Android iPhone 特集・連載

【編集部 夏の終わりの妄想トーク -最終回-】

ドコモの「ツートップ戦略」の着地点は?今後のドコモの戦略を勝手に予想してみた!(後編)

文●mobileASCII編集部

2013年08月22日 18時50分

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 この夏、「ツートップ戦略」を打ち出したドコモは、ソニーの「Xperia A」とサムスンの「GALAXY S4」の2モデルを猛プッシュする方針を採った。

 この「ツートップ戦略」は、果たして成功したといえるのか?

 編集部の端末班である山下と高橋が、勝手に「ツートップ戦略」の総括し、秋以降のスマホ業界の動向を予測する“妄想対談”後編!(前編はこちら

ツートップ

登場人物キャラ紹介

山下
…「XperiaZ」などのAndroid端末を使いつつも「iPhone」も大好きな編集者。モバイル業界のことをいろいろと妄想するすのが好きだが、あまり当たったことはないとか。

高橋…「NEXUS ONE」、「GALAXY S Ⅲ」などAndroid端末を使いこなす、ハイスペック端末が大好きな編集者。最近、TVドラマ『半沢直樹』にはまっており、いろいろな物事に対して深読みする傾向が強い!?



冬モデルでも「ツートップ戦略」はあるのか?


山下:前編に続いて、今後のドコモの販売戦略について、僭越ながらお話しさせていただこうと思います。ドコモは次の冬モデルでも「ツートップ」でくるんでしょうかね?

高橋:私はしてくると思いますね。「ツートップ」かどうかはわかりませんが、同様の優遇策を採ってくるんじゃないでしょうか。しかし、NECが撤退した今、もしパナソニックもいなくなるとしたら、実質5メーカーとなります。ソニー、サムスン、シャープ、富士通、LGの。その5メーカーから1つか2つを選ぶなんて…、残酷すぎるような…。

山下:確かに5メーカーから2モデル選ぶのは厳しいですよね。残りのメーカーからの反発はきっとすごいことになるでしょう。だから個人的には次もやるなら「ツー」でなく「ワントップ」がいいと思っています。「この夏の実績を考慮し、ドコモは『Xperia』を『iPhone』のように扱います」なら、仕方がないってことになると思うんです。他キャリアは「iPhone」でそうしているわけですし。

高橋:いや~それはないでしょう。夏モデルではおとなしく甘んじた、シャープ、富士通あたりは絶対に納得しないと思いますよ。メーカーの話を聞くと、夏モデルでは「ドコモが『ツートップ戦略』を推し進めるなら仕方がありません。次のツートップに選ばれるように精進するだけです」というスタンスのところが多かったのですが、すでにドコモがメーカーを選別する販売戦略に舵を取ってることは周知の事実となったワケですし、簡単にはいかないと思うんですけどね。そういえば、外資系通信社では、次は「スリートップ」として、ソニー、シャープ、富士通の端末を重点販売するなんて報道していますね。

山下:もし5メーカーから3つを選んで優遇するとなると、端末のイチオシ的な戦略として、ちょっとよく分からないようにも感じますね。それだったら、やはりソニーを「ワントップ」で推すほうが戦略的に分かりやすいと思いますが…。

高橋:サムスンが「ツートップ」から漏れる可能性が高まってきましたね。

山下そうなるとサムスン的には厳しいですね。もちろん、仮に「ツートップ」から脱落してしまっても、サムスンはドコモと組むのは間違いないのでしょうが、展開によっては、もしかするとソフトバンクと再び“より”を戻す可能だってあるかもしれませんね。

高橋:ソフトバンクは、スプリント(米国で加入者数第3位の携帯電話事業者)を買収できたので、アメリカで端末を売りたいわけですよ。だから「GALAXY」ブランドを手に入れたいってのはあるのかもしれないですね。

山下:そうなんです。ソフトバンク的にはサムスンとドコモにケンカしてもらって、再び「GALAXY」ブランドを手に入れたいと思っているのは間違いないと思うんです。まぁ、ドコモとケンカするしないは関係なく、すでにソフトバンクとサムスンは何らかの接触をしている可能性はありますよね。現状の国内でのラインナップを見ると、ドコモに「GALAXY」があって、ソフトバンクには「GALAXY」がないというのは事実ですし。

高橋:auは「GALAXY」を扱っていますし、「GALAXY」はドコモだけの専売ではないですよね?

山下:確かにauはそうですが、ドコモ的には「対ソフトバンク対策」という意味もあると思うんですね。「Xperia」だってソフトバンクにはないし、「GALAXY」だってソフトバンクは扱ってない。もちろん、その2つのブランドが単純に売れているからこの夏の「ツートップ」に採用されたってのもあるのかもしれませんが、「対ソフトバンク対策」という面から考えても、その2つのブランドを推すのは有効だと思いますし、次もやるならそれで行くという戦略もあると思うんです。

ツートップ

▲夏モデルのサムスン「GALAXY S4」は、供給先をドコモ1社に絞るという戦略を採った。


次の「ツートップ」を勝手に予想!


