DSDV対応の「ZenFone 5」を買って、au系SIMの同時待受を試す

文●正田拓也

2018年06月07日 12時00分

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ZenFone 5(ZE620KL)
ZenFone 5(ZE620KL)

 2回線の同時待受が可能なDSDS(Dual SIM Dual Standby)機は2016年ごろからあり、1台のスマートフォンで2つの電話番号をフル活用したり、データ回線を2つのSIMに振り分けて効率的に使うことができた。

 しかし、auネットワークの回線が絡むと2回線同時利用が難しい。そこで、登場したのがLTEを2回線同時待受できるDSDV(Dual SIM Dual VoLTE)機の「ZenFone 5(ZE620KL)」だ。早速、au回線で試してみた。

auはVoLTE必須なので、2回線利用にはDSDV機が必要

auネットワークを2つ有効にしているところ。SIM1がデータ通信となる
auネットワークを2つ有効にしているところ。SIM1がデータ通信となる

 auネットワークの回線が絡むと同時利用が難しくなる理由は、au回線はごく一部の例外を除いて音声通話はVoLTEとなるため。従来のDSDS機ではau回線を有効にするとLTE回線を占有してしまい、もう片方は3Gしか使えない。もう片方はau以外の音声回線を使うしかなかったのだ。

 そのため、たとえばau回線とドコモ回線での2回線同時待受は以下のパターンに限られていた。

・(SIM1)au VoLTEの音声とデータ通信

・(SIM2)ドコモの3G音声

 VoLTEはその名称のとおり音声にもLTEを使うため、VoLTEの音声回線とデータ回線の両方を活かすには両方のLTEが同時に使えないといけない。

 ドコモ回線であれば、音声は3Gで利用できるため、片方のSIMで音声通話とLTEによるデータ通信、もう片方のSIMで3Gの音声回線というような2回線同時待受が可能だったのだ。

 それが、新登場のDSDV機、ZenFone 5では2つのLTEを同時に有効にできるため、以下のようなau系ネットワークの2つの電話番号を同時待受が可能になる。

・(SIM1)au VoLTEの音声とデータ通信

・(SIM2)au VoLTEの音声

 さらに、音声の2回線待受ということではなく、au回線をメインの音声とし、データは別で使うということも可能になる。

SIM1をauネットワークで音声通話、SIM2がドコモネットワークでデータ通信
SIM1をauネットワークで音声通話、SIM2がドコモネットワークでデータ通信

・(SIM1)au VoLTEの音声

・(SIM2)auのデータ通信

・(SIM1)au VoLTEの音声

・(SIM2)ドコモの(LTEでの)データ通信

 たとえばUQmobileなどでデータ量の小さいプランで契約しておき、足りなくなったらドコモネットワークの格安SIMでデータ通信部分を補い、低コストでデータ通信容量を増やすことが可能になる。

 UQmobileだけでない。auの「ピタットプラン」の契約にも有利だ。ピタットプランは容量を使うと割高になってしまうが、データ部分を格安SIMで補えばauとの契約を安いままで維持でき、その一方でたくさんのデータ通信が可能になる。

 国際ローミングをはじめ付随サービスの利用が便利など、さまざまな事情でauと直接契約した回線を維持しておかなければならない場合でも、データはMVNOの回線を使うことができる。

 また、auと契約した回線をSIMフリー機で使う場合、APN設定情報などが非公開のため、データ通信をするには月額500円の「LTE NET for DATA」を別途契約する必要がある。

 しかし、音声通話だけならこれは不要。むしろ、「LTE NET for DATA」を契約しないことでデータが流れないため、パケット代がかかってしまうことがない。

SIM1、SIM2ともVoLTEが有効で、どちらの番号に電話がかかってきても着信できる
SIM1、SIM2ともVoLTEが有効で、どちらの番号に電話がかかってきても着信できる

筆者もASUSの「ZenFone 5」を購入

ZenFone 5は濃いブルーの箱に入っている
ZenFone 5は濃いブルーの箱に入っている

 話題のDSDV対応のZenfone 5は筆者も購入した。筆者が使っている回線は意図しているわけではないが、ここ数ヵ月でなぜかauネットワークにシフトしてきており、auネットワークのSIMを2枚使えるZenFone 5は極めて実用的だからだ。

 Zenfone 5シリーズにはプロセッサーがより高性能な「Zenfone 5 Pro」もあるが、1万7000円ほど高価になり、発売日も6月下旬になるということで、今手に入る無印のZenfone 5にした。

 購入は大手カメラ量販店で価格は5万7013円。残念ながらポイントは1%還元と通常よりも少なかった。

 通常10%還元の他店舗を見回してみても1%に横並びだったことから、仕入れ条件がぎりぎりなのだと想像できる。なお、還元率が少ないため、溜まったポイントを無駄なく使う絶好の機会と言えよう。

