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【法林岳之・石川温・石野純也の「モバイル座談会」-第5回-】

法林岳之、石川温、石野純也の3氏が語る「新しいiPad、どう見た!?」

文●mobileASCII編集部

2013年11月05日 07時55分

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  モバイル業界を代表するライター&ジャーナリストである法林岳之、石川温、石野純也の3氏が、本音でキャリア、メーカー、端末について大放談。第5回目は、「新しいiPad、どう見た!?」と題してタブレット周りの事情について語ります!


ケータイライター

法林岳之氏

 ケータイ業界のご意見番的な存在。WEB媒体「ケータイWatch」の連載など、初心者にもわかりやすい解説でおなじみ。人気の「できるポケット」シリーズほか、著書も多数。


ケータイジャーナリスト

石川温氏

スマ-トフォンなどモバイル情報について世界中を飛び回って取材し、テレビや雑誌、WEBなどで活躍中。週刊メルマガ「スマホ業界新聞」(http://ch.nicovideo.jp/226)を配信中。


ケータイジャーナリスト

石野純也氏

宝島社で編集に携わり、数々のケータイ関連誌を立ち上げる。独立後はケータイジャーナリストとして関連業界を取材し、WEB、雑誌、新聞などの媒体で記事を執筆。主な著書は『モバゲータウンがすごい理由』(マイナビ新書)など。

 

「iPad Air」は持ち運びやすく、
セルラー版もいける!?

法林岳之、石川温、石野純也の3氏が語る「新しいiPad、どう見た!?」

編集部(以下、編) 今回は主に、新たに発売となった「iPad」についての話を伺っていこうと思うのですが、まず新しい「iPad」について率直にどう思われましたか?

石野純也氏(以下、石野) 欲しいですね。びっくりしたのが「iPad Air」で、持つとわかるんですが、格段に軽くなっていますし(注:重さはWi-Fi版469/Wi-Fi+セルラー版478g)、動きも速いです。今のタブレット市場は7インチのタブレットに傾いていて、セルラー版(注:3GやLTE対応版)よりもWi-Fi版のほうが選ばれる感じになっていますけど、「iPad Air」のあの軽さなら、持ち運びやすいですし、セルラー版もいけるんじゃないでしょうか。今日、電車でここに来るときも、9.7インチのiPadを使っている人が2人いたんですよ。そういう電車の中で使う人たち向けとして、起爆剤になりそうだなぁと思いました。「mini」もRetina搭載で綺麗ですし、7.9インチという扱いやすいサイズなんですけど、前の「iPad mini」で感じた抜群の軽さは若干なくなって、少し重くなっているのは気になる(注:Wi-Fi版は308g→331gと23g重い)。それと7インチ台のタブレットでは価格が重要になっているので「Nexus 7」とかがあるなかで、4万円を超える価格帯がどう受け止められるか、わからないところがありますね。

法林岳之、石川温、石野純也の3氏が語る「新しいiPad、どう見た!?」

石川温氏(以下、石川) 10インチ前後って家のなかのモバイルという感じで、買ってすぐは持ち歩くんだけど、だんだんと持ち出さないようになり、リビングが定位置になっていくんだよね。その点で考えると「iPad Air」は本当に持ち歩けるタブレットになっているなぁと感じる。CPUがA7になってサクサク動いているような気がするし、「iWork」の動きも非常にいいし、ゴリゴリ仕事もできるなぁと感じますね。だからお金があれば128GB版を買ってデータを持ち歩きたい、という願望はある。ただ、そうはいうものの、価格が9万円超えかぁ(注:セルラー版が9万5760円)と考えると、もう少しがんばって「MacBook Air」(注:9万8800円~)を買うか…ってなるかなぁ。なので、判断は難しいんですが、仕事でも十分こなせるタブレットになってきたなというのが正直な感想です。

ソフトバンク「iPad Air 発売セレモニー」

▲ソフトバンクの「iPad Air」発売イベントから。今まで以上に、セルラー版の注目が高い。 

 「mini」のほうはどうですか?

石川 うーん、デザイン的に2年目だし、Retinaディスプレイにはなったけど、そこまでのインパクトはないのかなぁというのが正直なところ。

石野 今回は断然「Air」でしたね。

石川 うん、自分はずっと「mini」のほうが好みだったんだけど、「Air」見たあとでは「Air」のほうがいいって感じになる。見た目のサイズも近付いてきたし。悩ましい選択になるね。

