとディスカッションが行われるのですが、特徴的なのはデザイナー自身が独自の感性とセンスでリサーチを行い、その結果を共有するところでしょう。また、具体的な造形の良し悪しから始めるのではなく、世界の動向、コンシューマーの生活様式・意識の変化、マクロ/ミクロトレンドは何なのかというところからワークショップはスタートします。例えば100年後のコミュニケーションはどうなるのか、といったトピックも議論したことがあります。具体的な形や素材、色の模索が始まるのは第2フェイズ。こうしたワークショップでひとつの拠点に閉じこもるのではなく、一丸となってデザインテーマ、バリューを作り上げていくのが、ソニーモバイルの力だと思います」(金田氏)

Xperia A

▲外観のみならず、美しいUIのデザインも「Xperia」の魅力のひとつだ。

 ソニーモバイルは、ソニーが100%子会社化する前のソニー・エリクソン時代から、日本だけでなく、欧州、北米、アジアと世界各地に拠点を持っている。だからこそ、このようなスタイルが当たり前になった。また、デザインは完全な分業ではなく「プロダクト担当がプロダクトを、カラー担当がカラーをというのではなく、チームを組んでやっている。カラーが時にはプロダクトを手がけることもある」(鈴木氏)という。国を越え、デザイナー同士が意見をぶつけ合いつつコラボレーションする。「日本ぽくなく、北欧っぽくもなく、かといって中国っぽいわけでもない」(日比氏)、“Xperiaならでは”のデザインは、このようなところから生まれているのだ。

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