40度超えの熱波に襲われた米西海岸での過ごし方

文●松村太郎(@taromatsumura) 編集● ASCII編集部

2017年09月06日 10時00分

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打ち水で涼しくなったアパートのテラスからの夕暮れの空。9月2日も最高気温40度でしたが、熱波はこの日で終わり。9月3日は残暑、9月4日はあきがやや深まったような曇り空でした

 米国では新学期シーズンになりました。筆者の住む近辺にはいくつか小学校や中学校の学年に相当する学校がありますが、子供たちの姿が戻ってきて普段の様子が帰ってきた印象です。

 今年の新学期は8月28日月曜日に始まりましたが、原稿を書いている9月4日月曜日は「レイバーデー」という祝日。学校が始まったと思ったらすぐに3連休が訪れ、若干スロースタートといった感じでしょうか。

 その連休に入る前の金曜日から、バークレーを含むサンフランシスコ周辺のエリアは、とんでもない熱波に襲われたのです。

夏が寒いサンフランシスコで40度越え

 「一番寒い冬を過ごしたのは、サンフランシスコの夏だった」というフレーズは、「トムソーヤの冒険」で知られるマーク・トゥエインの言葉、といわれています。ただよく調べてみると、トゥエインが言いそうなウィットに富んだ言葉というだけみたいです。

 またGoogle傘下のNestは、数年前にサンフランシスコの高速沿いの屋外広告で「夏がやってきた! 暖房費を節約しよう」というフレーズを載せていました。これらの言葉に象徴されるように、サンフランシスコとその周辺のエリア、特に海沿いは、夏に厚い霧に覆われ、気温がまったく上がらなくなるのです。

 ところが、9月1日からの2日間は、そんな前評判覆すほど気温が上昇しました。サンフランシスコでは41.1度を記録しました。もちろん、観測史上最高気温です。1874年や2000年など、数えるほどしかないトリプルデジット(華氏で3桁の気温)になりました。

冷房がないカリフォルニアでの40度の過ごし方

 サンフランシスコから湾を挟んだ対岸にあるバークレーでも、9月1日、2日はやはり40度を超える気温。本連載でもたびたびご紹介しているとおり、筆者の住んでいるアパートには冷房がありません。30度を超えることも希なくらいなので。

 最上階でなくても、外気温40度環境の室内気温は35度近くに上がります。そして夜になっても熱気が抜けていきません。アパートの人たちは昼から夜まで、玄関のドアを開け放って、部屋の中から熱気を出すべく、外に向けて扇風機を回しっぱなしにしていましたが、大した効果もなく……。

 バークレーは海辺から丘にかけての斜面に位置する街です。地域の気象台が出した観測点の気温によると、海辺にあるバークレーマリーナは、海風が入るせいか、気温が30度しかありませんでした。

 2km移動するだけで10度も涼しいなんて信じられませんでしたが、実際に行ってみると確かに涼しい。強い風もひっきりなしに吹いているので、体感温度はもっと抑えられます。これだけ気温が高いと、地形による涼しいポイントを見つけた方がよいですね。

打ち水が奏功するも

 さて、マリーナで涼んでから帰ってくると、引き続き40度の世界が続いていました。次なる作戦は打ち水です。湿度が15%もないため、水をまけばすぐに乾いて、廊下やテラスの温度はぐっと下がります。

 隣人が表面温度を測定するデバイスを持っていたので調べてみたら、何もしていない直射日光の床面は50度を超えていましたが、水をまいて乾いた直後の床面は27度にまで下がっていました。

 そこで、共用部分であるベランダや廊下、テラスなどに火があるうちに散水してみると、夕暮れ時、気温はまだ35℃近くありますが、テラスの回りはひんやりと涼しくなりました。

 部屋の中の気温が落ちない隣人たちで、テラスでお喋りしながら夕食というちょっとした避暑パーティーも展開されました。まあ、部屋に戻るとその暑さでやっぱり絶望するのですが。

今朝は布団をかぶって寝てました

 暑い部屋の中の気温は、どうやったって下がりません。濡れたタオルと扇風機を組み合わせてみたり、氷枕で寝てみたり、色々してみたものの、まあ寝られたものではありませんね。結局2日間、寝不足でぐったりとしてしまいました。

 連日40度の気温を記録したバークレーですが、9月3日は27度程度の最高気温で済み、夜は17度ぐらいまで下がりました。そのため、毛布とまでは言いませんが、布団を掛けて寝ないと寒いぐらいの気温にまで落ち着いてきました。

 そして9月4日は朝から曇りっぱなしで、25度にも届かないでしょう。これが普段どおりの天気、なわけです。日本のように1ヶ月も熱帯夜が続くと、体も慣れてくるものですが、急に暑くなって急に冷えると、それはそれで順応しにくいものです。

 今回の熱波で、シリコンバレーよりさらに南にあるギルロイでは山火事が発生した模様。またロサンゼルスでも歴史的な規模の山火事が発生しているというニュースが伝わってきます。

 他方、先週テキサス州ヒューストンで大規模な洪水を引き起こしたハリケーンは、再び新たなものがメキシコ湾への侵入をうかがおうかというところです。

アメリカでは可能そうな涼しい場所に移動するという対処法

 もちろん今回の熱波やハリケーンの直撃を、気候変動に直結させることはできません。ただ、渇水や大雨、記録を更新する熱波などが頻発している様子について、何も感じないわけにはいきません。

 そうした変化に対して、いくつかの方法で対処していくべきです。たとえば温室効果ガスを削減するという先進国での対処法は、継続していくべきでしょう。

 特に昨今、カリフォルニアでは電気自動車とソーラーパネル、家庭用蓄電池といったテクノロジー寄りの気候変動に対するソリューションが広がりつつあります。少なくとも、エンジンがかかっている車よりは、電気自動車の方が近くにいて涼しいものです。

 まだまだ点での普及に過ぎませんが、面で普及してきたら、熱波が到来しても停電を起こさない電力グリッドの強靱かがもたらされるかもしれません。

 また、我が家は冷房がないので仕方ありませんが、より細かな気象データがシェアされると、家の冷房を強めるよりも快適な涼しい場所を見つけて、そこで過ごすという行動も実現できます。

 新しいテクノロジーとソーシャル活用など、さまざまな方法で、ただエネルギーをたくさん使うだけではない解決策を見つけられるようになってきた、そんな感覚をつかみかけているように思います。

 ただ、それも地形的な広がりがあり、移動しやすく、人の密度が低いアメリカだから言えることかもしれません。日本の東京で「あそこが涼しいぞ」と人が大挙したら、そもそも移動中からして、熱から逃れられなくなりそうです。


筆者紹介――松村太郎

 1980年生まれ。ジャーナリスト・著者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。またビジネス・ブレークスルー大学で教鞭を執る。米国カリフォルニア州バークレーに拠点を移し、モバイル・ソーシャルのテクノロジーとライフスタイルについて取材活動をする傍ら、キャスタリア株式会社で、「ソーシャルラーニング」のプラットフォーム開発を行なっている。

公式ブログ TAROSITE.NET
Twitterアカウント @taromatsumura

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