車とスマホがつながるSDLの世界

未来の車とバイクを楽しく安全にするアイデアが集結 (1/3)

文●貝塚/ASCII.jp 編集●アスキー編集部

2019年03月29日 18時00分

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「クルマとスマホがつながる SDLアプリコンテスト」のグランプリに輝いたのは?

クルマとバイクの未来がちょっとだけ見える!?
新世代アプリのコンテスト

エンジニアとしても活躍中の池澤あやかさんが司会を務めた

 3月8日に開催された「クルマとスマホがつながる SDLアプリコンテスト」の最終審査会の様子をレポートする。

 SDLは「スマートデバイスリンク」の略。スマートフォンアプリを車載ディスプレー上で操作できるようにするなど、車・バイクとスマートフォンが連携したサービスを可能にする規格だ。

 今回の最終審査会は、一次審査を通過した10作品を対象としたもの。各作品の制作者によるプレゼンテーションの後、審査員による審査と、グランプリ作品および特別賞5作品の発表、講評が行われた。

インスタ映えするバイク写真を撮ってもらえる「Instaride」

 グランプリを受賞したのは、チームInstaride(インスタライド)によるアプリ「Instaride」。

グランプリには賞金50万円と、副賞としてヤマハの電動バイク「E-Vino」が贈られた

写真と走行情報をミックスした一枚がライダーに送られる仕組み

 「Instaride」は、バイクを運転している姿を、他人に撮ってもらうためのアプリだ。製作者は「バイクに乗っていると、自分で写真を撮ることは難しい」という点に着目し、開発に着手したと話す。

 バイク愛好家にとって、ウェアラブルカメラを使った撮影はポピュラーだが、走行中の自分を撮った写真は困難であり、憧れだ。Instarideは、このアプリを入れた撮影者側のスマートフォンに、同じくこのアプリを入れて撮影を希望している近隣走行中のライダーの位置が表示され、ベストな瞬間の撮影を可能にするというもの。ライダー側は、エンジンを止めると、撮影者に撮ってもらった写真を受け取れる仕様だ。

 速度や、撮影地点のGPS情報を埋め込む機能も設ける一方で、速度超過の運転を撮影した際は情報が表示できないようにするといった工夫を盛り込むことで、安全運転の促進にもつなげられるとした。

 チームInstarideには、グランプリの賞金50万円と、副賞としてヤマハの電動バイク「E-Vino」が贈呈された。

副賞はヤマハ「E-Vino」。一部の人には「なぜか富士山周辺のキャンプ場に出掛けたくなるスクーター」の電動バイク版としておなじみ

グランプリを獲得したSDLアプリ開発チーム
チームInstarideを直撃取材!

 最終審査会終了後の、軽食を交えた交流会でチームInstarideを直撃取材! 開発者のデザインエッグ株式会社 代表取締役CEO 佐田幸宏氏、株式会社ウィズテクノロジー 代表取締役 CEO 兼 デジタルハリウッド大学教授 杉本展将氏にお話を伺った。

 もともとは杉本氏がバイク乗りで、ツーリングに出掛けても風景の写真ばかり溜まっていくことに気づいたことから開発がスタートしたという。

 当初は「自撮り棒」をうまく使ったアイデアを探したが、途中から「人に撮ってもらう」という発想にシフト。現在のコンセプトでの開発が始まった。

 佐田氏は、「今後の展開は、SDLの発展や普及にも左右される部分がありますが、まずは実証実験で、コンセプトが活きた綺麗な写真を誰でも簡単に撮れるのか、試していきたいですね」と話した。

 賞金の50万円の使い道については「まだ決まっていません。でも、5人で開発しているので、まずは10万円ずつ頭割りかな」とのこと。

 なおチームInstarideでは、Instarideの開発や実証実験に協力してくれる企業を探しているとのこと。

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