法林岳之氏(以下、法林) 昨年出た「iPad mini」は解像度が「iPad」より低く、パフォーマンスも「iPad 2」相当なので(注:「iPad 2」の発売は2011年)、アプリによっては、動作が重い印象があった。今回、「iPad mini」の「Retina」版が発表されて、現物を目にしてみたら、もしかして「Air」のほうがよくない?…と思ったのが本音です。実は前のモデル、「mini」と「iPad 4」はSIMフリー版を使っていたんですけど、どう持ち歩くのか?…というのがあって、飲みに行くときなど、ちょっとした外出は小さいカバンに入れられる「mini」だけど、飛行機や鉄道を使った旅行なら大きいほうがいいのかなという感じでした。だけど、大きいほうは取り回しが悪いし、「mini」を使うと動作が遅いしと、試行錯誤を繰り返していたんですよ。あと、今回発表された新しい「iPad」は両方ともスペックは共通しているし、アプリを開発する立場で考えても、解像度が共通なので作りやすいだろうという感じはするし、そこはいいよね。両機種が近付いたことで買う人にとっては悩むところだろうけど、ただ、どちらの「iPad」にするのかは、ほかに何を持つのかで変わるのかなと思っています。一緒に使うデバイスが「Android」スマホか「iPhone」かパソコンなのかで、タブレットの選択肢は変わると思うんです。なので、それはどれが正解というわけではなくて、その人によりけりかなと。ただ、行き着いた感のあった「iPad」が、また盛り上がりそうなのは感じるね。

一同 (うなずく)

 ちなみに、なぜこのタイミングでアップルは「iPad Air」を開発したのでしょうか?

法林 小さくするとか薄くできるようになったとか、当然、技術的なことがまずあるでしょう。スマホは小さくしたり、薄くしたり、高密度にする技術はある程度見えてきている部分があるけど、タブレットは裏でPCメーカーがODM、OEMで動いている部分もあり、モバイルの求めている小さく凝縮した感じがまだ追い切れていない部分がある。それを、今回アップルはしっかりやってきたということでしょう。あと「iPad 4」もそうですが、これまでの「iPad」が重過ぎたというところはあった。NECのノートPCが700g台ですし、これまでの「iPad」はそれくらいの重さだったと考えると、かなり重いです。だから「iPad Air」があの重さとなったのは流れとしてそうだよねと。軽さ、パフォーマンス、アプリにしてもそうだけど、タブレットの戦う相手はPCだからね。「iWork」を全部無料でそろえるのも当然で、今までないほうがおかしかった。

 タブレットはPCに近付いたのでしょうか?

石川 我々みたいな人は原稿を書くからキーボード必須ですけど、ほかの職業の人はキーボードあまり使わないこともあるだろうし。そうなると「iPad Air」でいい、というかそういう職業の人がうらやましいなって思う。

一同 (笑)

石野 転職ですか(笑)

石川 いやいや(笑)。ただ果たして「mini」を出したことが良かったのか? …というのを感じる。「Kindle」と「Nexus 7」への対抗の意味合いもあって「mini」を出したんだろうけど、本来は大きい「iPad」のラインがアップルとしてはやりたかったことなんだろうし。ジョブズの言っていることを踏襲すれば「『mini』を作らなくても本来であればよかった」のかなって、ちょっと感じましたね(注:アップルのスティーブ・ジョブズ氏は生前、小型タブレットの開発に反対していたといわれている。ただしその後、考えを変えたとも)。「iPhone 5s」と「5c」みたいに、周りを意識し過ぎて余計なラインナップが増えているかもしれない。

 従来の「mini」と「iPad 2」も発売が続くとのことですが。

石野 「iPad 2」を併売するのはびっくりしましたね。

法林 まあ、あれは値段でしょう。「iPad」だけでなくタブレット全体の話になるけど、じゃあ「iPad」は売れているのか?… という話。たしかに持っている人は見るんですよ。僕らが海外に出張すると飛行機の中でも持っている率が非常に高い。

一同 (うなずく)

法林 だけどこれだけ「iPhone」が売れている日本で、家電量販店では「Android」タブレットや「Windows」タブレットの勢いがあると聞いている。2013年版の「Nexus 7」が発売される前から、「Android」タブレットは安定して売れているという状況だそうです。「iPad」は初代モデルや「iPad 2」のとき、無理にセルラー版を売ろうとしたことがいろんな意味で弊害を生んで、ここ2、3年影響しているのかなと。「Android」タブレットはモバイルWi-Fiルーターとのセット販売をはじめ、SIMフリー版で自由にSIMカードを挿せてコストを下げられますということもあって、ウケているところがあるので。そこはキャリアの戦略も含めて方向性を変えないといけない時期にきてる。

法林岳之、石川温、石野純也の3氏が語る「新しいiPad、どう見た!?」

石野 あとはKDDIがシェアプランを出していますし、ソフトバンクも対抗してきました。2台持ち、2台目の料金プランも充実してきているので、セルラー版が今後増えてくるという気もしますね。ようやくセルラー版のタブレットを持つための料金環境が整ってきているのかな、と。一方でMVNOが充実しているので、SIMフリー版がこのタイミングで発売されなかったのは残念ですね。

法林 期待はあったんだけどね。一番可能性があるタイミングではあったと思うし。ただ、もしかしたら、「iPhone 5s」などと違い、海外で販売されるSIMフリーモデルは、これまでの海外版iPadと同じように、日本の技適(電波法に適合していることを示す)を通った状態で販売されるかもしれない。確認しないとわからないけどね。

石川 新しい「iPad」は1モデルで全バンド(周波数帯)に対応しているので、とりあえずどこの国で買っても使える、というのはいいですね。

法林 外国へ行った先々で買ってくるの(笑)。 香港で買い、ハワイで買い……。

石川 サンフランシスコで買い(笑)。

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