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【法林岳之・石川温・石野純也の「モバイル座談会」-第16回-】

法林岳之、石川温、石野純也の3氏が語る「2014年スマホ春商戦展望」後編

文●mobileASCII編集部、小林誠

2014年02月17日 07時55分

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 前回に続いて、2014年スマホ春商戦について大放談。はたして、この春のオススメスマホはどれなのか、3人の識者に聞いた。


ケータイライター

法林岳之氏

 ケータイ業界のご意見番的な存在。WEB媒体「ケータイWatch」の連載など、初心者にもわかりやすい解説でおなじみ。人気の「できるポケット」シリーズほか、著書も多数。


ケータイジャーナリスト

石川温氏

 スマ-トフォンなどモバイル情報について世界中を飛び回って取材し、テレビや雑誌、WEBなどで活躍中。週刊メルマガ「スマホ業界新聞」(http://ch.nicovideo.jp/226)を配信中。


ケータイジャーナリスト

石野純也氏

 宝島社で編集に携わり、数々のケータイ関連誌を立ち上げる。独立後はケータイジャーナリストとして関連業界を取材し、WEB、雑誌、新聞などの媒体で記事を執筆。主な著書は『モバゲータウンがすごい理由』(マイナビ新書)など。

 

“春”というより“冬~春”
2014年モデルは、MWC以降!?

編集部(以下、編) 前編に続いて2014年春商戦についてですが、そもそも今回の春モデルは機種数が少ないですよね。

石野純也氏(以下、石野) 春モデルというより、みんな“冬~春モデル”というスパンでラインナップを組んでいるので。富士通はちょっと数が少ないんですけど、ソニーやシャープはそうなっていますよね。

 富士通は、今回コンパクトモデルを出してないですよね。

石野 うん、「ARROWS」のブランドが一度傷ついてしまったので、失ったブランド力を回復させないといけない。今はいくつか種類を出すというよりも、フラッグシップをきっちり作り込んで集中したほうがいいのではないかなと思いますね。たくさん出しても、不具合が出てしまったら、今度こそ終わりだと思うので。

 なるほど。ちなみに、ソニーモバイルの次のモデルは、2014年の2月以降に発表となりそうでしょうか?

石野 「Xperia ZⅡ」(仮)はバルセロナ(注:MWC。世界最大のモバイルイベント。2月にスペイン・バルセロナで行われる)で出るでしょう。サムスン電子の「GALAXY S5(仮)」も出るのではないでしょうか。

 MWCで発表されるそれらの端末は、日本では夏モデルとなるんでしょうか?

石野 そうですね。夏前くらいに上陸してくるでしょうね。

 サムスン電子の「GALAXY S5(仮)」が発表されるなら期待したいですが、前モデルとなる「GALAXY S4」は、これまでと比べると日本国内では調子がよくなかった感じでしたが……。

石野 ちょっと心配ですけど、どうやら人事でテコ入れしているみたいですよ。

石川温氏(以下、石川) あの人が帰ってきたもんね。

石野 そう、帰ってきました。本国にいたキーマンを日本に呼び戻している。人材的にも投入している感じがある。(夏モデルには)「GALAXY JⅡ」とか、あるんじゃないですか。

 期待したいですね。春モデルの話に戻りますが、シャープが冬ではソフトバンクだけだった“EDGESTスマホ(注:3辺狭額縁のAQUOS PHONE)”を、auでも出してきました。これは予定通りなんですかね?

zadankai

auの春モデルとして登場する、“EDGESTスマホ”「AQUOS PHONE SERIE mini」。

石野 そうですけど、こうなるとソフトバンクのラインナップの手薄さが際立ってきますね。他社にある端末ばかりになっている。ソフトバンクだけにしかないAndroidはないから、端末でお客さんを呼び込めない。それが最近、純増数にも現れてきているのではないでしょうか。2013年の12月には、ドコモにも負けていましたし。まぁ、あれはMVNOの影響もあるんですが、MNPではauに一向に勝てないし、なんか危惧したとおりのことが起きているなあと。

