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【2013夏スマホ特集 国産スマホメーカーに訊く!-最終回-】

省電力ディスプレイ「IGZO」を武器に、多モデル戦略でシェア奪還を目指す! シャープインタビュー

文●mobileASCII編集部

2013年07月26日 21時40分

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シャープ

 国産スマートフォンメーカーに、2013年夏モデルの訴求ポイントやこれまでのスマートフォン開発の歴史などを聞くインタビュー特集。

 第5回目は、「AQUOS PHONE 」シリーズを展開しているシャープの、通信システム事業本部マーケティングセンター副所長兼プロモーション推進室長に、「AQUOS PHONE 」シリーズに込めるこだわりについて伺った。


シャープ株式会社
通信システム事業本部マーケティングセンター
副所長兼プロモーション推進室長


河内 厳 氏

4キャリアに8機種を投入する
シャープのスマホ戦略とは?


編集部:この2013年夏モデルで、シャープは4キャリアすべてに8機種もの端末を提供しています。ひとつの商戦期で、キャリアごとに2~3モデル投入するという戦略を他のメーカーさんはあまりしないと思うのですが、これはシャープの方針ということなんでしょうか? 

河内氏:当社ではタイプの異なるモデルを多く用意することで、お客様のニーズに広く対応していきたいと考えています。片手で持てるコンパクトモデルが使いやすいというお客様もいれば、迫力ある大画面スマホを求められるお客様もいらっしゃいます。いま、お客様の志向は二極化してきていますね。

編集部:その二極化に対応するために、多品種で攻めるわけですか?

河内氏:機種を増やせばいいっていうわけでもなくて、意味のある商品を作る必要がありますよね。いまは必ずしも上位モデルが売れているというわけでもありませんから、コンパクトモデルを含め、ラインナップをきちっと押さえていく必要があると思います。ただ最近どのキャリアさんも機種数を絞り気味ですので、ユーザーに訴求できる特徴があるということが大切になってきます。今回は8機種投入できたということで、厳しい状況の中にありながら、キャリアさんに当社の提案をご評価頂けたのはうれしい限りです。

シャープ

▲シャープの2013年夏モデル。ドコモとソフトバンクに3機種ずつ。auに2機種、ウィルコムに1機種の、計8機種を投入した。

編集部:ちなみに、キャリアさんとの話し合いの中で提案される機種というのは、実際に発売になるモデルよりも多いのでしょうか?

河内氏:それはもちろん採用された数よりは多く提案しています。ただ提案するにしても裏付けがないとダメです。そのためには、多くの検討時間とリソースが必要になります。キャリアさんにとっても当社にとっても価値のあるものを厳選し、ご提案しています。

編集部:厳選してても8機種ですから、かなり大規模な開発チームがあって…というように想像するのですが?

河内氏:いえいえ、価格的にも下げていかなければならないので、そんなに大規模にはできません。幹の部分として仕様を共通化できるところはグループで開発していきながら、商品性に関わる枝葉の部分をうまく作っていくというスタンスとなります。

シャープ

▲2013年夏モデル。左がauの「AQUOS PHONE SERIE SHL22 」、右がドコモの「AQUOS PHONE ZETA SH-06E」。

編集部:GALAXYなどのグローバルモデルは、軸となるモデルを作って、それの派生モデルを出すというような方法を採っていますが、シャープはそうではなく、あくまでもキャリア別のカスタマイズモデルを開発段階から分けて作っているのでしょうか?

河内氏:技術的なところやコストに関係あるところは共通化していきます。ただ、マーケティングの観点からいえば、3キャリアさんともユーザー層が違いますので、デザインを含めた商品提案が違ってくるのは自然なことです。シャープとして、キャリアさんの中でのポジショニングの違いがある部分もありますし、キャラクターが付いている部分もありますし、過去のシャープのお客様からの買い替えも促進していかなければならないとすると、グローバルメーカーのように、年に1~2モデルだけ作って全キャリアさんに提案するというわけにはいきません。

シャープ

編集部:共通という意味では、シャープ独自のホームアプリ「スリーラインホーム」はキャリアを通して共通です。「スリーラインホーム」はAndroidの普通の操作感とは大きく違う印象なのですが、これはずっと続けられていく感じなのでしょうか。

河内氏:はい、続けていきますね。

編集部:ユーザーからの反応は?

河内氏:KDDIさんとソフトバンクさんでは、出荷時のデフォルトが「スリーラインホーム」になっています。我々の調査では、少なくとも利用率は7~8割となっています。それ以外にも「SHホーム」というホームアプリもプリインしていますので、そちらを使われている方もいらっしゃいます。ドコモさんの場合は、「Palette UI」がデフォルトなので、意図的に切り替えないと「スリーラインホーム」にならないんですけど、だいたい3割くらいの方に使っていただいているようです。最初に出したときは「新しい」という声と同時にご不満も頂きましたが、商品のコンセプトに照らし合わせながら、改善・改良をかなりの項目でやってきていますので、だいぶストレスなく使えるようになってきたと思っています。

編集部:AQUOS PHONE ZETA SH-02EとSH-06Eでは、「スリーラインホーム」のバージョンが変わっているんですね。

河内氏:そうですね、だいたい半期に1回バージョンアップしていますので、かなり使いやすくなっていると思います。

編集部:そのバージョンアップには、開発元のアメリカのフロッグデザインは関わっているのですか。

河内氏:そうですね、フロッグデザインさんとは最初にコンセプトから1年かけてやらさせていただいていて、最初のモデルのリリース後も継続してコンサル的なことも含めて協力関係にあります。ただ、ある程度作品としてはできあがっているので、あとはマーケットの声を拾い上げながら改善していく形となっています。

シャープ シャープ

アップルコンピュータ「Apple IIc」の筐体や、マイクロソフト「Windows XP」のデスクトップUIを手がけたデザインチーム、frog design(フロッグデザイン)が開発に携わった「3ラインホーム」。

>>>次ページ「AQUOS PHONE」というブランド名はいかに決まったのか?

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