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【法林岳之・石川温・石野純也の「モバイル座談会」-第4回-】

法林岳之、石川温、石野純也の3氏が語る「LTE通信回線」!

文●mobileASCII編集部、小林誠

2013年10月21日 07時50分

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 モバイル業界を代表するライター&ジャーナリストである法林岳之、石川温、石野純也の3氏が、本音でキャリア、メーカー、端末について大放談。第4回目は、「LTE通信回線」について語ります!


ケータイライター

法林岳之氏

 ケータイ業界のご意見番的な存在。WEB媒体「ケータイWatch」の連載など、初心者にもわかりやすい解説でおなじみ。人気の「できるポケット」シリーズほか、著書も多数。


ケータイジャーナリスト

石川温氏

スマ-トフォンなどモバイル情報について世界中を飛び回って取材し、テレビや雑誌、WEBなどで活躍中。週刊メルマガ「スマホ業界新聞」(http://ch.nicovideo.jp/226)を配信中。


ケータイジャーナリスト

石野純也氏

宝島社で編集に携わり、数々のケータイ関連誌を立ち上げる。独立後はケータイジャーナリストとして関連業界を取材し、WEB、雑誌、新聞などの媒体で記事を執筆。主な著書は『モバゲータウンがすごい理由』(マイナビ新書)など。

 

LTEは速度競争よりも
エリアを広げることが大事

編集部(以下、編) 今回のテーマは「LTE」について。ソフトバンクがハイブリッドLTEを始めましたが、一方でAXGP(編集部注:ソフトバンクが提供する「SoftBank 4G」のこと)は「iPhone」に対応しませんでした。そのあたりから、ご意見をお聞かせください。

石川 ソフトバンクの宮川さん(注:ソフトバンクモバイルの宮川潤一CTO)が、さまざまなインタビューで答えていましたけど、スペックではない、実効速度だと言っていましたよね。AXGPが出たときはスペックの110Mbpsを大きく言っていたので、それを考えると正直、ソフトバンクは厳しい状況なのかなと。ドコモは最大150Mbpsだし、KDDIは来年220Mbpsを始める(注:「WiMAX 2+」)ことを考えると、来年にはKDDIがリードするのかなという気がしている。ただキャリアアグリケーション(注:複数の周波数帯を束ねる技術。通信速度がより高速になる)がどうなるか。

 「WiMAX 2+」のWi-Fiルーターは、UQとauから出ます。

石川 まあ同じルーターを出すわけだけど、auの4G LTEを使う場合は追加料金が発生するという料金プランとなっているのが特徴ですね。ただ、「WiMAX 2+」は開始当初のエリアは最初かなり狭いですよ。国道16号線の内側だから(注:主に都内、神奈川、千葉の一部)。

法林岳之、石川温、石野純也の3氏が語る、LTE通信回線

▲「WiMAX 2+」のサービスは、UQコミュニケーションズとKDDIでスタートする。

石野 一般のユーザーが購入を考えるとしたら、対応したスマホが出てからだよね。

法林 料金プランは以前、スマホで「WiMAX」を使っていたのと逆のパターンだよね。あのときは「WiMAX」を使うときだけ追加料金を支払ったけど、今回はルーターでLTEを使うときだけ追加料金を支払う。

石野 AXGPがああしている以上、恐らく「WiMAX 2+」対応のスマホが出てくるときは月5,985円以内に料金を収めないと厳しいでしょうし、そうなっていくでしょうね。

 Androidスマホではカテゴリ4対応の端末が登場し、下り150Mbpsが実現できると言われています。iPhoneはカテゴリ3対応となっていますが、その差はあるんでしょうか?(注:LTEでは対応カテゴリによって最大通信速度が変わる)

石野 (きっぱりと)ない。

法林 ドコモからiPhoneが出たこともあって、3キャリアで速度調査をしたり、高速競争になっているけど、1Mbpsと10Mbpsの違いならわかるだろうけど、5Mbpsと10Mbpsの差はたぶんわからないと思うんだよね。だから、あまり意味がない。