法林岳之氏(以下、法林) そういえば、その2013年の12月にドコモが純増トップになったのことを受けて、ここぞとばかりに、一般のメディアや大手のニュース通信社などが「ソフトバンクが!」みたいな話を書いていました。ああ、やっぱりそういう風に書くんだ、と思いましたね(苦笑)。

石野 それは、今までソフトバンクがそういうマーケティングをしてきたからですよね。そのしっぺ返しを受けている。

法林 最近、純増数とかMNPの純増数も発表するのはあまり意味がないのではと、いわれてきていますしね。

石野 セット販売やMNPは、お金をキャッシュバックで積んで純増数を作るというのが最近の定説ですからね。とはいえ、(数を)作りきれなくなっている気もする。

石川 今回の春モデルのラインナップが象徴していますが、ソフトバンクは明らかに国内市場が手薄になっている。担当者はシリコンバレーへの引っ越しで大忙しだし、孫社長はTモバイルをどうするか金策に動いている感じですし、なんだかユーザーが置いてけぼりになっている気がする。

一同 (うなずく)

石野 そうですね、主要メンバーが外国に行ってしまって、本当に日本市場は大丈夫なのかという気はしますね。

石川 それに、スプリントの人が同じ社員になるということは、いろいろと大変みたいですよ。言葉の壁もあるし、文化の違いもありますし…。

 春にはウィルコムとイー・モバイルの合併もあります。

石野 ウィルコムは消滅しますけど、PHSは残るし、特に変わらない気もしますけどね。

法林 すでにキャンペーンやプロモーションが始まっていますが、LCC的(注:LCCはLow Cost Carrierの略称で、格安航空会社のこと)というか、共同戦線でいろいろやっていきましょうというのは見える。だけど、もともとソフトバンクも980円のホワイトプランでやってきたので、それが3つになったというだけにしか見えないんだよね。だから、どこかで折り合いつけて統合しないといけないのかな、と感じています。免許の関係もあるので、統合は無理かもしれないけど、この3つのキャリアをどうやり繰りしていくのかが注目ですね。今後、ソフトバンクが日本市場でやっていくうえで、このあたりのアクセントの付け方を考えないと厳しいのかなと思う。たとえば、今はモバイルWi-Fiルーターを(ソフトバンクとイー・モバイルの)両方で売っていますが、当然、それはどちらかでしか売れないわけですし。スマートフォンも然りです。

石野 イー・モバイルは、商品企画的におもしろいんですけどね。

法林 そういえば、2013年の年末に「Nexus 5」を新規一括0円で売って、すさまじい勢いで解約されてしまったようで、もうキャンペーンやりませんってなっていたようですが。

石川 そりゃそうですよ。

法林 当たり前でしょ。

石野 そうですよね。SIMフリー端末を無料で売るなんて、お年玉ですよ(苦笑)。

法林 売り方の話ってキャリアにとって大事ですが、昨年の“ドコモのツートップ”もそうでしたが端末メーカーが生き残っていくうえでも大事なんです。そういうことをちゃんと考えて、キャリアも、販売代理店さんもビジネスをしているのかって思うんですよね。目先の数字を追ってばかりではないかと。

石野 「Nexus 5」は投げ売りする必要ないと思うんですけどね。イー・モバイルは普通に売ってちゃんと数字取れていたはずなのに。

石川 まぁ、イー・モバイルの「Nexus 5」って、回線はソフトバンクですから、契約者数もソフトバンクとなります。ということは、イー・モバイルはソフトバンクの販売店みたいなものかと。

石野 そう。なので、もしかしたらソフトバンクが数字を欲しかったから、ああなったのかなって見えなくもないんです。ソフトバンクが、数字を作りきれなかったのかなって。普通に考えると、イー・モバイルの「Nexus 5」はきちんと売れている端末だから、投げ売りする理由がない。

法林 ちなみに「Nexus 5」は海外出張族にいい端末なのかなと思いきや、北米に行く人には不評なんだよね。

石野 不評ですね。バンドが違って、LTEが使えないから。

石川 そのあたりは中途半端なんですよね。

石野 北米版を売ってほしい(笑)。中には、北米版を買い直している人もいるようですね。

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