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【法林岳之・石川温・石野純也の「モバイル座談会」-第11回-】

法林岳之、石川温、石野純也の3氏が語る「2013年のモバイル業界を振り返る【下半期編】」

文●mobileASCII編集部、小林誠

2013年12月30日 10時00分

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韓国メーカーはLGに注目
GALAXYのイメージとは?

ソフトバンクについてですが、今後も Androidはシャープと富士通だけという風に、絞り込むんでしょうか? 

石川 それが判断しづらくて、これまではメーカーがソフトバンクに売りたくなくて、結果、ソフトバンクは絞りこまざるをえなかった。だけど、スプリントを手に入れて、メーカーの意識が改善されつつある。もしかしたらソフトバンクのラインアップが増えるかも……。 今は過渡期なのかもしれない。 

石野 グローバルメーカーほど(スプリントの)メリットを感じるのでしょうし、メーカーにも迷いがあるようです。 

石川 スプリントだけでなく、ソフトバンクはブライトスター(注:米国のケータイ卸売大手)の買収で、かなりの流通網も押さえたのが、結果的にプラスに働いている気がします。もちろん、ユーザーがそれでソフトバンクのAndroidを買うのかというのは、また別の話だけど。 

ツートップにiPhoneと、他の端末メーカーにとっては、厳しくなってきている感じはしますが…。 

石野 それはあるでしょうね。まあ、だから1社が参入してきたら、他のメーカーは別に1キャリアを増やすとか、考えるしかないでしょう。 

法林 ただ、ドコモはNECとパナソニックがスマートフォンから撤退したので、これ以上、減らしようがない。シャープか、富士通が手を引いたら、たぶん、ドコモは終わりですよ。米国みたいにベライゾンとAT&Tが並び立つみたいに、KDDIが伸びてきて、あとから他のキャリアもという風になる。ドコモがそれを分かっているのかどうかはしりませんが、シャープと富士通の2社をうまく使っていかないと、ドコモに先はないと思います。

石川 その点でいうと、今後、韓国メーカーは厳しそうですね。 

サムスン電子が「GALAXY Note 3 + Gear WORLD TOUR 2013 TOKYO」を開催

▲サムスン電子「GALAXY Note 3」の、日本での発表会より。

法林 そうだね、「GALAXY Note」は数が出ているけど。 

石野 相変わらず堅調ですよね。 

法林 個性がしっかりしていて、日本の市場にも合っている気がする。ただ「GALAXY S4」 に関しては、思ったよりも奮わなかった感じですし。 

石川 日本メーカーには安心感みたいなものがあるんですが、果たして韓国メーカーはこのまま日本市場に根付くのか。

法林 韓国というよりも、メーカーのカラーだと思うんですよ。テレビの売り場を見ていて、少し変わってきたなって感じるんだけど、LGのテレビの前に若い人が結構いるんですよ。 

石野 うん、「格好いい」という声を聞く。 

法林 そうそう。結構、人気もあるみたい。ただ、年齢が高めの人は、やはり、パナソニック、シャープ、東芝、ソニーとかが、第一の選択肢だと思うんです。もちろん、そのどっちがいいとかという話ではなくて、スマホも同じことが言えると思うんです。LGは、あまり壁を感じないし、auの「isai」なんかそうだよね。LGのカラーというよりは、「LGの技術を使ったauのスマートフォン」というニュアンスじゃないですか。

石野 日本に溶け込んでいますよね。 

法林 おもしろいのは、ドコモから同じLGの「G2」というスマホが出ているけど、これは先に海外で発表している。「G2」は海外の展示で先に見ているというのもあるけど、グローバル端末というイメージが強い。一方、「GALAXY」は最近、「GALAXY」というブランドより、“サムスン”のイメージやカラーが強い気がしますね。そこはプラスマイナスがあると思うんだけど……。これまではハイエンド端末の中でトップを走っているのが「GALAXY」というのを売りにしてたけど、最近はその感じが薄れている。

2013年のモバイル業界を振り返る【下半期編】

石野 ハイエンド競争が大変になったというのもあって、「GALAXY S II」が出た頃(注:2年半前)は、ハイエンドといえば「S II」だったけど、そのユーザーが今、機種変更しているのは「Xperia Z1」や「GALAXY Note」なんですよね。「GALAXY S4」は、フラッグシップとしての役割を、グローバルでも見直すべきであると思うんです。「S3」くらいまでは良かったんですけど、「S4」はちょっと……。いや、もちろん、端末自体はすごく売れてはいるんですよ。ただし、サムスンが想定した以上には伸びていないはずです。そこは、フラッグシップとしてのあり方を見直しや、何かテコ入れしないといけないと思うんです。 日本では他のメーカーの端末も伸びてきて、このままだと2014年は苦しい戦いを強いられる。だからこそ「GALAXY S5」には、注目したいのですけどね。 

「GALAXY S4」は使い勝手を売りにしていて、スペックをあまり謳わなかったですよね。 

石川 それが今年を象徴していて、もうスペックで響かなくなったことに尽きる。 

石野 どれも同じですよね。 

法林 スペック競争のあとのことを考えると、その端末は「替えの利かない」ものを持っているか? ということが、結構気になっていて、「iPhone」は世界観などで、しっかりと持っている。サムスンは「GALAXY Note」で、ペンという替えの利かないものがある。シャープと富士通は、ディスプレイと電池が替えの利かないもの。ソニーはアップルに近付いていて、世界観と自社ブランドもあるし。替えの利かないものが、カギを握ると思いますね。

石野 だけどソニーの人に取材をしたんですけど、少し不安になりました。発想がデジカメ過ぎ。「Z1」でご飯を撮ると青みが強すぎることがよくありますが、これもそれが原因です。サイバーショットは取り出して料理を撮ることは少ないだろうけど、スマホはそうじゃないので。「プレミアムおまかせオート」に料理モードが無いし、料理モードを使っても暖色が弱い。ソニーのノウハウをモバイルに昇華した形で取り込めているのかな? 自社の技術を集約させて強みにするのはいいのですが、モバイルならではというところは、もっと考えてほしいですね。  

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