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【夏スマホ総力特集】スマホのディスプレイは、さらに大画面&高解像度へと進化するのか? ディスプレイの歴史と最新技術をチェック!

文●島 徹

2013年07月03日 19時45分

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スマホのディスプレイは、さらに大画面&高解像度へと進化

スマホのディスプレイの
スペックデータの見方と、
歴史や進化についてチェック!


 スマホを選ぶ際に、ポイントとなるデバイスのひとつがディスプレイだろう。多くの人は、画面の見やすさと本体のサイズを天秤にかけて端末を選んでいるはずだ。また、スペックにこだわりを持つ読者ならば、ディスプレイの解像度や特別な技術が採用されているのかという点も考慮して選んでいるかもしれない。

 そこで今回は、スマートフォンに搭載されているディスプレイについて、そのスペックやデータの見方、歴史や進化の過程についてまとめてみた。また、今後注目の新技術についても解説しているので参考にしてほしい。

まずはディスプレイの
スペックの読み方を知っておこう

   ディスプレイについての理解を深めるためにも、まずはそのスペックの読み方に触れておきたい。

 まずはサイズ。スマートフォンのスペック表などを見ると「画面サイズ約5インチ」などと表記されているが、これはパネルの対角線の長さを示している。1インチは2.54センチメートルなので、「画面サイズ約5インチ」とは、画面右下端から左上端までの対角線の長さが約12.7センチメートルのディスプレイであるという意味だ。

 次に、ディスプレイの密度(解像度)。スマートフォンでは主に「ピクセル数」と「ppi(ピクセル・パー・インチ)」という、2種類の異なる表現がなされている。

「ピクセル」とは、小さな点(ドット)に、色情報を加えた概念(色のついたドット)のことで、日本語で言い換える場合は「画素」となる。1ピクセルは通常、R(レッド)G(グリーン)B(ブルー)の3つのサブピクセル(副画素)で構成され、これらの3色の発光を調整することでさまざまな色を表現している。そして、「フルHD(1080×1920ピクセル)」のディスプレイは、横に1080ピクセル、縦に1920ピクセルが並んでおり、合計すると、1080×1920の約207万もの「ピクセル数」を画面上に持つことになる。

display display

▲液晶ディスプレイの拡大写真。画面上には、赤や紫、白や黒などのピクセルが集まって構成されている。その1ピクセルさらに拡大撮影すると、肉眼では見えないRGBに別れたサブピクセルの存在を確認できる。これらサブピクセルの明るさを変えることで、さまざまな色を表現している。

 それに対して「ppi(ピクセル・パー・インチ)」は、画面上の1インチ(2.54センチメートル)の距離に含まれるピクセル(画素)の数、すなわち画素密度(解像度)を示している。たとえば「440ppi」ならば、わずか1インチの距離が440もの画素で構成されているというわけだ。

 これら「ピクセル数」(画素数)と「ppi」(解像度)の数値は、その値が高いほど、文字や画像をより滑らかに表示できることを示しており、たとえばフルHDのディスプレイならば、フルHDで撮られたYouTubeの動画などをそのまま、サイズを縮小せずに再生することができる。同じ画素数のディスプレイでもサイズが違う場合は、ディスプレイのサイズが小さいほど画素の密度を示す解像度の値は高くなる。ちなみに解像度が300ppiを超えると、印刷物なみの美しさで写真や文字を表示できるといわれている。

スマホのディスプレイは、さらに大画面&高解像度へと進化 スマホのディスプレイは、さらに大画面&高解像度へと進化

▲iPhone 3G(320×480ピクセル/164ppi)の画像(左)とiPhone 5(640×1136ピクセル/326ppi)の画像(右)を拡大撮影した。解像度が高いほど、同じアイコンや文字でもより滑らかに表示できる。iPhone 3Gは解像度が低く、漢字が文字潰れしているなど視認性にやや難があった。

スマートフォンとともに進化してきた
大画面&高解像度ディスプレイ

 スペックの読み方を理解したところで、スマートフォンのディスプレイの歴史についておさらいしていこう。この夏の最新Androidスマートフォンでは、多くのモデルが5インチ前後のフルHDディスプレイを搭載しているが、スマートフォンが生まれた当時は、今よりも当然サイズやピクセル数、解像度は低かった。

 iOSやAndroidスマートフォンの初期を振り返ると、たとえば2008年7月に発売された「iPhone 3G」はディスプレイのサイズが3.5インチで、ピクセル数が320×480、画像密度は164ppiだった。また、2010年4月に発売された「Xperia SO-01B」の場合、サイズは4.0インチで、ピクセル数が480×854、画像密度が245ppiだった。このように初期のスマートフォンでは、ディスプレイのサイズが3.5~4.3インチのものが多く、画面の画素数も携帯電話と同じFWVGA(480×854ピクセル)のものが主流だった。今夏の最新スマートフォンと比べると、文字などはかなり粗く見える。

スマホのディスプレイは、さらに大画面&高解像度へと進化

▲左がiPhone 3G、右がiPhone 5。iPhone 5のディスプレイは初期の3Gと比べて、画面サイズや解像度だけでなく、発色やコントラストも向上している。また、内部でもフロントパネルと液晶モジュールが一体化されるなど、薄型化の工夫もなされている。

