5Gや8Kなど近未来の技術を沖縄で KDDIオープンラボ

文●モバイルプリンス 編集●ゆうこば

2017年11月22日 10時00分

 沖縄セルラーとKDDIは11月16~17日、5GやIoTなどの「先進性」「独自性」を追求した最新技術を公開する「沖縄セルラー・KDDIグループオープンラボin沖縄」を那覇市の沖縄セルラー本社ビルにて開催。

 今回のラボは、主に沖縄セルラー取引先企業に向けられたもので、13の最新技術がまとめて展示されました。

 その中でも、興味深い技術をいくつか紹介します。

次世代高速通信「5G」の実証実験を沖縄で開始

 KDDI、KDDI総合研究所は、次世代の高速通信5Gの実証実験を来年1月、沖縄セルラースタジアム那覇にて実施することを明らかにしました。

 この実験では28MHz帯の周波数を使い、ユーザー端末で下り最大5Gbpsの速度に挑みます。

 一般的にスマホで使われる周波数は700MHz~3.5GHz帯ですが、今回は「28MHz」とかなり高い周波数帯になり、速度こそ速いものの「遠くまで飛ばない、回り込まない」などの課題が出てきます。

 今回の実験では、スマホが移動すると基地局側で追いかける「Beamtracking」技術などを使い、快適な通信を目指します。

8Kフリーナビゲーションシステム

 前述した高速通信を活かし、大規模スポーツイベントにおいて複数台のカメラで撮影した8K映像を合成し、好きなアングルから中継を楽しめる「8Kフリーナビゲーションサービス」も合わせて公開されていました。

 会場ではあらかじめ録画し、合成したサッカーの試合の動画をコントローラーで自由に操作できるデモ環境を用意。4台のカメラを使って4方向から撮影されている上に、8Kの超高解像度で記録されているため、ズームもバッチリ。

 自由度が高すぎるあまり、コントローラーを使って操作する様子はただゲームをしているかのように見えました。

 今後はハイライト、リプレイシーンの迫力ある映像なども提供予定で、スポーツ中継のユーザー体験が大きく変わる可能性が出てきています。

ベテラン漁師のワザを数値化するスマート漁業

 通信機能を搭載した「ブイ」を海に設置し、潮の流れや水中の塩分濃度を測定。コストの削減や効率化を目指します。

 今回利用するブイは全長2mほどの高さで、LTE通信を使い各種データを送信。水中カメラの映像なども見ることができ、魚の量や出漁のタイミングを予測します。

 また、これまでの漁業でベテラン漁師の「経験と勘」に頼っていた部分を、スマートブイで数値化することで、未経験者の就業機会拡大を目指すとのことです。

SIMを活用したIoTセキュリティー

 スマートフォンやIoTデバイスに搭載されたSIMカードを認証に使うことで、セキュリティーを向上させる取り組み。会場ではスマホを使って鍵の施錠・解錠が可能な「スマートキー」を使ってデモが行なわれていました。

 スマートキーそのものはさまざまな製品が登場しているため、特別な目新しさはありません。しかしながら、堅牢性の高いSIMカードをNFC認証に使うことで、ハッキングなどで自宅が解錠されてしまうことを防ぎます。

 また、「SIMカードを管理する通信事業者としてメンテナンスしやすい」などのメリットを挙げており、IoT時代のセキュリティー向上を目指します。

日本最南端・沖縄がアジアのハブになるために

 KDDIグループの技術を展示したオープンラボの開催は沖縄では初めてとのことで、会場には県内大手企業の担当者が続々と来場。興味深く、展示の内容の説明を聞いていました。

 日本最南端で、外国人観光客も多い「アジアのハブ」になる可能性を秘めている沖縄なだけに、こうした最新技術がどのように活かされるのか、楽しみです。

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