松村太郎の「西海岸から見る"it"トレンド」

1年で3回まで最新機種に T-Mobileの新プランでiPhone 6を買い直した話 (1/2)

文●松村太郎(@taromatsumura) 編集● ASCII.jp

2015年08月27日 12時00分

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このタイミングでiPhone 6を手に入れるというのは、iPhoneにさほど関心がないユーザーがしそうなことにも感じますが、T-Mobileのキャンペーンはその裏をかく狙いがあったようで

 今週は少し仕事のペースを落として、8月中に夏休みを取っておこう、という気分でおります。

 筆者は大学院を卒業してからかれこれ10年ほど、フリーでテクノロジーとライフスタイルに関する文章を書く仕事をしてきましたが、好きなことをしていることもあり、あまりまとまった休みを取ろうという気分になれずにいます。

 休暇に関する決まりがあるわけでもなく、誰かが「休みなさい」と言うわけでもないので、自分で決めて休まなければなりません。お盆休みや正月休みのように、みんなが一斉に休む時をめがけて休んだ方が良いのですが、昨今は分散夏期休暇も増えていて、お盆休みにさほど周りも止まらない感覚でした。

 米国では、大きな休みは独立記念日に絡めた7月第1週、Thanksgiving(感謝祭)の11月末、クリスマス休暇の12月末はカレンダーでも4連休程度の休み。そのほかにも、月曜日を休みにした3連休がいくつかあり、バケーションを取っているようです。

 「あまり休みを取らなくても」と思っていても、いざ「今週は休み!」と決めると、気分がリフレッシュしてくるから不思議なものです。やはり、休みは自分で決めた方が良いのかも知れない、なんて思いました。

VerizonからT-mobile USへの移行は満足の結果
そして再びT-Mobileショップへ

 本連載は一応、「it」トレンドということで、モバイル・パーソナルテクノロジー周辺の話を、米国での生活を通じて、体験的にお伝えしようというコンセプトがあります。

 そのため、筆者が普段使っているテクノロジーに関連する話を、どうしてもひいきしてしまう傾向にあることはご了承いただければ幸いです。というわけで、再び、T-Mobile USの話です。

 T-Mobileへは2014年12月末に、最大手のVerizonから乗り換えました(関連記事)。決め手は夫婦2人で月額100ドル、通話もSMSもデータ通信もすべて定額というキャンペーン料金に惹かれての乗り換えでした。

 それまでのVerizonは2人で月額140ドル、通話もSMSも従量制でデータはたった2GBずつという、さすがは最大手というプランを使ってきました。その点、データ無制限とはなんと自由なんでしょう。そして、筆者の住むバークレー市内ではコンスタントに下り30~50Mbps、上り10~20Mbpsを叩きだし、上下ともにVerizonの2倍以上のスピードなのです。

 また、筆者のプランはデータ無制限なので関係ないとはいえ、T-mobileは音楽ストリーミングでのデータ通信量をカウントしないサービスを導入するなど、攻めに攻めている状態です。

 これが米国の業界4位キャリアの怒濤の追い上げか。これは使っておかなければと人柱欲、もとい、探究心を燃やさずにはいられませんでした。現状は非常に満足しています。

 しかし、T-Mobileのキャンペーン戦略は、筆者が再びショップへと足を運びたくなる話を持ち込んできたのです。

この時期にあえてiPhone 6への買い換えは
T-mobileが繰り出したキャンペーン内容のせい

 結果的に、筆者はiPhone 6を今購入しました。最新の端末にこだわらないのであれば、日本でもこの時期の買い換えは価格面などの優遇が受けやすいかもしれませんが、仕事的にはなるべく早い時期に新型iPhoneを使いたいところ。なのにこの時期に、というのは理由がありました。

 正確には購入ではなく、18ヵ月間のリース契約を結んでいます。しかし、単なるリース契約ではありません。月額のリース料を払っている期間であれば、同価格帯のデバイスに年間3回乗り換えることができるサービスです。

 T-Mobileが導入している「JUMP! On-demand」というプランは、同社にとって頭の痛い問題を解決する方法でした。

SIMロック解除が義務化される日本でも、今後は最新機種をお手頃価格で利用できるオプションでユーザーの引き留めを図るような動きが出る!?

 T-mobileは2年縛りなしを掲げて、SIMフリーの端末のみを扱っています。AT&TやVerizonが行なってきたような「2年契約を前提にSIMロックされた端末の購入代金を450ドル割引、途中解約は契約期間に応じて早期解約金を取る」という販売方式に異を唱えてきました。

 ちなみにAppleがiPhoneの発表会で披露する「199ドル」という価格は、前述の携帯キャリアの割引を適用した後の金額です。SIMフリー端末は649ドルという価格がついています。つまり、T-MobileユーザーがiPhoneを買うには、649ドルを支払わなければならなかったのです。

 一方で、JUMP! On-demandプランは、T-Mobileに乗り換える際の端末料金をゼロにして、初期コストをなくす施策です。

 リースということで、月額料金に端末に応じた金額を上乗せし、18ヵ月支払い続けます。もし途中で端末を乗り換える場合は、それまで使ってきた端末を下取りに出し、新たなリースを組むという仕組みです。ただし、同じ端末に乗り換えることはできません。また、18ヵ月その端末を使い続けた後は、端末を買い取るか返却するという選択ができます。

 Androidユーザーの場合、年中さまざまなメーカーがデバイスをリリースしているので、最新の機種を使いたいというニーズを満たします。しかしiPhoneは年に1回しか登場しないため、ユーザーのリースの借り換えは基本的に年1回になります。

 他のキャリアよりも買い換え周期を短くでき、下取りしたiPhoneも鮮度が高いうちに市場に再度回すことができる。実際にうまく回るエコシステムなのかは、もう少し情報が欲しいところではありますが、最大の目的であるT-Mobileに乗り換える際の端末コストを小さくするという点では成功しているように思います。


(次ページでは、「JUMP! On-demandに意味深な終了日のプラン」)

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