「携帯違約金1000円」まさかの密室議論か

文●石川温

2019年06月10日 16時00分

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 6月7日土曜日、日経が「携帯違約金、上限1000円」と報じた。その後、一般紙やテレビも追随。週末の間に上限1000円が既成事実と化した。

 現在、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの大手3社は、2年間の期間拘束中に解約しようとした場合、解除料として9500円を徴収するのが習わしのようになっている。

 総務省としては、この9500円を1000円以下にすることで、ユーザーがキャリアをやめやすくして流動性を高め、結果として、キャリアに通信料金の値下げ合戦をさせようという魂胆のようだ。

 今年10月には楽天が「第4のキャリア」として参入する。楽天の参入までに上限1000円を実現し、大手3キャリアから乗り換えやすい環境をお膳立てようとしているのだろう。

 報道では「11日に有識者会議を行い、今夏をメドに答申をまとめ、秋までに省令を改正する」とあるため、11日に開かれる有識者会議に注目が集まっている。しかし、総務省のサイトには一向に有識者会議の案内告知がされない状態が続いている。

 通常、総務省でこの手の有識者会議を開く場合、一週間程度前に開催告知が掲載され、希望者は誰でも会議の様子を傍聴できるようになっている。では、なぜ告知が出ないのか。

●不透明性に反発の声が上がりそうだ

 ある関係者は「どうやら、今回は非公開で行なわれるようだ」とささやいた。

 スマホ業界がひっくり返るような「違約金上限1000円」が、まさかの密室で議論されようとしているのだ。

 別の関係者は「どうやら、上限1000円は決定事実ではないらしい。11日の有識者会議で、具体的な金額を議論していくようだ」という。

 ただ、関係者は「1000円という具体的な数字が報道されてしまった以上、それよりも高い金額に落ち着くのは難しい。1000円に決まってしまったようなものではないか」と指摘する。

 前回、5月30日に開かれた有識者会議においても1000円という具体的な数字は出ていない。また端末割引に関しても、前回の有識者会議ではNTTドコモから「3万円程度」という金額が出ていたにもかかわらず、リーク報道ではなぜか「端末割引は2万円まで」となっている。

 総務省はあらかじめ自分たちが誘導したい方向にリーク報道をさせて既成事実化し、議論を円滑に進めようとしている可能性が高い。しかし、透明性を欠く議論で一方的に法令を改正するやり方には、キャリアから強い反発が上がりそうだ。


筆者紹介――石川 温(いしかわ つつむ)

 スマホ/ケータイジャーナリスト。「日経TRENDY」の編集記者を経て、2003年にジャーナリストとして独立。ケータイ業界の動向を報じる記事を雑誌、ウェブなどに発表。『仕事の能率を上げる最強最速のスマホ&パソコン活用術』(朝日新聞)など、著書多数。

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