松村太郎の「西海岸から見る"it"トレンド」

アニ文字 vs DJスミロック――第60回グラミー賞のTVCMでのApple vs Google (1/2)

文●松村太郎(@taromatsumura) 編集● ASCII編集部

2018年01月31日 10時00分

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 アメリカの1月から2月にかけては、テレビが活躍する季節です。音楽や映画の賞、そしてスポーツイベントなど、日曜日ごとにさまざまなイベントが目白押しです。1月28日は音楽の祭典、グラミー賞が米CBSでニューヨークから中継されました。

 アメリカではケーブルでのテレビ視聴がまだまだ多いのですが、簡単な室内アンテナとテレビがあれば、主要ネットワークのテレビ局の番組は見ることができます。先日コードカットの話を書きましたが、筆者の家でもCBSで放送されるグラミー賞の生中継は楽しむことができました。

 今年はなんといっても、ブルーノ・マーズが主要部門を独占し、今最も勢いのある音を奏でているのだなという印象が強く残りました。

 それにしても、ノミネートされたアーティストの中にも、本当に白人が少ない印象。純粋に良い音楽を評価するという現場ではありながら、多様性に対して米国内で逆行する動きに支持が集まっている背景も関係していたのかもしれません。

AppleのCMはアニ文字活用

 こうした米国中の注目が集まるイベントに対して、さまざまな企業が特別なテレビCMを用意します。そうした普段は見られないCMもまた、楽しみの一つになっています。

 すべてのCMをチェックしたわけではありませんが、AppleとGoogleのコマーシャルは印象的だったのでご紹介しておきましょう。両社とも最新スマートフォンのコマーシャルを扱っていました。

 AppleはiPhone X。春にも配信される予定のiOS 11.3でキャラクターが増えることが公表されたiPhone Xならではの機能、「アニ文字」を全編で活用したCMです。

 宇宙人の絵文字にChildish Gambinoの「Redbone」を1分間リップシンクロで歌わせ、その背景に他のアニ文字のキャラクターがコーラスを入れるような構成です。

 この背景は、Childish Gambinoのアルバム「Awaken, My Love!」のジャケットと同じデザインになっていました。このパターンは今後も展開していくことができそうですね。ぜひ日本でも、顔がドンとあるジャケットのバージョンが制作されて欲しいすね。

 このアイディアは、必ずしもCMの世界の話ではありません。もしiPhone Xを持っていたら、アニ文字のビデオを撮影し、その最中に表情豊かに歌ったり喋ったりしたものを、誰かに送信するだけでなく、自分が作るビデオに取り込めば良いのです。

 Appleはビデオを簡単に録画できる「Clips」というアプリを用意しており、InstagramやSnapchatで共有するビデオのように、簡単にビデオクリップを撮りため、そこに絵文字やステッカーを貼り付けたり、喋っている内容を文字の字幕に変換する機能が用意されています。

 TrueDepthカメラを搭載したiPhoneやiPadが今後もっと増えれば、おそらくこのClipsにもアニ文字録画機能が搭載されるんじゃないか、と推測しています。

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