ドイツはプリペイドSIMの販売規制が開始 SIMフリースマホユーザーは注意

文●山根康宏 編集●ゆうこば

2017年09月08日 09時00分

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 IFA 2017が開催されたドイツのベルリンでは、2017年7月以降にプリペイドSIMが買いにくくなっています。外国人向けに販売しないキャリアもあり、現地回線の確保にひと苦労しました。

 SIMフリースマートフォンを持ってドイツに行く人は注意が必要です。どのような状況になっているのか、ベルリンの各キャリアの店を周ってみました。

ドイツのプリペイドSIM制限、各キャリアの対応

 ヨーロッパでは各国がテロ対策のために、プリペイドSIM購入時の本人のID確認が厳格化されました。今回訪問したドイツでは、2017年7月1日からプリペイドSIMの購入時に本人IDの確認に加え、ドイツ居住であることが必要になったとのことです。

 これまでもドイツでプリペイドSIMを買う場合はパスポートを提示する必要がありましたが、住所の確認は店次第で、ホテルの住所を求めるところがあれば、何もなしで買える店もありました(おそらく購入店舗の住所で登録)。

 また、MVNOのプリペイドSIMの場合はオンライン登録ができますが、本人認証は名前や生年月日を入力するだけでOKだったのです。

 しかし、2017年8月末にベルリンを訪れたところ、いくつかの店舗ではプリペイドSIMの購入は断られ、またプリペイドSIMの販売をやめた店舗もありました。今後状況は変わるかもしれませんし、抜け道もあるかもしれません。

 最悪の場合、「ドイツに着いたけどSIMが買えない」というケースもありうるのです。2017年9月時点で、各キャリアの状況をまとめます。

ドイツはプリペイドSIMを売っていても買えない、そんな状況になっている

1.ドイツテレコム:購入不可

 ドイツ最大のキャリア・ドイツテレコムは数件回りましたがどの店でもドイツ非居住者へのプリペイドSIMの販売はNG。同社のMVNOであるCongstarも同様で、プリペイドSIMが購入できるのはドイツ居住かつドイツのIDを持っている人のみとのこと。

ドイツテレコムはドイツ非居住者は一切購入できずで門前払い状態

2.ボーダフォン:購入可能だが高価格

 ボーダフォンは3件回って、いずれの店でもパスポートとホテルの住所があればOKとのことでした。MNOですし、現時点ではベルリンでプリペイドSIMを買う場合はボーダフォンが一番確実かもしれません。ただし、IFAの会期中だからなのか、ショップでは本来は存在しない「SIM代」を請求して販売されそうになりました。

 ボーダフォンのプリペイドSIMは9.99ユーロで1.25GBと、25ユーロで2.5GBの2種類があります(ほかにもいくつかありますが割愛)。そして、9.99ユーロのSIMは現在プロモーションで1.25GBが加算されます。つまり、どちらのSIMを買っても2.5GB使えるのです。ならば、9.99ユーロのSIMを買ったほうがいいですよね。

 ところが9.99ユーロのSIMを買おうとすると、SIM代が別途30ユーロかかり、合計39.99ユーロになるとのこと。一方、25ユーロのSIMはSIM代などなく、そのまま定価販売されます。

 ということで、25ユーロを払ったのですが、お店から出てきたSIMのパッケージは本来欲しかった9.99ユーロのもの。結果として2.5GB使えるSIMを買えたものの、心の中にもやもやが残った状態でした。

 なお、IFA2017のボーダフォンブースでは定価でプリペイドSIMを販売していました。会期初日にここで9.99ユーロのSIMを買えばよかったのですが、初日から来客が多く並ぶ時間もないため断念。来年は会場時間とともに行ってみようと思います。

ボーダフォンは旅行者でもパスポートとホテル住所で購入可能
しかし、安いSIMは定価で販売してもらえない

3.O2:購入に書類が必要

 O2の店は2件回り、どちらの店でも「外国人はパスポートで本人認証OK。ただし、ホテルで滞在証明書を出してもらってくれ」と言われました。これは予約時のホテルの予約表ではありません。ホテルに言えば発行してくれるのでしょうがちょっとメンドウです。

 また、友人とツインの部屋を取って友人名義で予約した場合は発行してくれないかもしれません。ちょっと買いにくいですね。

O2は住所の証明があれば購入できそう

4.Lebara(MVNO):購入可能だが注意が必要

 ヨーロッパ各国でMVNO事業を展開しているLebara。ドイツでは以前はオンラインで簡単に登録ができました。7月1日以降もオンライン登録が可能ですが、PCやタブレット、スマートフォンのカメラを使ってパスポートをスキャンしてデータを送信する必要があります。

 しかし、このオンライン登録で本人認証が出来るのは、ヨーロッパ各国と中国など一部の諸外国のIDカード、パスポートに限られます。日本のパスポートは登録に利用できません。

 そのため、街中の個人経営のスーパーやネットカフェ、両替所で買う必要があります。もちろんその場でパスポートの提示が必要になりました。

 今回いくつかの両替所を回ってみたところ「すでに登録してあるよ」というプリペイドSIMを販売する店もありました。これは恐らく店の住所や店員のIDを使って登録されたSIMを販売しているのでしょう。