 回線契約のないSIMフリー機だけに、購入はZenFone 5を受け取るだけですぐ済む。契約が伴わないスマートフォン購入の時間のかからないシンプルさは何度やっても気持ちがいい。

DSDVでau回線も同時待受が可能に

ZenFone 5はSIMを2枚まで装着可能。SIM2がmicroSDカードと排他的なのが残念
ZenFone 5はSIMを2枚まで装着可能。SIM2がmicroSDカードと排他的なのが残念

 まずはUQmobileのSIMを入れて音声通話やデータ通信の動作を確認した後、auと契約したSIMを挿入した。

 ピタットプランでスーパーカケホを設定した回線となる。すると設定などしなくても音声通話の発着信ができる状態になった。

 au契約の回線はAPN情報は非公開のため、そのままでは非公式なネット情報を頼りにする以外に設定の方法がないが、音声通話だけならAPN設定などまったくしないでも発着信が可能になったことになる。

auのウェブサイトで確認したピタットプランの料金明細。通話料は無料通話に収まっている
auのウェブサイトで確認したピタットプランの料金明細。通話料は無料通話に収まっている

 そして、気になるのがイレギュラーな接続をしたために生じる料金面の問題だ。筆者がテストしたのは5月だったが、6月6日に公開された5月分の請求情報を確認したところ、データ量は特に増えておらず、ZenFone 5にSIMを挿入して試した通話も含めて無料通話に収まっていた。

 次にauの4G LTEのフィーチャーフォン(ガラケー)の回線のSIMを挿入してみた。契約しているプランは「VKプランS」と「ダブル定額(ケータイ/V)」となるが、こちらも何の設定もせず、ただSIMを挿入しただけで音声通話の発着信が可能だった。

 こちら側のSIMもAPN情報を設定せず、データ通信もオフにしていたためパケット通信量がかかった形跡がない。

こちらはauのウェブサイトで見るフィーチャーフォン(ガラケー)のSIMのパケット通信量。パケットが多くなると料金が跳ね上がるが、ZenFone 5に挿入してこちらをデータオフしておけば漏れることはないようだ
こちらはauのウェブサイトで見るフィーチャーフォン(ガラケー)のSIMのパケット通信量。パケットが多くなると料金が跳ね上がるが、ZenFone 5に挿入してこちらをデータオフしておけば漏れることはないようだ

 通話もVKプランSの無料通話に収まっていたため、通話料もゼロ。フィーチャーフォンにはau宛の通話が1時~21時の間は無料の「VKプラン」も用意されているため、昼間にau携帯電話あてに電話をかけまくる人は音声通話のSIMと、格安なデータ通信のSIMという組み合わせもありだろう。

 そして、こちらのSIMも5月にテストをして6月6日公開の請求書情報ではデータ通信量が増えているわけでもなく、通話料についても無料通話に含まれるため請求は0円だった。

ノッチもデュアルカメラも備え
格安SIMをフル活用できるZenFone 5は買い!

デュアルレンズカメラも特徴的
デュアルレンズカメラなど、最近のスマホのトレンドは押さえている

 ZenFone 5の一般的な使い心地は他のレビュー記事などを見ていただくとしても、6.2インチで縦長でノッチのある画面を備え、デュアルレンズカメラ、6GBのメモリーなど昨今の流行は押さえている。

 操作した印象を一言で言えば不満なく快適。筆者はゲームはしないので、3Dを駆使したコンテンツの再生についてはわからないが、6GBと多めのRAM容量のおかげなのかウェブブラウザーをはじめ2D表示のアプリを使っている分では、動作が遅かったり、アプリの切り替えに時間がかかるということもなかった。

 格安SIMを使っている場合はもともとの速度があまり出ないこともあって、キャリアアグリゲーションの恩恵は受けられないかもしれないが、ドコモ契約やau契約のSIMを使えば速い速度を記録。測定アプリで100Mbpsオーバーの速度が出ることもあり、通信性能も十分。

 格安SIMを使いこなし、徹底的に楽しむためのスマートフォンとしては、ZenFone 5が現在の一押しだ。

 ひとつだけ不満があるとすれば価格。機能面では唯一無二の物を持っているもののプロセッサーがミドルレンジで6万円に近い価格は悩ましい。

 価格面で悩むなら、いっそのこと上位のZenFone 5Zが7万5000円程度で登場するので、少し待ってZenFone 5Zを買うという方法もあるだろう。

 ドコモネットワークもauネットワークも駆使できるZenFone 5。格安SIMをもっと楽しみたい人にいま、イチオシだ。

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