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【法林岳之・石川温・石野純也の「モバイル座談会」-第8回-】

法林岳之、石川温、石野純也の3氏が語る「ドコモ、au、ソフトバンクの通信キャリアサービス」

文●mobileASCII編集部、小林誠

2013年11月25日 18時50分

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 今回は、ドコモ、au、ソフトバンク3社の通信キャリアサービスをテーマに、3氏に語ってもらった。


ケータイライター

法林岳之氏

 ケータイ業界のご意見番的な存在。WEB媒体「ケータイWatch」の連載など、初心者にもわかりやすい解説でおなじみ。人気の「できるポケット」シリーズほか、著書も多数。


ケータイジャーナリスト

石川温氏

スマ-トフォンなどモバイル情報について世界中を飛び回って取材し、テレビや雑誌、WEBなどで活躍中。週刊メルマガ「スマホ業界新聞」(http://ch.nicovideo.jp/226)を配信中。


ケータイジャーナリスト

石野純也氏

宝島社で編集に携わり、数々のケータイ関連誌を立ち上げる。独立後はケータイジャーナリストとして関連業界を取材し、WEB、雑誌、新聞などの媒体で記事を執筆。主な著書は『モバゲータウンがすごい理由』(マイナビ新書)など。

 

通信キャリアのサービスはどうなる?
まずは、ドコモからチェック

 今回は通信キャリアのサービスで新しいものが登場していますし、「Yahoo!ショッピングの無料化」などEコマースでも動きがありましたので、キャリアのサービス周りについて語ってもらいたいのですが、いかがでしょう?

石川 いやドコモが「ABCクッキングスタジオ」を買収した(注:10月25日発表)のを見て、何をやりたいのかさっぱり分からなくて。 コンテンツそろえたいのは分かるんだけど、買収するメリットが分からない。今までもドコモが買収することがあったけど、ユーザーはメリットを感じられたか?と考えると、そういうことはあまりなかったわけです。ただ、auのスマートパスは「お得が降ってくる」みたいな言い方でうまくやっていて、ページを見てみると活用しがいがあるサービスだと思う。この前ローソンでロールケーキがタダでもらえたときは、本当に驚きましたよ。

 フィーチャーフォンのときのサービスの延長線でやっているんでしょうかね?

石川 いや、それをドコモが一所懸命やっていたんだけど限界がきたんですよ。スマホになっていろんなプレーヤーがコンテンツに入ってきて、だからこそドコモは自分たちでスマホに舵を切って、自前でサービスを提供する、という方向にいったんでしょう。だけど、ドコモがすべてやるといっても、いろんなものが素人なわけで、それではユーザーにとって魅力的なものが出てこない。「dマーケット」のコンセプトはよくわかるし、スマホ初心者にとっては安心して使えていいと思うんですよ。ただ使い慣れてくると、Amazonとかに行っちゃう。Eコマースに慣れている人でも「dマーケット」とかに買い物にきたくなるよう訴求しないと、だんだん厳しくなってくる。

石野 ただ「dアニメ」、「dビデオ」というクオリティ高いサービスを生み出してもいるので、がんばればいいものは作れるとも感じている。「dアニメ」が出る前に、アニメがあんなに安く見放題だったサービスがあったのか?というと無いし、「Hulu」はあったものの、見たいものがそろっているという意味では、「dビデオ」もなかなか立派なものがある。本気を出すとポテンシャルが見える一方で、通販ではまだ見えていないところもあるのかなあ、と思いますね。auはスマートパスの加入者が増えていますが、スマートパスは加入者の獲得の仕方が強引で問題になっていますし、タイミングが悪い時にアピールしていたなと思いますね。店頭で受付をするのに、店頭で解約する仕組みができていない(注:電話もしくは専用サイトからのみとなっている)というのを、いつまで続けているのか。アプリ取り放題になったり、「iPhone」なら補償があるので、サービス自体のコンセプトはいいのですが、入りたくない人にまで入れさせたり、サービスに加入しない人には端末を売らないというのは論外でしょう。焦り過ぎですね。