 犯罪に巻き込まれる可能性は低いでしょうが、本来は違法でしょう。このようなSIMを売る店に遭遇したら「自分のパスポートで登録してくれ」なんて言うのも言うだけムダ。とっとと別の店を探してほかで買いましょう。

大手スーパーでは各社MVNOのSIMを売っている
街中の両替所やネットカフェ、雑貨店などでもLebaraは販売中だ

 実は今回、大手スーパーでLebaraのプリペイドSIMを買いました。スーパーのレジでは登録してくれないのでオンラインで登録しようとして、日本のパスポートがオンラインNGであることに気が付きました。

 そこで、ベルリンの街中で「Lebara/Registration」という案内を掲げているLebara取り扱いの個人商店へSIMを持ち込んだのですが、どの店も「ほかの店で買ったSIMは登録しない」とのこと。

スーパーで買った14.99ユーロのLebaraのプリペイドSIM。まさか開通できないとは思わなかった
街中にある「Lebara Registration」を掲げた店。持ち込み開通は断られた

 結局、IFA 2017のLebaraのブースで相談したところ「ここで登録できるよ」とのことで、その場でパスポートを見せホテルの住所を伝え登録してもらいました。

 また、ブースではSIMを販売していました。来年以降、IFAに行く人は(業界関係者でしょうが……)会期初日にVodafoneかLebaraブースを訪問するのもいいかもしれません。

IFA2017のLebaraブース
パスポートをタブレットで読み込むなどして登録完了

5.Yourfone(MVNO):プリペイドSIM販売無し

 以前も買ったことのあるMVNOのYoufoneの店に立ち寄ったところ、「プリペイドSIMは法令改正後から販売していない」とのこと。この店だけの状況だったかもしれませんが、店頭の案内にはたしかにプリペイドらしい文字は消え、月額料金のみが掲示されていました。

購入実績のあるYourfoneだが、現在プリペイドSIMは無くなった

ドイツを訪問するときのSIMの準備はどうするか?

 このようにボーダフォンはひとまず買えましたが料金は割高。定価で買える店があればリーズナブルでしょうが、探す時間ももったいないでしょう。

 一方、Lebaraもきちんと買える店があればそこで購入するのがベター。ただし、Lebaraは3Gのみで4Gはつかみません。親回線がドイツテレコムなので3Gでも品質はいいものの、留意しておくべきでしょう。

3Gながら10Mbps弱を出している。上りはやや遅め

 では、ドイツを訪問するとき、現地の通信回線はどうすればいいでしょうか。一番手軽な方法は日本のキャリアのローミングで、キャンペーン中なら1日1000円程度と割安です。数日の滞在ならこれで十分かもしれませんね。とはいえ日本でMVNOメインの人は使えません。

 どうしても確実に現地回線が必要な場合は、日本の空港でモバイルルーターをレンタルするのがよさそうです。

 ただし、1日の通信制限があるものもあるので、つないでいたスマートフォンのアップデートや写真の自動バックアップで制限容量をあっという間に使い切ってしまった、なんてこともあるので注意しましょう。

 モバイルルーターはレンタルだけではなく、個人で買えるグローバル対応タイプも悪くありません。海外渡航が多い人はこの手のものをひとつもっていると、いざってときに便利です。レンタルと異なり空港での受け渡しの手間もありません。

Glocal Netのグローバルルーター。1日300MBからのプランあり。緊急用にも最適だ

 あとは、ドイツでも使える海外のプリペイドSIMを買って現地で使う方法があります。この手のプリペイドSIMには2種類あります。ひとつは世界各国に対応してどこでも自由に使えるというもの。

 しかし、料金は1GBあたり1万円程度と若干割高。もうひとつはタイや香港のキャリアが販売するヨーロッパや世界対応プリペイドSIMで、こちらは利用できる国が限られるものの料金はそこそこリーズナブルです。

 最近人気なプリペイドSIMは、タイのAISのアジアタイプや世界タイプ。世界タイプはアマゾンなどで4000円前後で販売されており、15日間で4GB利用できます。  この価格だと現地のボーダフォンでプリペイドSIMを買うより割安かもしれません。タイや香港の海外用プリペイドSIMはこれからの「海外渡航スタンダード」になるかもしれません。

タイAISのグローバルSIMも便利。後ろは香港MVNOキャリアの全世界プリペイドSIM

 なお、ヨーロッパの別の国で買ったプリペイドSIMが、そのままドイツで使えるケースも拡大しました。ヨーロッパではローミング料金の撤廃で、自国の無料データ利用分をそのままドイツで使えるものも増えています。

 各国それぞれの料金はキャリアごとにまちまちなのでここでは触れませんが、ドイツ訪問前に他のヨーロッパ諸国を訪問するときは、その地で買ったプリペイドSIMがドイツで使えるかを購入時に確認しておくといいでしょう。

 ヨーロッパはテロ事件が増えているため、規制強化はやむを得ない処置でしょう。とはいえ、純粋に現地の通信回線を必要とする外国人向けに、プリペイドSIMがもう少し買いやすくなるといいのですけどね。

 この動きはほかの国に広がるのか、他の国はどんな状況になっているのか、ヨーロッパ訪問時に各国で確認してみようと思います。

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