復活のNokiaスマホは世界3位の地位を狙う

文●末岡洋子 編集● ASCII編集部

2018年03月06日 11時30分

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 Nokiaブランドのスマートフォンを作成するHMD Globalは、今年の「Mobile World Congress 2018」でも、”バナナフォン”として知られる「Nokia 8110」のリメイクで話題を振りまいた。日本市場展開の計画は「現時点では無い」とするが、HMD Globalの目標は「(世界の)トップ3に入る」と野心的だ。MWCの会場でHMD GlobalのAPAC担当マーケティングトップ、Shane Chiang氏に話を聞いた。

NokiaブースにはHMD Globalが作成するNokiaブランドの電話が並んでおり、常時人気だった

ラインナップ増加で世界で本格展開へ
Nokiaのブランドはまだまだアドバンテージ

――2017年のMWCでNokiaブランドが端末市場にカムバックして1年が経過します。この1年を振り返ると?

Chiang氏(以下、同) 2017年はMWCで「Nokia 3」「Nokia 5」「Nokia 6」を発表。その後「Nokia 8」、中国で「Nokia 7」を発表した。これに加えて「Nokia 3310」もリリースした。

HMD GlobalでAPAC担当マーケティングを率いるShane Chiang氏

 私が担当しているアジアでは昨年1月にNokia 6を発表したが、それ以外の国では6月に端末を発売した。(その結果は)良い意味で驚いている。台数などは非公開だが、予想以上の反響があった。ソーシャルでも言及されており、Nokiaブランドの強さが健在だと実感した。

――どんな層がNokiaのスマートフォンを買っている?

 さまざまな層が購入している。子供から60代まで幅広い。中国では22~36歳が最も多い層だ。

――マーケティング戦略は?

 年齢別にターゲティングしているが、ソーシャルメディアでストーリーを語り、映像でNokiaブランドを知ってもらう。店頭も重要な場所で、Nokia端末の魅力を伝えていく。

 新しい世代のユーザーにNokiaとは何かを紹介することが重要だ。幸いなことに、誰もが過去にNokiaの端末を使ったことがあるか、使ったことがある人が家族や友人にいる。これはアドバンテージだ。

――今年のMWCではAndroidスマートフォンを4機種発表しました。

 「Nokia 1」「New Nokia 6」「Nokia 7 plus」「Nokia 8 Sirocco」を発表した。

 Nokiaはデザインと品質を重視している。製品にそれを反映させており、2018年の最新機種ラインナップに満足している。たとえば、ミッドレンジのフラッグシップとなるNokia 7 plusでは、18:9の6型ディスプレーを搭載し、背面も前面もZeissカメラを持つ。前面のカメラは16メガピクセルで広角対応だ。4G通信、microSDカードなど多数の機能があるが、強調したいのはバッテリー持続時間が2日間であること。これは、このレベルの機能を持つスマートフォンではなかなかない。

 筐体もアルミニウム素材で、コーティングによりセラミックの感触を出した。これがNokiaのデザインで、差別化になる。

 一方、Nokia 1は89ドルのAndroid Go搭載スマートフォン。初めてスマートフォンを使うが、多機能を望まない高齢者や子供向け。タッチ、カメラなどベーシックな機能があり、シンプルですぐに使える。

――Nokia 8 Siroccoを”Nokia 9”にしなかった理由は?

 数字だけではもったいないほど独自のオリジナルなスマートフォンだからだ。Siroccoは手に取るとしっくりくるデザインにハイスペックを詰め込んだ。高品質のスマートフォンでハイエンドのフラッグシップとなる。

曲面ディスプレーを採用したNokia 8 Sirocco
「Nokia 8 Sirocco」(左)と2017年に発表した「Nokia 8」

ピュアなAndroidこそが特徴でありメリット
セキュリティー面でも有利

――Android Oneに参加した理由は?

