Android iPhone 特集・連載

ドコモからiPhoneが発売される? これだけの理由

文●mobileASCII編集部

2013年09月07日 03時50分

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 2013年9月6日、日本経済新聞と朝日新聞の報道をきっかけに、おおいに盛り上がりをみせている“ドコモのiPhone発売”。ドコモでは報道を否定するコメントを出しているが、NHKをはじめテレビ各局のニュースでも取り上げられるなど、すでに“既成事実”となりつつある。

ドコモからiPhoneが発売されるこれだけの理由

 実際、さまざまな状況を鑑みれば、今秋、ドコモからiPhoneが発売されるのはほぼ確実といえる。そこでこの記事では、モバイルアスキー編集部が“この秋、ドコモからiPhoneが発売される”と考える、7つの理由をご紹介していこう。多分に推測も含まれるが、正式発表までの間のお楽しみとしてご一読いただければ幸いだ。


【理由その①】
MNPで転出超過に歯止めがかからないドコモ

 MNPにおいて、iPhoneを扱っていないドコモからの転出が長く続いていることは、すでによく知られている。

 この傾向は2011年10月にauがiPhone 4Sの取り扱いをはじめて以降、さらに顕著になっており、とくに2012年9月のiPhone 5の発売以降は、最大で月21万件(2012年11月)、平均すると毎月14万件(2013年7月までの11カ月間の平均)もの転出が続いている。2011年1月からだけでも、転出数の累計はなんと280万件にもおよぶ。

 この280万件はそのままau、ソフトバンクに転入しており、累計契約数でも両社にじわじわと差を詰められていた。このまま転出が続けば、数年後には両社に追いつかれてしまう可能性さえあるなか、iPhoneの取り扱いが最重要課題であったことは改めていうまでもないだろう。


【理由その②】
iPhoneの販売成長力にかげりが見えるアップル

 2012年9月に$700あったアップル社の株価は、2013年4月に$390にまで落ち込んだ(現在は$500まで回復している)。これは先進国でのスマートフォン需要が一巡し、iPhoneの販売成長力が弱まったことが大きな要因といわれている。今後市場の成長が見込める途上国などを視野に、今秋アップルが廉価版の「iPhone 5C」を発売すると噂されているのもそのためだ。

 iPhoneの販売成長力にかげりが見えるのは、国内国内でも同様だ。すでにソフトバンクでは5世代、後発のauでも2世代のiPhoneが販売され、両キャリアでの需要は飽和状態に近づきつつある。そんななか、日本で最大のシェアを持つドコモにiPhoneを提供することは、アップル社にとって新たな市場の開拓という意味で大きな価値を持つ。もはやドコモにiPhoneの提供を拒む特段の理由はないといえる。


【理由その③】
「ツートップ戦略」は“つなぎの施策”だった?

 今夏ドコモが推し進めた「ツートップ戦略」は、そもそも不思議な施策だった。ライバル2社にじわじわとシェアを奪い取られているにもかかわらず、“はじめてスマホを買うドコモユーザー”“ドコモ歴10年以上のユーザー”に重きをおいて優遇。たとえばauのように「auにかえる割」を打ち出してMNPによる転入を狙うというのではなく、“顧客の機種変更を促し、流出を防ぐ”という戦略は、状況を考えれば消極的にも映る。

 しかし、これがiPhone投入までの“つなぎの施策”であったと考えれば理解できる。最大の商戦期が秋に控えているならば、力を注ぐべきはそちらだからだ。これはあくまでも推測だが、だからこそドコモはこのような戦略で現状維持を狙ったのではないか。

 また、これまでは多彩なメーカーの機種を幅広くそろえていたドコモが、特定の機種に絞り込んで“特別扱い”で販売促進を行ったことは大きい。確実にiPhone投入の下地を作ったといっていいだろう。


【理由その④】
「ドコモメール」の開始時期延期

 2012年10月、「spモードメール」に代わるクラウド対応のキャリアメールサービスとして発表された「ドコモメール」。当初サービス開始予定であった“2012年11月”から“2013年3月予定”、“時期未定”と紆余曲折を経て、2013年4月に“2013年10月下旬予定”とアナウンスされた。

 度重なる延期に「なぜ?」といぶかしがる声も多かったが、これも今秋のiPhone投入を視野に入れてのことだったとすれば納得できる。ちなみに2011年10月にiPhone 4Sの販売をはじめたauの場合、当初はキャリアメールが絵文字をサポートしていない、リアルタイム受信できないなど、同時発売のソフトバンク版とくらべて機能面での不備があったが、これが改善されたのは翌年3月だった。

 もともと他社端末からでも利用できるクラウドサービスとして開発されていた「ドコモメール」と単純比較はできないものの、可能性としては十分にあり得る話だ。


【理由その⑤】
コンテンツビジネスはiPhoneへの対応も万全!?

