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【2013夏スマホ特集 国産スマホメーカーに訊く!-第2回-】

国産ハイスペックスマホの代名詞「ARROWS」シリーズの開発秘話とは!? 富士通インタビュー[後編]

文●mobileASCII編集部

2013年06月14日 19時30分

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 国産スマートフォンを製造しているメーカーに、2013年夏モデルの訴求ポイントを聞くと同時に、これまでのスマートフォン開発の歴史を振り返ってもらうインタビュー特集。

 第2回目は、国産ハイスペック・スマホの代名詞、ARROWSシリーズを展開する富士通の商品企画・プロモーション担当者へのインタビュー後編。ARROWSシリーズの最新機種「ARROWS NX」のテクノロジーについて聞いた。

国産ハイスペックスマホの代名詞「ARROWS」シリーズの開発秘話とは!? 富士通インタビュー[後編]

 


富士通株式会社
ユビキタスビジネス戦略本部長代理
商品企画・プロモーション担当


松村 孝宏

 


5.2インチのフルHDディスプレイ採用は
フラッグシップ機としてのメッセージ


編集部 : 前回に続いて、ドコモ2013夏モデルの「ARROWS NX」に関してお話を伺っていきたいと思います。「ARROWS NX」では、ディスプレイがフルHD解像度の5.2インチと、今期のスマホとしては最大サイズのものを採用してきました。このサイズを選択した理由は?

松村孝宏氏 : ディスプレイサイズについては、どのくらいの大きさがいいのか、実はまだ答えが出せないでいます(笑)。さすがに6インチや7インチにまでなってくると違うと思いますけど、お客様が許容できるサイズとはどの辺りまでなんだろうと。今回5.2インチとしたのは、ある意味「フラッグシップ機として、これはどうでしょうか?」というお客様へのメッセージです。実際に店頭で手にとっていただいたときに、選んでいただけるんじゃないかな、と。「ARROWS NX」にはフルセグを搭載しましたが、やっぱりテレビを⾒るなら大きい方がいいですしね。

国産ハイスペックスマホの代名詞「ARROWS」シリーズの開発秘話とは!? 富士通インタビュー[後編]

▲外出先でニュースなどを視聴するときには、テロップがクッキリ見えるフルセグがやっぱり便利。

編集部 : 確かに、フルセグで地デジ番組を観たり、車載してカーナビとして使ったりする場合には大画面の方が使い勝手はいいですね。

松村氏 : ただ、サイズに関しては狭額縁技術がさらに進んで「ゼロフレーム」になったとしても、さすがに5.2インチ辺りが限界だと思いますけどね(笑)。実は、最近まで個人的に使っていたのは小さな「ARROWS Me」なんですが、それに換えて「ARROWS NX」を初めて胸ポケットに入れた時には「でかいな!」と思いました。でも、最近じゃ違和感はなくなってきましたし、大きな画面の楽しさから離れられなくなってきています。

国産ハイスペックスマホの代名詞「ARROWS」シリーズの開発秘話とは!? 富士通インタビュー[後編]

2012年夏モデルARROWS Me F-11D」。3.7型液晶ディスプレイ(480×800ドット)搭載し、横幅60mmというコンパクトな防水モデルとして人気を博した。

編集部 : スマホからの買い換えの人は大画面を歓迎すると思うんですが、フィーチャーフォンからスマホへ初めて乗り換える人は小型の機種を好む傾向があるように思います。「ARROWS NX」のターゲット層は、やはり従来からのスマホユーザーなのでしょうか?

松村氏 : まぁ今はそうかもしれませんね。ただ、初めてスマートフォンを購入される方は、スマホを選ぶ際に、周りの方々が使っているスマホを見て決断しているようです。なので、初心者だからといって大きなディスプレイのスマートフォンを選ばないということはないと思っています。

編集部 : 今回の「ARROWS NX」からはバッテリーが外せない構造になりました。日本では依然としてバッテリー着脱式の機種が好まれていますが、あえて着脱できない密閉構造としてきたのには、どんな意図があるのでしょう?

松村氏 : まず、大容量バッテリーを搭載しながら、どれだけ持ちやすいボディにするのかということを優先しました。バッテリーが交換できることを前提とした製造上の制約からフリーになることによって、パーツの配置を見直すことができ、少しでもボディを小さくすることができました。この先、バッテリーの交換ができることに意義を見いだせる機種以外は、バッテリーは(着脱できない)はめ込み式に集約されていくように思います。

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▲背面カバーは取り外すことができない構造になっている。内蔵されているバッテリーはリチウムイオンだ。

編集部 : バッテリーが外せない構造になったことで、「予備バッテリーが不要なほど、『ARROWS NX』は電池が長持ちする!」という自信を込めてきたのかと思いました(笑)。

松村氏 : そう。まさに、その通りなんです。「ARROWS NX」に付けた「NX」の“N”は、刷新を表す“NEW”なんですが、その中には「電池持ちの良さで絶対に1番になる」という意味も込められています。容量3,020mAh という絶対値の高いバッテリーを搭載し、これまでのノウハウを活かしたチューニングを施すことによって、どんなにヘビーに使っても1日以上は平気で使えることを目標にして設計を行っています。


地上デジタル放送を受信できる
フルセグを搭載した理由とは?


編集部 : 先ほどから何度か出てきましたが、今回の「ARROWS NX」には、地上デジタル放送をハイビジョン画質のまま受信できるフルセグチューナーが搭載されています。このフルセグチューナーの搭載は、いつぐらいから検討を始めていたのでしょう?

松村氏 : 携帯電話にフルセグチューナーを搭載しようとする施策は、ワンセグチューナーの開発と同時期ぐらいから行われていたんです。ですから、かなり昔からですね。ただ、フィーチャーフォンですと、バッテリー持ちの問題もありましたし、B-CASカードをどうするかという問題もあって実現には至りませんでした。これが、スマホの時代になって、フルHD解像度のディスプレイが登場してきたり、B-CASカードの代わりとなる「Soft-CAS」が実用化されたことによって、ようやく機は熟してきたということです。

国産ハイスペックスマホの代名詞「ARROWS」シリーズの開発秘話とは!? 富士通インタビュー[後編]

▲1440×1080ドットの地上デジタル放送が受信できる、フルセグチューナーを搭載。電波状況が不安定な場合は、自動的にワンセグに切り替えるよう設定できる。録画できるのはワンセグ番組のみなのが残念。

編集部 : フルセグの搭載は、付加価値としてウリになるとの判断なのでしょうか?

松村氏 : フルセグといいますか、テレビってもう付加価値にはならないんじゃないかと。もう“当たり前”のことになっていますから。そこで、「フルセグスマートフォンです!」といったって、それだけじゃ売れないでしょう。

編集部 : いえ、個人的には欲しいと思ってしまいますけど(笑)

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松村氏 : ありがとうございます。でも、多くのユーザーの方は「フルセグ」単体だけの魅力で買うわけじゃないと思いますよ。メーカー間の搭載機能が横一線になったときには、フルセグが付いている機種が選ばれるかもしれないと思っています。ですから、今回ほとんどのメーカーからフルセグ搭載機が出てくるかと思っていたんですけど、あまり皆さんやってこなかったのは意外でした。

編集部 : 確かに、この夏モデルでフルセグチューナーを搭載してきたのは、富士通とシャープだけでしたね。

松村氏 : まぁ、この先フルセグ搭載機は増えてくると思いますよ。なんといってもやっぱりキレイですから、フルセグは! ぜひ「ARROWS NX」を手にとって、スマホでのフルセグ視聴を体験してみてください。きっと感動しますよ。

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