トリニティ「weara」は身につけたくなるウェアラブルか

文●山口健太

2019年10月08日 09時00分

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 SimplismやNuAnsブランドのアクセサリー製品で知られるトリニティが、リストバンド型のウェアラブルデバイス「weara(ウェアラ)」を発表しました。

 特徴として、「運動」や「睡眠」データの測定と活用にフォーカスしています。リストバンド型デバイスはたくさんある中で、wearaは「身に着けたくなる」仕掛けに注目です。

■スペックや機能、価格のバランスには不満

 wearaは、腕時計のように片腕に装着することで運動や睡眠のデータを収集できるウェアラブルデバイスです。専用のスマホアプリと連携することで、健康増進に役立てることができます。

就寝中も身に着けておくことで睡眠データを取れる

 本体はセンサーなどを搭載した「コア」とバンドが分離可能になっており、さまざまな素材のバンドや、18mm幅の市販の腕時計バンドを着けるオプションなど、身に着けるデバイスとしてデザインにこだわっているのが特徴です。

 デザインに優れる「Apple Watch」はほぼ毎日の充電が必要ですが、wearaは30日間動作し、充電は1ヵ月に1度で済むとのこと。その代わり「画面」は搭載しておらず、5つのLEDによる通知機能のみ。普通の腕時計やスマートウォッチとの併用を想定しているそうです。

腕時計とwearaを両方装着した様子

 こうしたリストバンド型デバイスはすでに多数存在しています。たとえば「HUAWEI Band」シリーズを展開するファーウェイは、センサーによる運動や睡眠の分析を世界規模で進めています。wearaも国内の専門家や大学と連携するとはいうものの、グローバル製品にどれくらい迫れるかは未知数です。

 wearaの価格はエラストマー素材のバンドを同梱して1万7800円(税込)と、リストバンドとしては価格帯もやや高めで、発表会に参加した記者からは不満の声が出ていました。ただ、「身に着けたくなるかどうか」という視点で見ると、また違った側面が見えてきます。

■身に着けたくなる理由を与える「文脈」の重要性

 ウェアラブルデバイスが世にあふれている中で、毎日使っている人がどれだけいるでしょうか。現代の必須アイテムといえるスマホとは違い、ウェアラブルには興味がないとか、買ったことはあるが使わなくなったという人も多いはずです。

 どんなに優れたスペックや機能のあるウェアラブル製品でも、身に着けなければ何の役にも立ちません。ライバルは他社製品ではなく「すっぴん」であるとすれば、「身に着けたくなる」ような何かが必要になってきます。

 wearaのアプローチは、「世界的に過体重や肥満に悩む人が増えており、生活習慣病が医療費を引き上げている」といった社会課題を示した上で、「ウェアラブルで世界を救う」という世界観を提示。その上で細かい性能や機能よりも「デザイン」を前面に打ち出してきました。

wearaで「世界を救う」と語る、トリニティ代表取締役の星川哲視氏
世界で22億人が過体重、7億人が肥満に悩んでいるという

 wearaは10月1日から予約を受け付け、2020年1月に発売するとしています。多くの人はスペックや機能、コスパに優れる製品を求める中で、デザインや世界観に共感する人は必ず出てきます。クラウドファンディングのように需要を確認した上で生産していくのは、手堅いやり方といえるでしょう。

やたらとパッケージにこだわっているのもトリニティらしい

 今後気になるのは、wearaを支えるクラウドサービスが何年くらい続くのかという点です。トリニティはデバイスの販売だけでなく、サブスクリプション型の追加機能も検討しているようなので、ビジネスモデルの面でもウェアラブル市場を救うアイデアに期待です。

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