 ドコモは「dマーケット」で、Android端末向けに動画や音楽、電子書籍、ゲームなどのコンテンツを提供しているが、これらのサービスもスムーズにiPhoneへ移行できそうだ。これらはdocomo IDで管理されるブラウザベースのサービスであるため、プラットフォームに依存せず、iPhoneでも早々に利用できるようになる可能性が高い。実際、「dゲーム」は、すでに他キャリアのiPhoneでも利用可能だ。

 また「dマーケット」に関していえば、「dショッピング」リアルショッピングに力を入れているのも、プラットフォームフォルダーからの転換を模索しているとみていい。「将来はamazonを目指す」とはドコモ社長の加藤氏の言葉だが、今後はiモード時代のように自前のプラットフォームに頼るのではなく、豊富な顧客数を活かし、リアルビジネスで収益を上げていく方向性は確かだ。

 一方、コンテンツでは、スマートフォン向けの定額使い放題サービスとして提供されている「スゴ得コンテンツ」にも注目したい。2013年5月、先行して人気を博していた「auスマートパス」の対抗と位置づけられるサービスだが、Android端末向け「auスマートパス」がアプリ中心であるのに対し、ドコモの「スゴ得コンテンツ」は同じAndroid端末向けでありながら、ほとんどがブラウザサービスで占められている。

 これはiモードからの流れという見方もあるが、iOS向け「auスマートパス」もブラウザサービスをメインに提供されている(Androidであればキャリアが独自のサイトでアプリを提供できるが、iOSではApp Storeでしかアプリの提供ができないため)ことを考えれば、iOSへの対応も容易だと考えられる。


【理由その⑥】
「ドコモプレミアクラブ」のポイントプログラム改正

 2013年6月26日の発表直後から、“改悪”との声も多かった「ドコモプレミアクラブ」のポイントプログラムの改正。利用歴10年以上のユーザーでも、指定のサービスに加入していなければポイント付与率が激減(例:4%0.5%)するなど全般的に厳しい内容で、とくにドコモ歴の長いユーザーからは不満の声が多かった。SNSなどでは「そんなに転出してほしいのか?」という声さえ聞こえたほどだ。

 しかし、そもそも「ドコモプレミアクラブ」のポイントプログラムは、他社のポイントプログラムにくらべてポイントの付与率が高かった(au、ソフトバンクとも利用年数による優遇はなく、ポイント付与率1%)。指定サービスに加入していない場合は0.5%とやや低いが、加入した場合に付与率が最大5%(ゴールドステージのぞく)と大幅にアップするケースもあることを考慮すれば、それほど大きな差とはいえない。

 それでも、iPhoneの取り扱いがないままであれば、転出の動機になりえたと考えられるが、端末選択で差がつかないのであれば大きな不利にはならないだろう。ちなみに改正の適用は2014年4月付与分から。そこまで見越しての改定発表だったのでは…というのはうがった見方だろうか?


【理由その⑦】
「ドコモが否定」は条件付き否定

 2013年9月6日、ドコモは今回報道されている内容に対して「当社が発表したものではございません。また、現時点において、開示すべき決定した事実はございません」というコメントを公表した(そもそもそのリリースが報道前に作成されていたっぽい…というツッコミもあるようだが…)。一部ではこれが「否定」と報じられているが、これは完全否定とは読み取れない。

 2011年9月、iPhone 4S(当時は「iPhone 5」だといわれていた)の発表前にauからの発売が噂された際、auの田中社長は発表会での記者の質問に「ノーコメント。肯定も否定もしない」と答えた。今回のドコモのコメントよりは含みを持たせているが、いずれにしても、“アップル社がまだ端末すら発表していないのだから、公表できる事実はない”のは当然。“そのような事実はございません”と完全否定せず、“現時点において”という条件付きの否定は、むしろ肯定的に捉えて間違いないだろう。


 正式な発表は、2013年9月10日(日本時間11日未明)に行われるアップルの発表会を待たなければならない。その9月11日に、東京・丸の内にあるドコモのスマホラウンジがなぜか臨時休業するなんて情報もネットを賑わせており、気になるところではあるが(ただし、発売日ならともかく、発表をそんなところでやる?…という疑問もあり、関連はわからない)…。ともあれドコモのユーザーは、発表当日を楽しみに待とう。

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