ソフトバンク、平成19年3月期の決算説明会を開催

文●編集部 飯塚岳史

2007年05月08日 23時18分

ソフトバンク(株)は8日、都内・日比谷の帝国ホテルに報道関係者・経済アナリストなどを集め、平成19年3月期の決算説明会を開催した。年度ベースでは連結売上高が前年比1兆4355億円増となる2兆5442億円となったほか、連結営業利益も前年比2087億円増の2710億円で創業以来最大の業績となっている。

説明会には同社代表取締役社長の孫 正義氏らが出席し、今年度3月期ならびに年度ベースによる決算説明を行なった。

孫正義氏

代表取締役社長の孫 正義氏

ボーダフォン買収は成功だったのか?”“YES!”という1文から始まった今回の決算説明会。孫氏が「今度のソフトバンクにとって非常に大きな転機だった」と語るとおり、ソフトバンクモバイル(株)の業績が好調なことが目立った説明会だった。

ソフトバンクモバイルが好調なことは数字に表われており、ボーダフォン時代の2005年度の営業利益が763億円だったのに対して、2006年度には1346億円と営業利益が1.8倍になったほか、年間純増数は2005年度の約4倍の85万契約に増加している。

年度ベースでの各業績は以下の通り。

売上高
2兆5442億円(前年比1億4355億円増)
EBITDA
5254億円(前年比3755億円増)
営業利益
2710億円(前年比2087億円)
経常利益
1534億円(前年比1259億円)
税金等調整前当期純利益
2085億円(前年比790億円増)
当期純利益
288億円(前年比287億円減)

孫氏はボーダフォン買収による携帯電話事業への参入について「いつか必ず携帯に参入すると言っていたが、初めからやると5~6年は赤字続きだっただろう。その際、Yahoo!BBで味わったような苦しみをまた味わうことになっていた」と述べ、買収によるメリットを強調していた。

純増数

ボーダフォン買収後の年間純増契約数は、2005年度の22万契約と比べて、85万契約と約4倍に増加している

事業展開

現段階ではまだ事業の建て直しを図る初動期。10年後を見据えた長期戦となる

そのほか、CMなどへの広告出稿量の増加や、2006年10月~12月において企業CM好感度 総合No.1(CMデータバンク/CM総合研究所調べ)になったことについて、「あくまで仮説だが、こういった消費者からの好感度が先にきて、その後端末が売れていくのではないか」と述べ、「このデータは何かを物語っている。何かの前兆ではないかと私は勝手に思っている」と今後についての強い期待ものぞかせた。

また、グループ全体としては、現在の収益源は携帯電話事業、“Yahoo!BB”によるインターネットサービスプロバイダー(ISP)事業、“SoftBank Telecom”による固定電話事業など、インフラ事業に集中しているが、将来はポータルサイト“Yahoo! Japan”(ヤフージャパン)やソフトウェア流通サイト“Vector”(ベクター)、プロ野球チーム“SoftBank Hawks”(ソフトバンクホークス)など、同社が抱える多様なコンテンツ群と連携していく収益性へとシフトしていくとしている。

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