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【夏スマホ総力特集】なぜスマホCPUは「Snapdragon」のシェアが高いのか!? スマートフォン向けCPU最新事情

文●島 徹

2013年06月12日 11時50分

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Qualcomnの一人勝ちは続くのか?
今後の各社スマートフォン向けCPUの動向


 今後もQualcommの天下は続くのだろうか。これまでCPUのみを開発してきたNVIDIAは2011年に独自のベースバンド開発技術を持つIceraを買収。また、スマートフォン向けCPU市場でのシェア拡大を狙うIntelも、2010年にInfineonの無線ソリューション事業を買収した。Qualcomnの牙城を崩せる可能性があるのは、これら2社のように自社で高性能なCPUと最新ベースバンド の両方を継続して開発できるメーカーに限られてくるだろう。というわけで、ここからはスマートフォンやタブレット向けCPUを供給する注目企業の今後の動きについて見ていきたい。

Qualcomn

 Qualcommは、ベースバンド技術を強みに、現在のCPUラインナップをより強固なものへと固めつつある。今年後半にはSnapdragonシリーズのフラッグシップCPU「Snapdragon 800(MSM8974 2.3GHz クアッドコア)」を投入する。製造プロセスの変更によってCPU処理をさらに高速化するほか、現在別チップで提供されているベースバンドを内蔵。最大150MbpsのLTEデータ通信にも対応する。

 国内では、ドコモとauが今年度末までに最大150MbpsのLTEサービスを開始する予定だが、両社が発表する冬春モデルのスマートフォンには、この「Snapdragon 800」を搭載した端末が並ぶことになるはずだ。

なぜスマホCPUは「Snapdragon」のシェアが高いのか 

▲ドコモとauは今年度内に最大150MbpsのLTEサービスを開始する予定。サービス開始に合わせて、150MbpsのLTEに対応した「Snapdragon 800」搭載スマートフォンが発表される可能性が高い。
 

NVIDIA

 NVIDIAはタブレット向けに、Tegraシリーズの最新CPU「Tegra 4(クアッドコア 1.9GHz)」を投入する。GPUの描画性能と、クロック数あたりの処理性能の高さが特徴だ。また、「Tegra 4」に対応したLTE対応ベースバンドチップ「i500」や、そのベースバンドを搭載するスマートフォン向けCPU「Tegra 4i(クアッドコア 2.3GHz)」の投入も予定されている。

 「Tegra 4」を搭載する初の端末は、6月より北米にてNVIDIA自身が発売するAndroid搭載ポータブルゲーム機「Project SHIELD」になる見込みだ。この端末には、GeForce GTXシリーズのビデオカードを搭載したPCとWi‐Fiで接続し、STEAMで配信されているPC用ゲームをリモートで遊べる機能が搭載される。また10.1インチクラスのAndroidタブレット東芝製「Excite Write」(7月発売予定)や、ASUS製「Transformer Pad Infinity」(秋発売予定)にも「Tegra 4」が採用されることが発表されている。「Tegra 4i」はベースバンド内蔵に加えて、スマートフォン向けに「Tegra 4」と比べてCPUとGPUの性能をやや抑えるなど省電力化を意識した設計になっている。年末から来年初頭にはTegra 4iを搭載したスマートフォンが登場する見込みだ。日本での発売も期待したい。

なぜスマホCPUは「Snapdragon」のシェアが高いのか 

▲NVIDIAは主にタブレット向けのCPU「Tegra 4」とLTEベースバンドチップ「i500」に加えて、スマートフォン向けCPU「Tegra 4i」をラインナップする。

なぜスマホCPUは「Snapdragon」のシェアが高いのか 

▲「Tegra 4」を搭載したAndroidポータブルゲーム機「Project SHIELD」。6月中に北米にて349ドルで発売される。

Intel

 Intelは、PC向けCPUでの高いシェアと技術力を背景に、ここ2年で着実にスマートフォンやタブレット向けCPU市場での影響力を高めつつある。これまでは低価格端末向けのシングルコア製品のみの供給に留まっていたが、今年の6月に発売予定のサムスン電子の10.1インチタブレット「Galaxy Tablet 3」に「Clover Trail+(Atom Z2500シリーズ デュアルコア 2.0~1.2GHz)」とLTE対応ベースバンドチップ「XMM7160」が搭載されることを発表した。

 また今年後半からは、設計と製造プロセスを一新した新しいCPUの投入が発表されている。秋にWindows 8.1とAndroidタブレットの両方に対応した「Bay Trail-T(クアッドコア)」を、来年にはスマートフォン向けの「Merryfield」を投入する。

 注目すべきは、これらのCPUを自社の22nmプロセスルール(※編集部注)で製造する点だ。これは、28nmプロセスルールを用いるTSMC社にCPUの製造を委託しているQualcommやNVIDIAの製品に対して、より省電力かつ高性能なCPUを製造しやすいことを意味する。将来的には14nmプロセスルールへの移行も視野に入れており、PC向けで培った自社の製造技術がスマホ向けCPUのシェアに大きく影響を与える可能性もある。今後のIntelの動きは要注目だ。 

なぜスマホCPUは「Snapdragon」のシェアが高いのか 

▲Intelは2011年よりスマートフォン向けCPU市場に、AtomをベースとしたCPUで参入。日本でもASUSのFonepadなどAtom搭載端末が発売されている。

なぜスマホCPUは「Snapdragon」のシェアが高いのか 

▲サムスン電子の最新タブレット端末「GALAXY Tab 3 10.1-Inch」に、「Clover Trail+」の「Atom Z2560(デュアルコア 1.6GHz)」と、LTE対応ベースバンドチップ「XMM 7160」が採用されている。

※プロセスルールとは…CPUやメモリーなどの半導体を製造する際に、設計図からウェハー(半導体の薄板)に回路を転写することになるが、その回路の配線の幅のこと。

その他のメーカー

 このほか、Media TekやHiSiliconなど、中国や台湾メーカーで設計された低価格CPUも要注目だ。以前はシングルコアの安価かつ低スペックなものが中心だったが、近年ではクアッドコアの高性能なCPUも登場している。今後はドコモの「dtab」のように価格を重視した機器や、MVNO事業者のSIMフリー端末に採用されて国内でも見かける機会が増えるかもしれない。

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