ドコモ「HUAWEI P30 Pro」発売危ぶまれる

文●山口健太

2019年08月13日 09時00分

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 8月に入り、発売が見送られていたファーウェイの最新ミッドレンジスマホ「HUAWEI P30 lite」が続々と登場しています。ベストセラーの後継機として、待っていた人も多いのではないでしょうか。

 その一方で、NTTドコモが今夏発売予定の「HUAWEI P30 Pro」はNTT持株会社の意向もあり、発売が危ぶまれています。

■ファーウェイ端末の販売開始にNTTは否定的

 ファーウェイ・ジャパンが5月に発表した「HUAWEI P30」シリーズについて、8月5日には楽天モバイル、8月8日にはKDDIとソフトバンク(Y!mobile)、8月9日にはmineoとLINEモバイルが販売を開始しました。

au版のHUAWEI P30 lite Premium

 一方、8月6日に開かれたNTT持株会社の決算説明会では、こうした動きについて澤田純社長が「お客様に迷惑をかける可能性が高いのではないか。同業者として、おかしな取り組みだと感じている」と否定的に発言したことが報じられました。

ドコモの夏モデル発表会で登場した「HUAWEI P30 Pro HW-02L」。今夏発売予定となっていた

 あくまで実際に商品を取り扱うNTTドコモではなく、グループの持株会社であるNTTのコメントではあるものの、ドコモによるファーウェイ製品の発売は困難な状況になったとの見方が出ています。

 NTTの発言自体も、ある意味では的を射たところがあります。

 一般に、キャリアモデルのスマホはメーカーから仕入れた端末をキャリアの製品として販売します。何か問題があれば責任を取るのはキャリアである以上、慎重になるのは当たり前です。

 米中関係に目を向けると、貿易摩擦はまだまだ続いており、ファーウェイへの制裁も完全に解除されたとはいえません。KDDIやソフトバンクは安全性を確認できたとしているものの、ドコモは難しい判断を迫られることになるでしょう。

■ファーウェイにとっては痛手に、SIMフリーはあるか?

 一方でファーウェイにとっても日本でフラグシップモデルを発売できないことは、大きな痛手になります。

 ファーウェイのスマホで最も台数が出ているのは中〜低価格帯の製品とみられ、特に「HUAWEI P30 lite」のようなHUAWEI P liteシリーズは、新モデルを出せばベストセラーになるのはほぼ確実でした。

 今回、KDDIやソフトバンク(Y!mobile)など複数のキャリアが発売に踏み切ったことで、夏のボーナス商戦はやや逃したものの、日本市場での存在感を取り戻すことが期待できます。

 しかしこうした人気を支えているのは、ブランドイメージを牽引するフラグシップモデルです。

 たとえばHUAWEI P30 Proは「月が撮れる」望遠カメラをアピールしています。こうした新機能や新技術を徐々に安価なモデルにも展開することで、製品ラインアップ全体の魅力を引き上げてきたわけです。

HUAWEI P30 Proの50倍デジタルズームを活かして「月」を撮れる

 ただ、日本でHUAWEI P30 Proを販売するのはドコモだけです。

 ファーウェイ・ジャパンによれば、現時点で他のキャリアやSIMフリーでHUAWEI P30 Proを発売する予定はないとのことから、ドコモが発売を見送ると、日本でHUAWEI P30 Proは出ないことになります。

ドコモ以外からHUAWEI P30 Proを発売する予定はいまのところ無いという

 すでにOPPOは、ハイブリッド10倍ズームを搭載した「Reno 10x Zoom」を国内で販売しています。このままHUAWEI P30 Proが出なければ、スマホで望遠撮影に興味を持った人はOPPOを手に取ることになるでしょう。

ハイブリッド10倍ズームを搭載したOPPOの「Reno 10x Zoom」

 日本版のHUAWEI P30 Proは、カメラ以外にも画面の指紋認証、ワイヤレス充電、おサイフケータイ、IPX8/IP6Xの防水防塵など「全部入り」のスマホとしても機能が充実しています。さらにドコモによる戦略的な値付けで割安に買えるはずだっただけに、なんとか発売を期待したいところです。

日本版HUAWEI P30 Proはおサイフケータイにも対応した最新全部入りスマホとして期待されていた

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