4000円台で買えるインドのケータイ「Jio Phone 2」はBlackBerryの再来だ!

文●山根康宏 編集●ASCII編集部

2018年07月15日 10時00分

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激安QWERTYキーボード端末、Jio Phone 2

 インドのキャリア、Reliance JioはQWERTYキーボードを搭載した「Jio Phone 2」を発表しました。8月15日からインドで販売される予定です。価格は2999ルピー(約4900円)と、5000円をぎりぎり切る価格で販売されます。このJio Phone 2、純粋なスマートフォンではありませんが、フィーチャーフォンでもありません。スマートフィーチャーフォンと呼ばれる新しいジャンルの製品。Googleサービスも動く端末として注目を集めています。

Jio Phone 2を発売するReliacne Jio

 Jio Phone 2のスペックはCPUが不明、メモリーは512MB、内蔵ストレージは4GBしかありません。リアカメラは200万画素、フロントカメラは30万画素と一桁数字を間違えたような性能です。ディスプレーもタッチには非対応で2.4型QVGAと一昔前のサイズ。しかしLTEに対応し通話はVoLTEも利用可能と、通信まわりは最新の機能を備えています。

 このスペックでAndroidを動かすのは無謀というもの。実はJio Phone 2はKaiOSを採用しています。KaiOSはFirefox OSから派生したといわれるOSで、フィーチャーフォンクラスのスペックでも十分動く準・スマートフォン的なOSです。最新バージョンではアプリストアに対応し、後からアプリを入れることも可能です。

Jio Phone 2が採用するKaiOS

 Kai OSといえば、ノキア(HMD Global)が今年2月のMWC 2018で発表した復刻モデル「Nokia 8110 4G」にも採用されています。またGoogleが6月末にKaiOSへ出資を行なっています。これによりKaiOS端末でGoogleの各種サービスが利用できるようになります。現時点でもNokia 8110 4GでGoogleマップやGoogle検索が利用できます。

KaiOSを採用するNokia 8110 4G

 Jio Phone 2も同様にGoogleの基本サービスが利用できるようです。そして8月15日からはTwitter、Facebook、WhatsAppなどもアプリストアからダウンロード可能になります。OSが軽いと言ってもスペックは低く、画面も狭いためスマートフォンと同じ体験はできないでしょうが、それでもひととおりのSNSを使うことができるので、サブ端末として十分活用できそうです。

 ただし、現状ではKaiOS上での日本語入力システムがありませんから、日本語の入力はできません。日本語の表示は問題ないため、ビューアーとしては使えます。とはいえJio Phone 2はQWERTYキーボードを搭載しているので、ローマ字入力方式の日本語入力アプリを開発するデベロッパーが現われるかもしれません。

主要SNSもアプリストアからインストール可能。日本語入力は今後に期待

 KaiOSを搭載する端末としては、ほぼ1年前に同じReliance Jioが「Jio Phone」を発売しています。Nokia 8110 4G同様のテンキー端末です。他にはアルカテルの折りたたみ型端末「Go Flip」などがあります。これらの端末と異なりJio Phone 2はQWERTYキーボードを搭載しているので、Wi-Fiやウェブサービスのパスワード入力がしやすそうです。

 スマートフォン時代にKaiOS搭載のスーパーフィーチャーフォンが脚光を浴びているのは、低価格スマートフォンよりも低コストで、キー操作だけで使える手軽さが現在フィーチャーフォンを使っているユーザーに受けているからです。今や低価格スマートフォンは1万円以下で買えますが、低スペックなスマートフォンは動作が緩慢で操作性もよくありません。ならばウェブサービスやSNSが使えるスーパーフィーチャーフォンのほうが使い勝手がいいわけです。

 Reliance Jioはインドの後発キャリアとして低料金、低価格端末で勢いを延ばしています。2018年第1四半期(1月~3月)の世界のフィーチャーフォンのシェアを見ると、Jio Phoneだけを擁するReliance Jioが15%でトップ。2位がNokia/HMD Globalの14%、3位ITEL13%とほぼ横並びで追いかけます。4位はサムスンの6%、5位がアフリカで爆発的人気のTecnoの6%、残りが46%となっています(カウンターポイント調査)。

フィーチャーフォンのトップ5。Jio Phone(初代)の売れ行きがダントツ

 これを端末単体で見るとJio Phoneが15%でダントツの1位。2位のNokia 105(2017)が7%なのでその倍以上も売れているのです。Jio Phoneの数字はインドだけですが、それだけインド市場が巨大なマーケットであるわけです。これは数年前にシャオミがほぼ中国だけの売り上げで世界シェア3位にまで入った時と似たような状況です(2014年第3四半期、IDC調査)。

 Jio Phoneの人気は本体価格が実質1500ルピー(2460円)と激安なことに加え、毎月153ルピー(約150円)のプランに入れば端末無料で通話とネットが使い放題という激安価格だからです。しかもKaiOSでウェブサービスが使えるとなれば、2Gの通話・SNS専用端末よりはるかに便利な製品です。Jio Phoneは売れるべくして売れているわけです。

本体も安く通信料も格安なJio Phone(初代)

 Jio Phone 2が登場すれば、SNSの写真投稿もより見やすくなりますし、QWERTYキーボードで文字もサクサク打てます。しかもこのスペック、たとえば2010年発売のBlackBerryの「BlackBerry Curve 9300」とほぼ同等(通信は3Gですが)。8年前の名機が、2018年に5000円でよみがえった、と考えることもできます。

BlackBerry Curve 9300とスペックは近い

 とりあえずはSNSのビューアー端末として使うと面白そうですね。インド以外でもぜひ発売してほしいもの。そしていつの日か日本語入力が可能になれば、その流れでNokia 8110 4Gでも日本語が打てるようになる、なんて夢を見てしまいます。楽しみですね。

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