主要格安SIMの料金表（今回は音声SIM）とともに、格安SIM、格安スマホ関連の1週間の動きをまとめてお届けしている本連載。先週はこれといったニュースがなかったので、ソフトバンク網を用いたLINEモバイルのSIMについてレポートする。

ソフトバンクのネットワークを用いるサービスを開始したLINEモバイル。早速申し込んだところ、ソフトバンクのロゴ入りSIMが送られてきた

音声SIMの新規契約で、6ヵ月、月900円割引がうれしい！
契約時はSIMを2種類から選ぶ必要があるので注意

　ソフトバンク傘下に入ったLINEモバイルが、ソフトバンク網を用いたサービスを開始した。料金はドコモ版と同じ。LINEモバイルと言えば、主要SNSでのデータ通信で通信量が消費されないカウントフリー（LINEモバイルはデータフリーと呼称）が目玉だが、秋からの対応予定……ということで、7月、8月はデータ通信量が2倍になる。

　注目はソフトバンク版開始を記念して始まったキャンペーンで、音声SIMを新規契約すると、最大6ヵ月、税抜月900円の割引が発生する（ドコモ版でもOK）。また、初期費用の税抜3000円については、Amazon.co.jpでエントリーパッケージを購入すれば節約できるほか、既存ユーザーの2回線目は無料、既存ユーザーから招待された場合も無料なのでうまく活用したい（ともに音声SIM時。前述のキャンペーンも対象）。

1GBのプランであれば、6ヵ月は税抜月300円で利用可能。当面は通信速度も快適と思われるのでオトク度は高い

　契約時に注意したいのは、利用する端末により、SIMを2種類から選ぶ必要がある点（通常版とiPhone専用版）。これはソフトバンクがiPhoneとAndroidでSIMを使い分けているのが理由だと考えられる。SIMフリー端末（SIMロックを解除したものを含む）であれば、どちらのSIMでも使えるが、問題はソフトバンクから購入したSIMロックがかかった端末の場合。

　iPhone 5s以降のソフトバンク版iPhoneでは、iPhone専用版を選ぶことでSIMロックがかかったままでも利用が可能だ。テザリングにも対応する。ただし、SIMロックが解除されていないソフトバンク版のiPad、Androidには非対応。

SIMフリースマホであればどちらでも利用が可能。SIMロックがかかった古いiPhoneで使うなら、iPhone専用を選ぶ必要がある

　一方通常のSIMは、昨年8月以降に発売されたソフトバンク端末であれば、SIMロックがかかったままのiPhone／iPad／Androidでも利用できる。逆にそれ以前の端末の場合は、iPhoneを含め、SIMロックを解除する必要がある

SIMフリースマホで利用する場合は、他の格安SIMと同様にAPN設定やプロファイルの追加で通信ができるようになる

　今回は通常版のSIMを契約したが、SIMロックがかかったままのソフトバンク版AQUOS R2で試したところ、APNを追加で設定することで、問題なく動作。iPhone専用版のSIMは試せていないが、基本的に同じ仕様だと思われる日本通信「b-mobile S」のiPhone専用SIMを前述のAQUOS R2に挿してみたところ「SIMエラー」と表示された。

左が今回契約した通常版（iPhone専用版ではない）SIMで、右がb-mobileのソフトバンク網を利用したiPhone専用SIM。見た目では判別できない

b-mobileのiPhone専用SIMを今夏モデルのソフトバンク版AQUOS R2（SIMロックは未解除）に挿したところSIMエラーの表示。LINEモバイルのiPhone専用SIMでも同様の現象になると考えられる

速度は現時点では快適そのもの
ドコモ版SIMとの差別化はできる？

　今回は、既存ユーザーの2回線目としての契約で本人確認の作業も不要だったせいか、日曜にウェブ上で申し込み、火曜の午前には受け取れるという素早さだった。今回メインで試したのはSIMフリースマホだったので、APNやユーザー名、パスワードなどを入力するだけで、あっさりと通信が開始した。ただし、音声通話はVoLTEではなく、3Gに自動的に切り替わった（テスト用端末はSB網のVoLTEにも対応したモトローラ「moto g6 plus」）。

実際に接続したところ。「SoftBank」というキャリア表示が見られた。右写真はドコモSIMとデュアルスタンバイをしている様子

　気になる速度は、12時台や18時台といった時間帯は15〜30Mbps前後、深夜の時間帯は60〜100Mbps前後。常に最高速というわけではないが、現時点ではユーザー数が少ないこともあってか、快適そのもの。ただ、LINEモバイルのサービスが始まった当初も、しばらくの期間は高速なことで定評があっただけに、このあたりは1年2年といった長いスパンで速度の変化を見ていく必要があるだろう。

空いている時間帯であればこのとおり。混雑時間帯では速度こそ落ちてしまうが、現状では問題なく快適

　ユーザーの少ないサービス開始直後は快適という、格安SIMの典型的な状況ではあるのだが、若干気になるのはドコモ版との差別化。いずれは通信速度は落ちてくると想像できるが、そうなった場合に古いソフトバンク版iPhoneのユーザー以外、あえてソフトバンク版を選ぶ価値があるのだろうか？

　それともドコモ版と比べて、ある程度高速な通信速度を維持していくことで違いを出すのか。ソフトバンク版ならではの独自機能を追加するのか。いずれにしても音声SIMの最低利用期間である1年間はこのSIMを利用する予定なので、今後の変化にも注目していく予定だ。

人気の音声通話付きSIMの料金表（税込）
（データ専用SIMは前回分をクリック）

^{※1：12〜13時、18〜19時は最大300kbps
※2：新規加入で最低利用期間2年間を選択時は、2年間月1080円引きとなる
※3：518円／1GBの追加チャージのみ、購入当月のみの利用で繰り越し不可(他は3ヵ月後の末日まで利用可能)。繰り越し可能な1GBのチャージは1188円
※4：26ヵ月目以降は通信量は半分になる}