「Snapz Pro X」に続く日本進出第2弾
米アンブロジア・ソフトウェア社は、'93年に設立されたソフトウェアメーカー。Macだけでなく、Windowsユーザーにも多くのユーティリティーソフトを提供している。代表的なソフトには、すでに国内でも販売されている「Snapz Pro X」や、音声キャプチャーソフト「WireTap Pro」などがあり、「DEFCON」や「SketchiFighter」といったゲーム開発も手がける。従業員14名で、ニューヨークのロチェスターに本社を構えている。
日本では11月中旬にダウンロード版が先行して登場する「WireTap Studio」だが、同社では既存のWireTap Proの後継ソフトというよりもまったく新しいソフトと位置づける。その狙いと日本での展開をマーケティングディレクターのマイケル・シモンズ氏に取材した。
Macを経由するサウンドをすべてキャプチャー&編集
「WireTap StudioはMacから聞こえてくる音声を録音するソフトです。使いやすいインターフェースと豊富な録音機能を実現するため、ソフトウェアを再設計しました」(シモンズ氏)
WireTap Studioのインターフェースは、操作ボタンがいくつか並ぶだけとシンプル。
録音ボタンの下に並ぶ2つのソースで録音先を選べる。これにより同時に2トラックまで録音可能だ。そして、録音する際に効果的なのがインターフェースに並ぶ「ライブプレビュー機能」だ。
「音声を聞きながら、その場でファイルの設定を確認できるのが従来のソフトと大きく異なる特徴です。ファイル形式を選んだり、品質を上げたり、効果音の適用のオン/オフ、そして効果音の追加も可能。しかもこれがすべてリアルタイムで行われるのが、ライブプレビュー機能の画期的なところなのです。環境設定の項目には、あらかじめ設定されているプリセットメニューがありますが、それを自分の好みのプリセットに編集して、名前を付けて登録もできます」(シモンズ氏)
ライブプレビュー機能は、録音変換後に音声効果を確認する従来の方法よりも大幅に作業時間の短縮を期待できる。また、編集作業時の注目機能は「ロスレス」である点だ。
「従来のソフトであれば、音声ファイルを保存して終了すると元には戻せません。このWireTap Studioでは次の日でも、1週間後でも1年後でも音声ファイルの復元が可能です。音声ファイルをトリミングしても有効です。しかも音声ファイル上に現れる復元ボタンを押すだけ。このビジュアルに優れた操作性もWireTap Studioの大きな特徴です」(シモンズ氏)
今後も日本のMac市場へコミット
スケジュール機能を使ってインターネットラジオの録画ソフトとして使ったり、iTunesの曲をバックにMacの内蔵マイクでポットキャストを作成するといったライトな個人ユーザーはもちろん、ライブプレビュー機能でエンコード設定のチェックをするといったプロユーザーまで、サウンドに関わることならユーザーを選ばないWireTap Studio。
まず11月中旬にダウンロード版を発売後、12月上旬に店頭パッケージ版を発売する予定だ。
「日本のMac市場というのは米国に次ぐ第2位の市場として高く評価しています。なぜなら、アンブロジアの多くのユーザーはすでに日本人だからです。日本のユーザーの力添えには大変感謝してます。これからも良質な製品を日本でもリリースしていきます」(シモンズ氏)
アンブロジアには日本での販売代理を務めるアイギーク(株)というパートナーが存在しており、今後も日本のMac市場にソフトウェアを続々とリリースしてくるはずだ。また、ユーザーのリクエストが多いソフトは積極的に日本へ投入したいとのこと。これからの製品にも期待したい。
(MacPeople 2007年12月号より転載)