「ドコモ、au、ソフトバンクの通信キャリアサービス」

▲ドコモは「dマーケット」などで、スマートフォンのサービスを展開。

法林 KDDI側の販売を束ねる部門、営業部門の影響だろうね。そこをいい加減直さないとよくならないでしょうね。

石野 昔からですよね。フィーチャーフォンの時代から気になることがあった。

法林 スマートパス自体にメリットがあるのは認めるし、店頭で売ってもいいのだけど、(サービスに加入しなければ)モノ売らないと言うのは間違っています。昔から高橋さん(注:KDDI専務の高橋誠氏)が言っているんだけど「タッチポイントを増やす」というのを重視していて、オンラインと店頭からサービスに加入できる、あるいは例えば街中で配っているティッシュからQRコードで加入できるようにする、という風にタッチポイントを増やしている。もちろんそういう方法はあっていいんだけど、ただ販売店はフェアにやらないとダメでしょう。今の販売店の状況は酷いと思いますね。

一同(うなずく)

法林 ただサービスの話をすれば、御二方が仰ったように、いろいろ思うことはあるけど頑張っている。たとえばHuluは月980円に安くなったので入ろう、と思ってもオンラインサービスに接続していないと入れない。「dビデオ」は使い慣れたスマホや、ドコモショップで申し込みができるわけなので。それはメリットとしてあると思います。だからといってオープン化はあまり意味が無いのかな、と思っていて、そこまでやらなくていいから、今のドコモのお客さんに快適に使ってもらうようにしましょうよ、と。最後は「dビデオ」にしても「ビデオパス」にしても、「UULA」にしても、カギになるのはスマホだけのUIじゃないと思うんですよ。

一同 (うなずく)

法林 皆、最後にはテレビで見たいと思うんですよ。そのためのセットトップボックスとかも出ているんだけど、あのUIで正しいのか、と言うとだいぶ疑問なんですよ。その点では「Hulu」はいち早くPS3に対応したし、シャープのテレビにも対応してきて、本当に考えているのなら、そこまでやらないとダメじゃないの、と思いますね。

「ドコモ、au、ソフトバンクの通信キャリアサービス」

石野 ビデオ系に関して言えば、タブレットの売り方も考えないといけないと思うんですよ。「dtab」がすごく上手くて、「dビデオ」とセットで9975円という価格でしたよね。最初からそう言って売ってくれれば納得して買うから、全然問題ないので。だからああいう形でタブレットを売っていくのはこれから必要ですよ。

法林 「dtab」の値段に魅かれて「dビデオ」に加入して、初めてモバイル端末でビデオや映画を見られることを知ったという人もいます。なかには海外ドラマを1シーズン全部を「dtab」で見ました、なんていう人もいる。だから、やり方としては間違っていないと思う。

石野 「dアニメストア」でもセットにして売ってくれれば良かったのになあ。そのへんが煮え切らない感じ。

 本当は「Tizen」を搭載した端末が出れば、そのキャリア向けサービスなどについても伺いたかったんですが。ドコモが「Tizen」を出す理由は、やはり「iPhone」や「Android」スマホより、コンテンツをコントロールした形で提供したいという狙いからなんでしょうか?

法林 コンテンツの提供というより、もっと端末にコンテンツを楽しむための機能を組み込んでいきたいんじゃないかな。それから、「Firefox OS」も関係あるけど、第3のOSみたいなものが出てきたことで、GoogleもAppleもいろんなことが軟化したようには見える。

一同 (うなずく)

法林 まだ端末が出てないから、結果は出ていないけど(笑)、そういう意味では存在意義はあったと言える。ただ、ここから先は、結果を出していかないとダメだけどね。

石野 ある程度結果出さないと、第3のOSが大したことないと思われて、Google、Appleの態度が硬化するかもしれない(笑)。

石川 その関連で言えばドコモの「iPhone」で「dマーケット」などのアイコンが並んだのは、画期的なことだったなぁと思いますね。ああいうのを見ると「Appleの天下」というイメージがだいぶ変わってくるのかなと思う。プラットフォーム側とキャリアの共存が図られていくのかなという。

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