法林岳之、石川温、石野純也の3氏が語る、LTE通信回線

石野 今のスマートフォンのスペックだと、ブラウザのレンダリング(注:データを表示するためのプログラム)がボトルネックになることが多いっているので、5Mbpsと10Mbpsでスピードの違いを体感できる人がいたら、それはスゴイ感性の持ち主だと思う。通信速度の問題ではないんですよ。

 

どこでLTEがつながるか!?&
ブランドの積み重ね

法林 それと離島でLTEがつながるかどうかって大事ですよね。

石川 大事ですねえ。

法林 LTEが全国の何%、人口の何%カバーしている、というのはいいんだけど、「ところで、LTEはこの場所でつながりますか?」と聞くと、離島ではつながらないことが多いんですよ。たとえば、沖縄は離島がたくさんあるけど、今年の夏に出かけた石垣島では、全然、SoftBank 4Gのアンテナが立たないわけですよ。ずっと3G。各社でLTE競争するのはいいんだけど、速度よりもLTEをどれだけ広いエリアでカバーできているかが大事だと思う。

石野 本当にピンポイントでここがつながります、ここでもつながりますといえるのが大事。ソフトバンクがつながるつながるといっていても疑う人が多いのは、結局みんなの"いざ使いたい"と思ったときにつながらなかった体験が積み重なって、こういうブランドができたわけです。逆にドコモがたいしてLTEが速くない、カバーができていないところがあるにもかかわらず、一般的にドコモのネットワークがスゴイと思われているのは、3G FOMAのときに人口カバー率100%を達成して、小さな離島とかにも衛星アンテナを設置してきた、そのブランドの積み重ねがあるので。そのおかげでドコモの評判は根強いのかな、という気がしますね。

石川 実使用を考えると遅いLTEより速い3Gのほうがいいんだけど、日本人気質からすると、日本全国どこでもLTEのアンテナアイコンが出ていないと満足できないわけですよ。遅くともLTEのアンテナがどこでも立っているとすごいキャリアじゃん、というイメージになる。だからプラチナバンドを使ったLTE(注:LTEがつながりやすくなる。auが先行)ができるのはでかいなあ、と。ただドコモは3Gのお客さんもたくさんいるので、3Gの周波数帯をプラチナLTEに転用できないというジレンマをこの先も抱えていくことになる。

 ちなみに富士通がブラウザ使用時にWi-FiとLTEに同時に接続できる端末を出しましたが、そのような新しい技術の導入は今後、増えるんでしょうか?

法林岳之、石川温、石野純也の3氏が語る、LTE通信回線

法林 今後も増えると思いますけどね。いろんな通信をミックスして快適に使いましょう、という話は昔から研究されているテーマなので。ただ端末にその技術を載せるというのは、今回は富士通がチャレンジしているけど、他のメーカーができるのか、キャリアがサポートできるのか、というのが未知数。それに全国で使えるのかも分からない。ただコグニティブ通信、いろんな無線を使ってつなぎましょうという話はテーマとして今後もあるでしょうね。

 現状ですと、どのキャリアも使える周波数帯域が限られているので、3GとLTEの調整で苦労しているように感じます。

石野 ドコモの場合、3Gの混雑を保守的に見ていて、LTEのエリアを広げるときも3Gをどうしても落としてはいけないので、LTEをちょこちょこ積み重ねてきたんですよ。それでLTEがパンク気味になってきた。

法林 だから今ドコモの中ではどうLTEをやりくりしましょうか、ということをやっているわけですよ。

石野 そのへんは徳広さんがきたので(注:5月にドコモ関西支社長から異動した常務執行役員の徳広清志氏。ネットワークを担当)、かなりアグレッシブにやってもらえると期待してます。

石川 ドコモはAndroidしかやってなくて、iPhoneを導入したことで、いろんなメディアで速度とかを比較されている。ドコモとしてもLTEを本気でやらざるをえないと思うので、消費者から見ればとても良い方向に向かっているとは思います。

法林岳之、石川温、石野純也の3氏が語る、LTE通信回線

 ▲この秋から1.7GHz帯の周波数を使った、150MbpsのLTEサービスをスタートしたドコモだが、3GとLTEの調整もカギを握りそうだ。 

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