柳谷智宣の「真似したくなるPC活用術」

デジタル環境も年末の大掃除ですっきり安全にするワザ (1/2)

文●柳谷智宣

2017年12月30日 10時00分

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 2017年ももうすぐ終わり。オフィスや自宅の大掃除をしている人も多いのではないだろうか。きれいになるのは気持ちがいいし、空いたスペースも有効利用できるようになる。これはPCやスマホ、ウェブサービスにも言えること。年末年始の空き時間を使って、不要なファイルや情報を整理整頓し、来年も安全快適にデジタル環境で作業できるようにしておくことをオススメする。

 今回2017年最後の記事ということで「デジタル環境も年末の大掃除ですっきり安全にするワザ」を紹介する。

いつかやろうと先延ばししていたデジタル大掃除にチャレンジしよう!

ウェブサービスのアカウントとパスワードを徹底整理!

 最初に整理したいのがウェブサービスのアカウントだ。今や、普通にネットを使っているだけでも、MicrosoftやGoogle、Appleといったメーカーから、クラウドストレージ、ショッピングサイト、SNS、オークションサイト、オンラインバンクなど、数えきれないアカウントを取得していることだろう。さらに、ネットで買い物をよくする人や、最新サービスを気軽に試している人などは、アカウント数は100や200をすぐ超えてしまう。

 このアカウント、どうやって管理しているだろうか。すべて同じメールアドレスとパスワードの組み合わせ、というならいつかどこかで人生を変えるレベルの流出被害に遭いかねないので注意が必要だ。ほとんどのサービスにはそれほど致命的なデータは保存していないだろうが、Gmailの過去のメールすべて見られても問題ないだろうか? FacebookやTwitterの投稿や写真に個人情報は入っていないだろうか? 以前使っていたmixiのアカウントには何を書いたことがあるだろうか?

 匿名アカウントで憂さ晴らししていた場合、他の情報を組み合わせて身ばれする可能性もある。ヘルスアプリから健康情報が漏れたり、スケジュールサービスから予定が丸わかりになると困ることが出てくるはず。クラウドストレージから仕事関連のファイルが漏洩すれば、会社に迷惑をかけるかもしれない。

 パスワードはすべてのサービスで異なる文字列を利用すること。これだけで、万が一サービス側から漏洩しても、他のサービスに不正アクセスされることはなくなる。しかし、そうするとパスワードを覚えきれなくなるので、何かに記録する必要が出てくる。メモ帳やエクセルに書いておく人も多いが、ファイルの管理に手間がかかる。漏洩したら大問題だし、なくしても面倒だ。アナログも同様のリスクがある。

 そこで使いたいのがパスワード管理アプリだ。「1Password」(https://1password.com)や「LastPass」(https://www.lastpass.com/ja)といったサービスが有名で、本格的に利用するなら有料となる。しかし、PCでもスマホでも利用でき、複雑な文字列もきっちり管理。セキュリティーもしっかりしており、ビジネスユースでも活用されている。

 筆者が主に利用しているのは「1Password」だが、ウェブブラウザでサインインを検知すると、自動的に登録画面が開き、簡単に登録できる。そこで、既存のアカウントすべてに片っ端から、サインインしてみよう。細かい使い方は「第244回 月額課金制になった1Passwordを導入してパスワードを完璧に管理する技」を参考にして欲しい。

 その際に、もう二度と使わないな、と思うサービスなら退会すればいい。パスワードも文字列を使い回している場合は、他の文字列に変更する。サービスがなくなっているものもあるだろう。しばらくぶりにアクセスすると、未読メッセージがあったり、機能追加があったり、無料と思っていたら有料に切り替わっていたりと状況は変わっているはず。一通りチェックすればずいぶん無駄なアカウントを減らせるし、パスワードを変更すればセキュリティも格段に強固になるのだ。

 特に、使っていないSNSやブログなどがあれば、消去しておくことをオススメする。いつも使っているアカウントであれば、乗っ取りや炎上が起きたときにすぐにわかるが、普段アクセスしていないアカウントだと初動が遅れて被害が拡大しがちだからだ。

 SNSに紐付いているサービス・アプリを整理するなら「第251回 防げ個人情報漏洩! SNSアカウントに紐付いているサービス・アプリを把握・整理するワザ」を参考にして欲しい。

定番パスワード管理アプリ「1Password」は、月額2.99ドル

ブラウザからサインインすると、自動的に登録画面が開く

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