ソフトバンク、フジロックで国内初の5Gプレサービスを実施

文●スピーディー末岡/ASCII編集部

2019年07月27日 15時00分

今回はフジロックの期間のみだが
国内最速で5G体験ができる!

 28日まで新潟県苗場スキー場で開催中の日本最大の音楽フェス「FUJI ROCK FESTIVAL '19」で、ソフトバンクが5Gのテストを兼ねた国内初の一般ユーザー向けプレサービスを実施した。

 入場してすぐの広場にあるソフトバンクブースではVRの「Oculus Quest」が複数台用意されており、ライブ映像を楽しめるのだが、六本木のテレビ朝日で開催されているイベント「テレビ朝日・六本木ヒルズ 夏祭り SUMMER STATION」でも同じ映像を見ることができ、さらに自分やほかの人もアバターとなって同じ空間にいるため、六本木と苗場にいながらにして同じライブを体験できるようになっている。なお、テレビ朝日側に5G回線は使われていない。

ソフトバンクブース

ユーザーが体験できる「Oculus Quest」

実験端末のスマートフォン

しっかり5Gの表記が

5Gのモジュールを装着しているので、ちょっと大型化している

 ソフトバンクはフジロックのために5Gの移動基地局を3台設置。4G回線をベースとした5G回線で3.7GHz帯を使用している。この5G回線を使って会場内に設置された8台のカメラの映像をリアルタイムに送信し、ソフトバンクブースでまとめて見られるようになっている。ただ、映像をチェックしないといけないため、実際はリアルタイムではなく、わざと数秒間ディレイするようにしているとのこと。

5Gの移動基地局。上が4Gのアンテナで下が5G

なぜ5Gのアンテナがこの位置なのかというと、ソフトバンクのテントがあるエリアまで何も遮るものがなく電波を飛ばせる位置だからとのこと

これが会場に設置されたカメラ。今回は音を飛ばしていないが、当然ながら音と映像は同時に送受信できる

 映像はソフトバンクが提供するフジロックアプリでも見られるのだが、アプリへの送信は5G回線で、映像を一般ユーザーがダウンロードするのは4G回線となる。当たり前だが、5G対応のスマホはおそらく誰も持っていないからだ。

ソフトバンクブースにあるモニター。会場内のカメラの映像をすべて同時にチェックできる

リアルタイムの混雑状況をチェックできるので、ライブ以外にも活用できそうだ

ソフトバンクブースで各エリアの混雑状況を見てから、どのルートでライブを回るか、なんて計画も立てられる

VRの体験コーナーは行列ができるほど注目されていた

 5G通信用としてソフトバンクが使っていたのはソニーモバイルとシャープのスマホに特殊な装置を取り付けたもの。実際の通信速度は明言されなかったが、担当者によれば「当然4Gよりは速度が出ています。われわれが想定していたとおりの速度です」とのこと。

 実証実験とプレサービスの場に、なぜフジロックを選んだのかを担当者に聞いたところ「日本最大級のフェスで一ヵ所に何万人もの人が集まるからです。実験環境としてはこれほど厳しいことはありません。山や木々の影響で、電波の直進性も試されます。そして参加者の年齢も幅広いので、5Gを体験してもらうにはこの上ないイベントですね」とのこと。そして「高速大容量、低遅延、多数接続という5Gのメリットをイベント主催者側にも知ってもらい、今後いろんなイベントで導入してもらえたら」とBtoBへの展開も語った。

5Gで何ができるのかピンときてない人は多いと思うが、少なくともこの体験をした人たちは5Gに対する理解が進んだのではなかろうか

 ソフトバンクは2020年の春を目標に5Gサービスの開始を進めており、今後このようなサービスをフジロック以降も提供するかもしれないとのことなので、いち早く5Gを体験したい人はソフトバンクの動向をチェックしておこう!

今後、いろんなイベントで5Gが体験できるかも!


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