MWC19に楽天のブースが登場 筆者撮影
2月25日からバルセロナで開催された「MWC Barcelona 2019」において、新たに登場したのが楽天のブースです。
10月に携帯キャリアサービスを開始する楽天は、将来的にはMVNOサービス「楽天モバイル」のユーザーも統合する予定です。その具体的な姿が徐々に明らかになってくる中で、新たなエンジニアが続々と集結する理由も分かってきました。
■「IT企業」が携帯キャリアに参入
楽天の三木谷浩史社長は、MWC19の基調講演後、同社が語った携帯キャリアの中身について「誰もが半信半疑で、本当に動くのかと思ったのではないか。携帯業界のアポロ計画だ」と語っています。
その背景には「IT企業が携帯キャリアに参入する」という、世界的にも珍しい取り組みがあります。日本を含む世界の大手キャリアはインターネットにも進出しており、IT企業としての側面はあるものの、その根幹は携帯会社といえます。
大きな転機になったのはスマホの普及です。独自仕様の端末や「iモード」のような独自ネットワークは廃れていき、LINEやYouTubeといったインターネットのサービスがモバイルでも使われるようになりました。
同様に、携帯キャリアのインフラにおいても、高価な専用機器がソフトウェアに置き換えられ、インテルCPUを搭載したPCサーバーで構成された仮想化環境で動くようになりつつあります。これはIT企業が得意としてきた技術です。
楽天はシスコなどの協力によって最新の手法を全面的に導入。携帯キャリアとしての機能をできる限りソフトウェア化するという挑戦に取り組んでいます。
三木谷社長はソフトバンクが2018年12月に起こした長時間の通信障害を引き合いに出し、「楽天では起こらない」と語っています。仮に問題が起きても、即座にソフトウェアでアップデートして解決できるというニュアンスのようです。
そのために楽天は都内某所に「クラウドイノベーションラボ」を設立。商用環境のミニチュアを作り、シスコやノキアの海外拠点と接続した自動テスト環境を構築しています。