拡大されたディスプレイとリッチな情報表示は、Apple Watchの活用を再発見させてくれる 筆者撮影
アップルが9月21日に発売するApple Watch Series 4の先行レビューをお届けします。Apple Watchは2014年9月のイベントで発表され、2015年4月に発売されました。それ以来スマートウォッチ市場でトップを独走し、ついには売上高で世界の腕時計全体でもトップとなっています。4作目にして初めてのモデルチェンジから見つかる再発見を、4つお伝えしたいと思います。
#1 箱のアイデアに込められた思い
本体の話の前に驚かされたのが、Apple Watch Series 4の箱です。筆者のレビュー機は44mmスペースグレイアルミニウムモデルでしたが、横長の箱の背面には、何やら見たこともないような丸い造型が見られました。
ビニールを破って丸い部分を見てみると、紙が引っかけてとめてあることが分かります。ほどいてみると、内側にはApple Watchやアイコニックなミラネーゼループなどのバンドのイラストが描かれ、開封する体験をわくわくさせる演出。
そして、箱が上下2段に分かれていることにも気づきます。上にはApple Watch本体と充電ケーブル類、下には付属するバンドがおさめられていました。上の箱からは、小さなファブリックに収められたApple Watch Series 4が登場します。
Apple Watchを傷つけないよう保護するプラスティックは、Apple Watchの画面を拭けるファブリックに替えられ、ただ捨てるだけのパッケージングを排除していました。さらにバンドと本体の箱を2段重ねにすることで、箱の内部構造を簡略化しつつパッケージングの手間も簡略化しています。
その上で、パッケージを開く楽しみを与えてくれているのです。
このパッケージングを見た際、Apple ParkのSteve Jobs Theaterで開かれたイベントのiPhoneのパートで、環境・政策・社会イニシアティブ担当バイスプレジデント、Lisa Jackson氏が登壇したことを思い出しました。
アップルは2018年、環境や気候変動の分野で数々のマイルストーンを経験しました。100%再生可能エネルギー化、二酸化炭素に変わって酸素を排出するアルミニウム製造手法への投資、新たなiPhone分解ロボットDaisy、そしてiOS 11と同じ対応デバイスを維持しさらに高速化まで実現したiOS 12……。
さらにiPhone XS・iPhone XRでは、メイン基板にリサイクルのスズを利用し、Apple GiveBackで回収したデバイスの再資源化を通じ、新しい資源ゼロで製品を作り出すクローズドループを目指すなど、年間2億台以上のiPhoneを製造・販売する企業としての責任を大きく果たすようになっています。
そうしたアップルが最も力を入れる製品の1つであるApple Watchの新モデルの箱から、アップルの現代へのメッセージを読み取れたような思いでした。