松村太郎の「アップル時評」ニュース解説・戦略分析

アップル ティム・クックCEO来日の真意は (4/4)

文●松村太郎 @taromatsumura 編集● ASCII

2019年12月12日 16時00分

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●工場視察で見せた「違った側面」

 クック氏の来日に3日間同行しましたが、基本的には人との交流が続いていた印象でした。以前出会った人と再会する、エンジニアを激励する、優れた才能を持つアーティストに敬意を表するなど、アップルのビジネスに関わる人との時間を多くとっていました。

 一方、違った表情を見せたのが、iPhone 11 Proのインクと印刷を提供するセイコーアドバンス訪問時でした。ミッドナイトグリーンの塗料を攪拌している様子を、自分のiPhone 11 Proと見比べていたり、工場視察を念入りに行い、またショールームでは完成品のサンプルとカラーサンプルをじっと黙って見つめ、その眼光の鋭さに愕きました。

鋭い眼光を見せたクック氏

 クック氏はCEOになってからすでに9年が経ちますが、それ以前はCOOとして、調達やサプライチェーンの最適化を通じて、製造業としてのアップルのビジネスモデルそのものを変革し、会社を立て直したその人でした。

 そんな一面が見られたことは、貴重だったかもしれません。


筆者紹介――松村太郎

  1980年生まれ。ジャーナリスト・著者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。またビジネス・ブレークスルー大学で教鞭を執る。モバイル・ソーシャルのテクノロジーとライフスタイルについて取材活動をする傍ら、キャスタリア株式会社で、「ソーシャルラーニング」のプラットフォーム開発を行なっている。

公式ブログ TAROSITE.NET
Twitterアカウント @taromatsumura

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