Androidの父、Andy Rubin氏のEssentialの次期スマホ頓挫? 先行き不透明?

文●末岡洋子 編集● ASCII編集部

2018年08月01日 12時00分

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 Androidの父、Andy Rubin氏がGoogleを去った後に立ち上げたEssential Productsが暗礁に乗り上げていると言われている。2機種目のスマートフォン開発プロジェクトが打ち切りになったというもので、身売り説も流れている。

技適を取得しており、日本からも注文可能なEssential Phone

Google本社に残るRubin氏の影響

 7月、ひょんなことから米カリフォルニア州マウンテンビューにあるGoogle本社を訪問する機会に恵まれた。一般にGoogleplexと呼ばれるところで、周辺一帯を陣取り、さながら大学のキャンパスのよう。Googleカラー(青、赤、黄色、緑)の自転車で社員たちは移動する光景も新鮮だった。

 さて、Googleといえば社食。もっとも有名で規模も大きいのはCharlie’sだが、社食はいくつもある。その1つがCostaだ。残念ながらここで食べることはできなかったが、なんでもAndy Rubin氏が手がけた社食という。

 Googleのキャンパス内にはドロイド君のTシャツやフィギュアが売られているショップがあり、外に出れば歴代のAndroidのマスコットが並ぶスペースが広がる。写真を撮る人が絶えず、さながら観光スポットだ。Androidはご存知、Rubin氏のプロジェクト。Rubin氏は2014年にGoogleを去ったが、あらためて残した功績は大きいと実感する。

 だからこそ、というべきか。Rubin氏との仕事という点では難しいところもあったようだ。前もって立てていた予定を直前に変更することもあった聞く。

 Rubin氏はGoogleを辞めた後、インキュベーションのPlayground Globalを立ち上げた。ハードウェアを主に手がけるスタートアップの集まりで、その1つがEssential Products。Amazon、Tencentなどから約3億ドルの出資を受けたという。2017年にAndroidベースのスマートフォン「Essential Phone」を発売した会社だ。

 Essential Phoneは予定より数週間遅れて2017年秋に登場した。オンラインの直販(公式Webサイト、Amazonなど)が中心でキャリアはSprint。製品のポジショニング(技術に精通し、新しいものを求めるユーザー向け)や699ドルという価格を考えると、Sprintはちょっとマッチしない気がしたが、ともかくも発売にこぎつけた。

Essential Phoneの販売台数は振るわなかった?

 2018年2月のMWCでEssentialはひっそりとブースを構えた。スマートフォンメーカーの多くが端末を前面に出して展示する中、Essentialは受付を経由して中に入らないと何も見えない。そこもRubin氏の意図があってものだろうか。

 Essentialは当初から日本市場を重視しており、4月末にはカナダ、フランス、イギリスとともに日本の消費者も直接注文できるようになった。

 その1ヵ月後、Essentialが次期スマートフォン開発を打ち切る予定という報道が出た。最初に報じたBloombergによると(https://www.bloomberg.com/news/articles/2018-05-24/andy-rubin-s-phone-maker-essential-is-said-to-consider-sale)、そのかわりスマートホーム製品に取り組みを集中させているという。スマートホーム製品は2019年に発売を予定しているとのこと。Bloombergはさらに、Essentialはスマートフォン開発を中止しただけでなく、Credit Suisseがアドバイザーとなって売却先を探しているという情報も紹介している。記事によると、すでに1社以上が関心を示しているとのことだ。

 一方でRubin氏は、記事が出てすぐのツイートで、「複数の製品開発を同時に進めており、大ヒットが狙えると感じるものを優先させるために別のものをキャンセルすることもある。自分たちの将来、流れを変える製品に向けて全力で取り組みを進めている。これにはモバイル製品、ホーム製品が含まれる」と記した。ある意味、進行していた次期スマートフォン開発プロジェクトの打ち切りとも言えるだろう。

 BloombergによるとEssential Phoneの販売台数は699ドルの値札をつけていただ段階で2万台売れたとのこと。発売から2ヵ月後に早くも行なった値下げによって販売は上向き、5月末の段階で累計の販売台数は最低15万台と見積もっている。

Amazon Prime Dayで249ドルで投げ売り!?

 その後、The VergeはRubin氏の社内メモを報じている。それによると「会社のために何が最善かをわかっている人は、(現時点では自分も含め)誰もいない」「資金調達のために銀行と作業している」などと記されているという。

 The Vergeによると、ハードウェア、特許、今後のプロジェクトなどをひっくるめて売却先を探しており、実現すればエンジニアなどのリソースを他のプロジェクトに向けることを考えているとのこと。Essentialには、Rubin氏の古巣であるGoogle、それにAppleからもエンジニアが集まっている。一方で、マーケティングトップ、ハードウェアエンジニアリングのトップなど一部の幹部はやめている。

 7月16日のAmazon Prime Day(米国)でEssential Phoneは249ドルで発売された。これが、在庫売り切りと見えなくもなかったようで、相変わらず身売り説が流れている。

 なお米国のEssential Productsと日本の担当者にメールで次期スマートフォンの開発計画などについて問い合わせたが、現時点で回答は得られていない。


筆者紹介──末岡洋子


フリーランスライター。アットマーク・アイティの記者を経てフリーに。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている

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