高橋:ちまたでは次の「ツートップ」、または「スリートップ」となるメーカーを予想する動きが目立ってきています。山下さんは、どう予想します?

山下:シャープと富士通はいい端末を出していますし、十分に可能性はあると思いますが、結局はドコモが彼らを選ぶ理由があるかどうかですよね。選ぶポイントの基準として考えられるのは「売れるかどうか」ってことなんでしょうけど、「他のキャリアとの差別化」で考えると、先ほどからいっているようにソニーの「ワントップ」、またサムスンを加えた「ツートップ」だと思うんですよね。

高橋:いやいや今のご時世、そんな「他キャリアとの差別化」なんて考えは現実的じゃないと思います。メーカーからしたら、どこかの1キャリアから単独で出すよりも、供給先がたくさんあるほうがいいんでしょうし、逆にキャリアだって「メーカーを縛る」のは、今後ますます難しくなると思うんです。

山下:確かにそうかもしれません。でも、ソニーの「Xperia」はドコモで出したのは売れて、auで出したのはそれほど売れなかったことから考えると、「供給先が複数」あることよりも「供給先を絞ってでも、優遇してもらうこと」のほうが大事であると思うんですよね。実際、HTCはKDDIと組んで「キャリアを絞る」ことである程度、成功しているじゃないですか。ドコモがツートップを始めたこと、そしてNECが撤退したことを考えると、今後、端末メーカーは闇雲に全キャリアにたくさんの機種を投入することが必ずしもベストの選択ではない気がするんです。

ツートップ

▲HTCとKDDIの蜜月関係は継続中。夏モデルの「HTC J one」も、海外向けにはないSDカードスロットやワンセグ、おサイフケータイ機能など、KDDI向けにカスタマイズを施したモデルだった。写真はHTCのピーター・チョウCEO(左)と、KDDIの田中社長(右)。

高橋:まぁ、ただメーカーとキャリアの関係って非常にセンシティブだと思うし、なかなか特定キャリアだけと組むというのは厳しい気はするんですけどね。

山下:確かにそうですよね。でも今こそ、端末メーカーは自ら主導権を持って、アップルの「iPhone」のやり方に倣うべきだと個人的には思うんです。販売条件を突き付けて、これで売らないなら「では結構です」という感じで、受けに回らずに攻めに出るべきだと思うんです。もちろん、日本でそういうビジネスを行うのは難しいとは思いますけど、ただ指を加えてキャリアの戦略に振り回わされるくらいなら、自ら何らかの手を打つべきだと思うんですよ。

高橋:「iPhone」の話が出たところで、いつもウワサが絶えない「ドコモのiPhone導入」に関して、この秋はどうなるのでしょう?

山下:今回の「ツートップ戦略」で、特定メーカーを優遇するという前例を作ったドコモだけに、厳しい販売条件、他よりも優先的に売ることを求める「iPhone」を取り扱うための下地を作ったという見方もできるかと思います。ただ、よく言われているように、総販売数の2~3割でいいというようにApple側が販売条件を引き下げてこないと、ドコモとしては飲めないと思うんですよ。

高橋:もし、次期「iPhone」が、リークサイトなどの情報通り、auのメインバンドである800MHz帯と、UQの「WiMAX」やWCPの「AXGP」に割り当てられている2.5GHz帯に対応してくるとしたら、たとえドコモから「iPhone」が発売されたとしても、それほど状況は変わらない気もします。

山下:ドコモは2.5GHz帯の割り当てこそありませんが、「iPhone」で使える1.7GHz帯がガラ空きですし、「iPhone」を導入した場合でも、ソフトバンクやauに十分対抗できると思うんですけどね。何より「ドコモからついに出た」というインパクトは間違いなくあります。

高橋:あと、冬商戦にサムスンが投入してくるのは、この9月に発表がウワサされている新型「GALAXY NOTE」だというウワサがあります。

山下:もし、ウワサ通りサムスンが投入するのが大画面の“ファブレット”型端末だとすると、ドコモとしてはメインとして推しづらいかもしれませんね。もちろん売れるのでしょうが、「Xperia A」や「GALAXY S4」のように大ヒットは難しいかもしれませんね。

高橋:そうなると、「Xperia Z」後継機投入のウワサがあるソニーは当選確実として、サムスンはやはり「ツートップ」から外れてしまう?

山下:どうでしょう。サムスン対策として何らかの“特別枠”は与えるかもしれませんが、優遇戦略としての「ツートップ」からは外れてしまうかもしれませんね。

高橋:情報が錯綜しているときに、あれこれ勝手に予想を立てるのは楽しいですけど、キャリアの戦略に振り回されている感じの製造メーカーの方たちは、戦々恐々としているでしょうね。

山下:確かにそうかと思います。先ほどは“メーカーが主導権を”といいましたが、現実的には日本で主導権を握っているのはキャリアですから。優遇策のある「ツートップ戦略」のようなものに選ばれるかどうかは、メーカーにとって死活問題です。果たしてどのメーカーが選ばれるのか、また「ツートップ」なのか「スリートップ」なのか、この冬のドコモの販売戦略は要注目ですね。

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