NTTドコモ吉澤和弘社長が新料金プランを発表した 筆者撮影
4月15日、NTTドコモが新料金プラン「ギガホ」と「ギガライト」を発表しました。2018年10月に予告していた「2〜4割程度の値下げ」を実現したプランです。ドコモは「シンプルな2択・最大4割おトク」をうたうものの、ネットでの反応は「言うほどシンプルでもお得でもない」との声が多いようです。本当に4割も値下げされたのでしょうか。
■値下げと同時に「アップセル」を狙う
ドコモの新料金プランは、30GBの「ギガホ」と7GBまでの段階制「ギガライト」の2択になり、必要に応じて音声かけ放題のオプションを加える形になりました。選択肢が大きく絞り込まれたという意味では、たしかにシンプルです。
大容量と段階制という2プラン構成はauやソフトバンクに似ていますが、その中身は違います。auの段階制プランは20GB、ソフトバンクは50GBまで使えるのに対し、ドコモのギガライトは7GBまでと上限が低いのです。
ギガホでは上限の30GBを超えても最大1Mbpsで通信できる新たな特徴が加わりましたが、ギガライトでは7GBを超えても128Kbpsのままです。なるべく多くのユーザーをギガホに誘導する「アップセル」がドコモの狙いといえそうです。
一方、3回線以上で月額1000円引きとなる新たな家族割引「みんなドコモ割」では、各自がギガホかギガライトを選べるようになり、シェアパックよりも分かりやすくなりました。
ドコモでは家族3回線以上で使っているユーザーが7割を占めているとのことから、分かりやすい新料金プランにより、さらに家族を取り込みたいという意図がうかがえます。
ドコモはこうした仕掛けを新料金プランに盛り込むことで、2〜4割の値下げによって受けるダメージを最小化しつつ、逆にチャンスに変えようという姿勢がうかがえます。
ただし、ドコモの新料金プランは必ずしも「シンプルでおトク」とはいえないケースもあります。