スマホ復活か 負債26億フリーテル創業者が翻訳機で再起 (1/3)

文●山崎潤一郎 編集●飯島恵里子/ASCII

2018年12月06日 16時59分

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人気の携帯翻訳機の市場に手強いライバルが現れた。多彩な翻訳機能に加えWi-Fiルーターとしても使えるので、海外旅行で重宝しそうだ

 12月5日、東銀座のビルのレンタルスペースで「KAZUNA eTalk 5」という名の携帯翻訳機の製品発表が行われた。記者席には空きが目立ち、決して盛況とは言い難い状況だったが、テレビ東京「ワールドビジネスサテライト」の取材カメラが入っており、小さな会社の製品発表以上の「何かがある」と感じさせるに十分な雰囲気が漂っていた。

フリーテルの民事再生申請から1年で再起を果たした増田 薫氏。携帯翻訳機で勝負する

 それもそのはず、今回の製品を送り出したのは、約1年前の12月4日に、負債総額約26億円で民事再生法適用を申請したプラスワン・マーケティング(POM)の代表 増田 薫氏だ。一般には、ブランド名のFREETEL(フリーテル)と紹介したほうが理解してもらえるであろう。

 有名芸能人を起用した派手な広告宣伝やMVNO事業者として、アグレッシブな設備投資を実施し話題をさらった企業の破綻だった。その直前には、楽天への通信事業売却が大きなニュースになっただけに、メディアや業界関係者の耳目を集める結果となった。

 そのような破綻劇から、1年という短い時間で再び表舞台に登場しただけに、一部には驚きの声も聞こえてくる。「この1年、POM時代に培った人間関係のつながりで、いろいろな人が助けてくれました」(増田氏)と話す。かつては、フリーテル端末を中国でODM生産していたわけだが、今回のKAZUNA eTalk 5も同様だ。「当時おつきあいがあった中国の仲間の応援があったからこそ今回の翻訳機が実現しました」(増田氏)という。

中国深セン市の工場に設置された、KAZUNA eTalk 5の製造ライン。基板の製造は機械化されているが、組み立てや検査工程は基本的に人海戦術。生産・品質管理の厳しさは驚くほど高レベル

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