 そんなスマホのディスプレイの歴史を大きく変えたのが、2010年6月に発売された「iPhone 4」だった。この端末は、印刷物なみの解像度とされる300ppiを超えた3.5インチ、640×960ピクセル、326ppiの「Retina(網膜)ディスプレイ」を搭載し、発売された当時、その画面の美しさでかなりの注目を集めた。これを皮切りにAndroid端末も、ディスプレイの大画面化、高解像度化の流れを歩み始めることになる。2011年の夏に発売されたスマートフォンのなかには、「AQUOS Phone SH-12C」などqHD(540×960ピクセル)のモデルが登場し、2011年末には「REGZA Phone T-01D」がHD(720×1280ピクセル)のディスプレイを搭載。そして2012年冬以降は、「HTC J butterfly」など5インチ前後のフルHD(1080×1280ピクセル)ディスプレイ搭載端末が登場している。

 現在ではアプリなどもHD(720×1280ピクセル)解像度に対応したものが増えてきているが、まだ主流とはいえない。フルHD(1080×1280ピクセル)解像度については、今のところカメラで撮影した写真やフルHD動画を美しく表示するという以外の用途は、あまり提案されていないというのが現状だ。

 以上がスマホのディスプレイの主な進化の歴史だ。このほかにも、タッチパネルを液晶パネルと一体化することにより薄型化した“インセル”技術や、液晶側面のフチを少なくした狭額縁化なども進化している。これらの技術により、最新のスマートフォンでは以前のスマートフォンよりも小さく薄いサイズながら、より大画面のディスプレイを搭載できるようになった。

 また、液晶パネルの薄型化は、低消費電力化や明るさの向上にもつながっている。最近のスマートフォンは、屋外でも外光に負けない明るさで見やすい点をアピールする製品も増えているのも特徴だ。

スマホのディスプレイは、さらに大画面&高解像度へと進化

▲4.7インチのフルHDディスプレイ搭載の「ELUGA P P-03E」。薄型フレームによる狭額縁デザインで、フルHDながら横幅65mmの持ちやすいサイズを実現している。

■主なスマートフォンとディスプレイのスペック
発売時期 端末名 画素数 画像サイズ 解像度
2008年
7月
iPhone 3G 320×480
ピクセル
3.5
インチ
164
ppi
2010年
4月
Xperia
SO-01B
FWVGA
(480×854
ピクセル)
4
インチ
245
ppi
2010年
6月
iPhone 4 640×960
ピクセル
3.5
インチ
326
ppi
2011年
5月
AQUOS PHONE
SH-12C
qHD
(540×960
ピクセル)
4.2
インチ
262
ppi
2011年
11月
REGZA Phone
T-01D
HD
(720×1280
ピクセル)
4.3
インチ
341
ppi
2012年
9月
iPhone5 640×1136
ピクセル
4
インチ
326
ppi
2012年
12月
htc J buttfly フルHD
(1080×1920
ピクセル)
5
インチ
440
ppi

 

大画面化、高解像度化はひと段落
今後は“付加価値”で差別化が進む

 これまで進化を続けてきたスマホのディスプレイだが、その大画面化と高解像度化は、ここに来てやや落ち着きつつある印象だ。

 大画面化については、ディスプレイサイズが大きくなり横幅が70ミリを超えてしまうと、片手で安定して操作するのが難しくなるといわれている。この夏モデルでも「HTC J One HTL22」や「AQUOS PHONE ZETA SH-06E」など、あえて5インチではなく4.7インチや4.8インチのフルHDディスプレイを搭載し、横幅をせまくして持ちやすさの問題を解決している端末もある。

 とはいえ一方で、「GALAXY Note II SC-02E」のように、5、5インチの大画面がフィーチャーされたスマートフォンも人気を集めている。これら6インチ前後のスマートフォンは”ファブレット”と呼ばれ、別ジャンルの端末として広がりをみせている。また、この春にはNECカシオから「MEDIAS W N-05E」という2画面ディスプレイを搭載したスマートフォンも発売されており、今後、大画面ディスプレイを搭載したモデルは、普通のスマートフォンとは別ジャンルの製品として支持を集めていく可能性がある。

スマホのディスプレイは、さらに大画面&高解像度へと進化

▲6.4インチフルHDディスプレイを搭載した「Xperia Z Ultra」。最新CPUのSnapdragon 800(2.2GHz クアッドコア)や、鉛筆やボールペンでペン入力可能なタッチパネルが特徴。7~9月発売予定だが、日本での発売は不明。

スマホのディスプレイは、さらに大画面&高解像度へと進化

▲ロシアYota Devicesによる2画面Androidスマートフォン「YotaPhone」。表に4.3インチHD液晶、背面に360×640ピクセルの16階調電子ペーパーを搭載する。今年後半の発売を予定しているが、日本での発売は不明。

 ディスプレイの高解像度化についても同様だ。最新のスマートフォン向けフルHDディスプレイは、印刷物なみの300ppiを超えて、人間の目ではピクセルを見分けられなくなる440ppi台にまで達している。これ以上解像度を上げても表示処理に負担がかかるだけで、人間の目では画質の違いをほとんど認識できない。

 このことから考えると、今後は今よりもディスプレイの解像度を向上させたスマートフォンは、あまり出てこないのではないかと考えられる。出るとしたら、5インチクラスのフルHDディスプレイを縦に伸ばした「2K1K(1080×2048ピクセル)」ぐらいだろう。それよりも、高解像度化技術を応用して、1ピクセルを構成するRGBのサブピクセルに「W(ホワイト)」を加えた“省電力ディスプレイ”や、ディスプレイ内部に“センサー”を内蔵したものなど、解像度以外の部分で付加価値をつけたディスプレイを搭載するスマートフォンが登場する可能性が高いのではないだろうか。

スマホのディスプレイは、さらに大画面&高解像度へと進化

▲今後はスマートフォン向けではなく、タブレットや6インチ前後のファブレット向けディスプレイの高解像度化が進むとみられる。写真はシャープの6.1インチWQXGA(2560×1600ピクセル)ディスプレイの参考展示。

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