 Android Oneへの参加は、ピュアで常に最新の安全なAndroidを提供するというHMD Global、Google、Nokiaのコミットを示すものだ。

 我々が2017年に発表したAndroidスマートフォンは、UIやブロートウェアのないピュアなAndroidを搭載した。クリーンで使いやすく、ちゃんと(OSも)アップデートされる。  UIなどを重ねると、アップデート時にすべてのレイヤーに対してアップデートが必要になり、ユーザーに届けるまでに時間がかかる。HMDのNokiaスマートフォンは余計なものがないので、簡単にアップデートできる。セキュリティーパッチが用意されたらすぐに適用できる。コンシューマーは保護されるし、通信事業者にもメリットがある。これは重要だ。

――他社はAndoid上の独自UIで差別化を図っています。

 我々はコンシューマーに最高な経験を提供することを考えている。ピュアなAndroidではクリーンな体験が得られるし、さまざまなアプリを使ってユーザーは自分が好きなように端末を”デコレーション”できる。これに加えて安全だ。

“バナナフォン”のNokia 8110をリリース
グーグルのサービスも利用できる新たな形でのリメイク

――Androidに加えて「Nokia 8110」も発表しました。なぜNokia 8110のリメイクにしたのですか?

 ”オリジナルシリーズ”として、過去のNokia製品からピックアップして将来に紹介している。昔人気だったが、今でも需要があるものだ。

バナナフォンこと「Nokia 8110」。1996年にNokiaが発売した携帯電話のリメイク

 実は我々は発足後、製品戦略を練る際にコンシューマーに調査したが、その中で古い携帯電話のうちカムバックして欲しい機種として1位に挙がったのが3310だった。そこで昨年「Nokia 3310」を出した。Nokia 8110は2位だったので今年はそれを出した。

――3位は?

 残念だが教えられない(笑)。来年もオリジナルシリーズに新しい機種を入れるかどうかはまだ決定していない。Nokia 8110の動向を見て決めることになるだろう。

――Nokia 3310は話題作りにはなりましたが、収益面ではどうでしたか?

 台数は好調だ。HMDは2017年、合計7000万台を販売した。製品別の内訳は出していないが、フィーチャーフォンも重要な貢献をしている。需要があることがわかった。Nokia 8110でも欲しいと思っている人にリーチできると期待している。

フィーチャーフォンのラインナップも増えてきた

――Nokia 8110ではKaiOSを採用しています。理由は?

 Facebook、Twitterなど、iOSやAndroidスマートフォンで利用しているアプリを利用できるようにしたかったからだ。

 このほかの特徴として、nanoSIM、Wi-Fi、Bluetoothなどがあり、アプリが利用できるし、Googleアシスタントも使える(KaiOSはグーグルと提携している)。カバーも変更できる。Nokia 8110はフィーチャーフォンではなく、”スマートな”フィーチャフォン。2台目の電話としても利用できるし、メインでも利用できる。

 高齢者にはちょうどいいし、子供なら1台目にNokia 8110を使い、その後Nokia 1にアップグレードできるだろう。

 我々はコンシューマーに選択肢を提供する。フィーチャーフォンかスマートフォンかではなく、Nokia 8110によりスマートなフィーチャーフォンが加わる。

今後数年で世界3位のメーカーを目指す
日本での計画は現時点ではない

――今後の製品計画は?

 コンシューマーがどんな携帯電話を使いたいと思っているのかを見て戦略を決める。

――HMDのCEOは上位ベンダーになると公言しています。そのための戦略は?

 我々は今後3~4年でグローバルで3位になることを目指している。今回の新製品により、あらゆる価格帯でNokiaの携帯電話を用意した。HMDのNokiaの端末はこの1年で80ヵ国に広がり、170の市場で使われている。600以上のオペレーターやディストリビューターが提供している。

 すでにフィーチャーフォンでは1位になった。アジアではベトナムで4位のスマートフォンメーカーとなり、欧州では英国で3位に入った。

 我々は市場のニーズに耳を傾け、高品質のNokiaブランドの製品を作成する。そして、ディストリビューター、通信事業者など素晴らしいパートナーと協業していく。

――日本市場の予定は?

 問い合わせは多く、“NO”とは言わない。だが現時点で明確な計画はない。


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