山根博士の海外モバイル通信

1日240円から! 五輪に合わせてか ローミングよりオトクなプリペイドSIMが韓国でも

文●山根康宏 編集●ASCII編集部

2018年02月16日 10時00分

 冬季五輪が開催されている韓国。外国人渡航客用のプリペイドSIMが数社から販売されていますが、価格はあまり安いものではありませんでした。コンビニなどで販売されているMVNOの「KT M Mobile」のプリペイドSIMは1GBで34000ウォン(約3400円)、2GBで49000ウォン(約4940円)。数日の滞在なら日本の大手キャリアのローミングサービスを使ったほうが安上がりかもしれません。

KT M MobileのプリペイドSIMはあまり安くない

 ところが五輪開催に合わせたのか、データが定額で使え料金も安いプリペイドSIMが発売されました。しかも販売しているのは大手キャリアの「LG U+」。韓国では3キャリアのうちのシェア3位ですが、全国にLTEネットワークを構築しており、回線品質は問題ありません。

LG U+が新たにプリペイドSIMを発売

 LG U+のプリペイドSIMが販売されているのは仁川国際空港の同社カウンター。仁川国際空港は2017年1月18日に新しくターミナル2がオープンしましたが、ターミナル1と合わせ、どちらのLG U+のカウンターでもプリペイドSIMが販売されていました。

仁川国際空港のLG U+カウンターで販売中

 料金体系は4つあり、価格はリーズナブル。いずれもデータ通信は定額です。

  • 5日間:27500ウォン(約2720円、1日約540円)
  • 10日間:38500ウォン(約3810円、1日約380円)
  • 20日間:60500ウォン(約5980円、1日約300円)
  • 30日間:71500ウォン(約7070円、1日約240円)

 日本の大手キャリアの1日データローミングはキャンペーンで1000円程度ですから、5日用を3日間しか使わなくても十分安いですね。30日用なら1日当たりわずか240円と格安になります。

ローミングよりも安い料金体系

 ただし、対応端末が限定されているので注意が必要です。SIMフリー機であることはもちろんですが、メーカーはLGまたはアップルしか利用できません。他社のスマートフォンの場合は、おそらくIMEI番号でメーカー名が判別され、利用できないのです。日本からの渡航を考えると、実質的にはiPhoneしか使えないと考えていいでしょう。

今回はiPhone 7香港版で利用

 SIMの購入は簡単で、パスポートを提示の上でクレジットカードで支払います。SIMの受け取りと同時に契約書をもらいますが、SIMは使い切りで返却の必要はありません。端末へのSIMのセットもカウンターのスタッフが行なってくれます。

 SIMを入れるとすぐにデータ通信を開始してくれました。通信速度はソウル駅近辺で計ったところ下り70Mbps程度、上り15Mbps程度でした。テザリングもできるので複数台のスマートフォンやタブレット、ノートPCなどからも利用できます。

通信速度は十分なレベル

 なおLG U+が採用するLTEのバンドは以下の通り。

  • Band 1(2.1GHz)
  • Band 5(850Mz)
  • Band 7(2.6GHz)

 今回は香港版のiPhone 7でテストしましたが、日本発売のiPhone Xなどは上記バンドに対応しているので、LG U+のプリペイドSIMも問題なく利用できるでしょう。日本でもこれくらい安いインバウンド客向けのプリペイドSIMが発売されるといいですね。

山根康宏さんのオフィシャルサイト

「スマホ好き」を名乗るなら絶対に読むべき
山根博士の新連載がASCII倶楽部で好評連載中!

 長年、自らの足で携帯業界を取材しつづけている山根博士が、栄枯盛衰を解説。アスキーの連載「山根博士の海外モバイル通信」が世界のモバイルの「いま」と「未来」に関するものならば、ASCII倶楽部の「スマホメーカー栄枯盛衰~山根博士の携帯大辞典」は、モバイルの「過去」を知るための新連載!

 「アップルも最初は試行錯誤していた」「ノキアはなぜ、モバイルの王者の座を降りたのか」──熟練のガジェットマニアならなつかしく、若いモバイラーなら逆に新鮮。「スマホ」を語る上で絶対に必要な業界の歴史を山根博士と振り返りましょう!

→ASCII倶楽部「スマホメーカー栄枯盛衰~山根博士の携帯大辞典」を読む

ASCII倶楽部は、ASCIIが提供する会員サービスです。有料会員に登録すると、 会員限定の連載記事、特集企画が読めるようになるほか、過去の映像企画のアーカイブ閲覧、編集部員の生の声を掲載する会員限定メルマガの受信もできるようになります。さらに、電子雑誌「週刊アスキー」がバックナンバーを含めてブラウザー上で読み放題になるサービスも展開中です。

→ASCII倶楽部の詳細はこちらから!

mobileASCII.jp TOPページへ

mobile ASCII

Access Rankingアクセスランキング