あのパンテックのスマホが復活! 「SKY」ブランドの端末が3機種登場

文●山根康宏 編集●ASCII編集部

2019年07月24日 10時00分

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久しぶりに登場するSKYブランドのスマホ

パンテックが華麗に復活!? 日本にも来るか?

 みなさんはパンテックの名前を憶えていますか? 日本でもauからいくつかのスマートフォンが発売されましたが、いつの間にか市場から消え去っていきました。しかし、2019年になってようやく復活しようとしています。

 パンテックは複数の企業を合併して成長しました。2005年にSKテレテック社を吸収。このSKテレテックは韓国の通信キャリア、SKテレコムと日本の京セラの合弁会社で、SKテレコム向けに「SKY」のブランドでCDMA携帯電話を供給していました。パンテックに吸収されたのちも、韓国国内ではこの「SKY」のブランドで端末が販売されていたのです。

 パンテックは2014年、実質破産。2016年に「SKY IM-100」という音楽機能に特化したスマートフォンで復活を図りましたが、うまくいきませんでした。この端末のブランドがSKYだったことからわかるように、韓国ではSKYの名前はよく知られた存在でもあるのです。そして、このスマートフォンを出した後、パンテックはIoT部門を分離するなどして延命を図りましたが、結局他の企業に買収されてしまいました。

充電台も兼ねたスピーカーを備えたSKY IM-100。パンテック復活はならなかった

 それから3年経った2019年7月、SKYブランドのスマートフォンが復活することになりました。すでにパンテックに存在していた技術者たちは会社を去りましたが、今の時代、中国には多数のOEM/ODMメーカーが存在します。新たに登場するSKYのスマートフォンも中国企業に製造を任せることで、低コスト化を図って韓国市場に再登場する予定です。

SKYのスマホが出展されていた展示会を取材

 7月11~13日まで韓国・ソウルで開催されたIoT製品の展示会「KITAS2019」の会場には、SKYの大々的なブースが展開されていました。おもな展示はスマートフォンやPC向けの周辺機器で、SKYブランドの製品は端末だけにとどまらず、多種多様なものが出てくるようです。来場客の多くも「あのSKYなのか」と、誰もがSKYの名前を知っている様子。ブランド認知度という点では無名なメーカーよりアドバンテージを持っています。

 展示されていた端末はスマートフォン2機種とタブレット1機種。いずれも韓国向けに販売する予定のものですが、ブースのスタッフに聞くとスペックはまだ非公開とのこと。ただし発売時期はほぼ決まっており、現在生産を進めているとのことです。

展示されていたスマートフォン。ショーケース内の展示

 スマートフォンは約5型のディスプレーを搭載し、水滴型ノッチを採用。アスペクト比は18.5:9前後と思われます。本体サイズは厚みがややある感じで、コストを抑えた設計にしているという感じ。発売時期は10月を予定しているとのこと。

厚さは9mm程度だろうか。ミッドレンジモデルで登場予定

 背面仕上げはグラデーションをかけた、最近の中国端末に多いデザイン。女性客が「きれい」という感想を多く残していましたが、韓国市場には日本ほど中国メーカーは入っておらず、この仕上げの製品は珍しいのでしょう。なお、このスマートフォンの販路は未定とのこと。大手キャリアのSKテレコムから出てくるかもしれませんが、もしかするとSIMフリーで単独販売となるかもしれません。

グラデーションをかけた背面仕上げ。中華端末で流行の色合いだ

フィーチャーフォンもまだまだ需要あり

 折りたたみ型の携帯電話スタイルの端末は8月に発売予定。通信方式は3Gのみで、おもに音声通話利用者向け。Andoroidをベースにしたガラホだと思ったのですが、キー配列を見るとどうやら普通の携帯電話のようにも見えます。背面が見えないのでカメラの搭載は不明です。

3Gのみに対応した携帯電話

 日本ではLINEが事実上の標準的なコミュニケーションツールになっているように、韓国ではカカオトークを誰もが使います。これまで出てきたガラホタイプの端末には、そのカカオトークを一発で呼び出せるボタンが搭載されていました。しかし、このSKYの携帯電話にはそのボタンもありません。Androidベースならカカオを搭載するはずですから、この端末はガラホではなくフィーチャーフォンなのでしょう。

あくまでも低価格な3Gフィーチャーフォンとして販売されるようだ

 充電端子はmicroUSBのようです。おそらく韓国のMVNO向けに通話オンリーを求めるユーザーが買いやすいように、かなりの低価格で登場するのでしょう。韓国のMVNOは毎月100円程度で使えるプランもあるため、1日に通話数回程度すればよい、という年配者などにまだまだこの手の端末は売れるようです。

microUSB端子搭載。レガシーなガラケーとして販売予定

SKYブランド復活で韓国携帯市場も活性化

 そして、もう1機種展示されていたのがタブレット。こちらは情報はまったく出せないとのことで、LTEの搭載の可否や販売時期も不明です。タブレットはiPadとサムスン電子の製品に加え、韓国ではLGも低価格品を出して人気になっています。SKYのタブレットがどのようなマーケットに投入されるのか気になるところ。

SKYブランドのタブレットも登場予定

 韓国のスマートフォン市場はサムスン、アップル、LGの3社で事実上独占されており、ファーウェイが参入するもシェアはわずか。他にマイナーメーカーから低価格品がいくつか出ている程度。日本と異なりサムスンもLGも多種多様な製品を次々と出してはいますが、やはりメーカー数が増えたほうが競争も進み市場も活性化します。

 SKYが新たな勢力として復活するためには、この3製品が売れなくてはなりません。韓国でどのように受け入れられるのか、気になるところです。

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