薄型端末については、このコラムでもいくつか紹介してきた。日本の薄型ケータイの夜明けは、ソフトバンクの一連のサムスン製端末に始まり、ドコモの「μ」シリーズが追随。ついには厚さ9.8mmの「P705iμ」までアナウンスされた。
そうしてソフトバンクとドコモが薄型戦争を繰り広げる中で、出遅れていたのがauだった。
KDDIのケータイは音楽サービスの「LISMO」やワンセグのサポートが早かった反面、薄型やスリムといったコンセプトが打ち出せず、他社に比べると厚手の折りたたみ端末しかないというイメージが付いていた。
薄さやスリム化が難しかったのは、機能のスタンダードを高い基準に設定したことによる弊害だった。しかしその一方、スタンダードを高く設定したからこそ、au Design Projectの「MEDIA SKIN」や「INFOBAR 2」といった、デザイン端末で、スマートで、しかも全部入りという希有なケータイが誕生したわけだ。
そんなKDDIから、薄型戦争に参入しないわけにはいかないとばかりに投入されたのが、この「W55T」だ(関連記事)。
そのコンセプトは「カードサイズスリム」。クレジットカードやキャッシュカードのような「1枚」として、ケータイが生活の中にとけ込むことを目指している端末になる。
このカードというのは、電子マネーと相まって、今後ますます重要になるキーワードだ。ここで、僕の生活の中での実験をご紹介しよう。