格安SIMと同列に語られ、販売店でも「格安スマホ」のカテゴリーに分類されることもある大手キャリアのいわゆる「サブブランド」。
具体的には「Y!mobile」と「UQ mobile」の2つを指すが、果たして本当に格安なのだろうか?
本連載でも端末と回線の分離や契約の気軽さがあるMVNOの格安SIMとは明確に別のものと区別してきたが、話題になったことや最近の競争事情から見逃せなくなったので、サブブランドはどうなのか考えてみた。
サブブランドは、混雑時の速度低下があまりなさそう
2017年末にスタートした総務省の識者会議「モバイル市場の公正競争促進に関する検討会」を見ると、MVNO勢が大手キャリアのサブブランドに対してフェアではないと意見している様子が報じられている。
サブブランドの料金ではサービス面でMVNOが互角に戦えず、その中身を明らかにすることを求めている。
実際にどうなのかはさておき、MVNO勢が文句を言うくらいということは、利用者にとってはサブブランドのサービスは魅力的なものと考えることもできる。
意見の中には混雑時の回線品質についても言及しており、MVNOでは、コスト面から現在の顧客向け料金ではサブブランド並みの実効通信速度が確保できないとしている。
それは、逆に言えばサブブランドはランチタイムや夕方の回線混雑による遅延があまりないことをMVNO勢が指摘していることになる。
なかなか月額1480円にはならず、2年目から負担額増も
混雑時の品質が良く、料金がお手頃ならサブブランドは魅力的。次に料金面を詳しく見ていこう。
宣伝でよく見かけるのが月額1480円や1980円という数字。月間の高速通信容量は1GBで、1回あたり5~10分までの通話が無料というプランのことである。
よく見るとその数字には「~」が付いており、特定の条件を満たした場合の金額だと読み取ることができる。
実際にはY!mobile、UQ mobileとも単体契約では通信容量1GB、5分(UQ mobile)または10分(Y!mobile)までの無料通話のプランは2980円。大手キャリアと同じ自動継続されて無料で解約できる期間が2年に1回しか来ない24ヵ月契約の料金となる。さらにユニバーサルサービス料と消費税が追加される。
最低が1480円となるのは、契約1年目が毎月1000円引きとなるキャンペーンを継続中なことと、自宅の光ファイバー回線とセットや複数回線の2台目は500円引きとなるためである。
ただし、キャンペーンにより通信容量が2年間は倍になり、月間2GBまでの高速通信が利用できる。
記事掲載当初、通話の時間に誤りがありました。お詫びして訂正いたします(2018年1月25日)