松村太郎の「アップル時評」ニュース解説・戦略分析

アップル新iPhone衝撃価格のねらいは (1/5)

文●松村太郎 @taromatsumura

2018年09月18日 09時00分

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 アップルは9月12日、本社Apple Park内にあるSteve Jobs Theaterで「Gather round」スペシャルイベントを開催しました。iPhoneとApple Watchの2018年モデルが登場しましたが、iPhoneについては、おそらく会場にいた多くの人たちにとって、衝撃が走った瞬間がありました。

 それは価格です。

 多くの予測では、5.8インチのiPhone X後継モデルは999ドルから値下げされるだろうと考えられていましたが、値段は据え置かれ、大画面6.5インチモデルはさらに100ドル高い1099ドルから。最高価格となるiPhone XS Max 512GBは1449ドルという価格がつけられました。

 アップル製品で1449ドルと言えば、13インチMacBook ProのTouch Barなし256GBストレージモデル。ミドルクラスのノート型Macが買える値段です。ただしストレージをiPhoneと同じ512GBにすると200ドル高くなりますが。

 日本からは「日本だけがデフレで給料が上がっていないから高く感じる」との声も聞かれましたが、世界中のプレスが集まったSteve Jobs Theaterは、価格発表の際にピタッと静まりかえっていました。

 英語には値段に対する表現で「アフォーダブル」「アクセプタブル」という単語があります。フランクに訳せば、納得できる、許容できるといったところでしょうか。

 会場の反応を見ると「アンアクセプタブル」、すなわち許容できないと考えた人も多かったのではないでしょうか。米国の人だって「アクセプタブル」止まりであって、簡単に納得できる価格ではない、ということです。

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