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Google Nest Hub Max 実機レビュー = グーグルが考える家庭端末の最新形とは!?

文●写真 ジャイアン鈴木 + 編集● ASCII PowerReview軍団

2019年12月20日 13時00分

 Google Nest Hub Maxの売りのひとつが、127度広角仕様の6.5メガピクセルカメラを搭載していること。詳しくは後述するが、このカメラによって画面に触らずに操作する「クイックジェスチャー」、人の顔を認証してパーソナライズされた情報を表示する「Face Match」機能が利用可能となっている。

 ディスプレー上部にはこのほかに高感度マイクと環境光を検知する「アンビエントEQ光センサー」が内蔵されている。

 ボタン、スイッチ、端子類は最小限。本体背面にカメラ・マイクスイッチ、ボリュームボタン、電源端子のみが配置されている。ほかのオーディオ機器などを接続するための端子は用意されていない。

 スマホなどからはキャストすることで音楽を再生可能だが、せめてCDプレーヤーなどを接続するための3.5mmイヤフォンジャックぐらいはほしいところだ。

パッケージには、Google Nest Hub Max本体、電源アダプター、クイックスタートガイド、プライバシーに関する案内、安全と保証に関するパンフレットなどが同梱されている

本体前面。ディスプレーは10インチHD(1280×800ドット)のタッチスクリーン式。画面上部に、127度広角仕様の6.5メガピクセルカメラ、高感度マイク、アンビエントEQ光センサーが内蔵されている

本体背面。上部にカメラ・マイクスイッチ、左側にボリュームボタン、下部に電源端子が配置されている

本体右側面と左側面。ちなみにCharcoalは、ディスプレーの側面からうしろが「Charcoal(木炭)」カラーとなっている

本体底面。滑りにくいように底面全体にゴムが貼られている

電源アダプター。仕様は入力100-240V~1A、出力24V 1.25A。ケーブルの長さは1.5mだ

セットアップは容易
注意事項の要約は読もう

 本製品のセットアップにはAndroidまたはiOS端末が必須だ。設定作業自体はスマホアプリ「Google Home」をインストールしていれば、基本的には画面の指示に従うだけでOK。GoogleアカウントやWi-FiのID、パスワードもスマホの設定が流用されるので、「次へ」、「続行」、「登録」、「同意」など押していけばセットアップは完了する。

 すべての注意事項で「詳細」をクリックして、その全文を読むのは現実的ではないが、Google Nest Hub Maxのことを理解して、安心して使うためにも、「カメラセンサー機能」と「Face Match」については要約文だけでも読むことをお勧めする。

本製品を起動すると、まずスマホへの「Google Home」アプリのインストールと起動が求められる。あとの設定作業は基本的にスマホ側で行なう

すべての注意事項の詳細を読んでいたらセットアップに半日かかりかねない。せめて「カメラセンサー機能」と「Face Match」の要約文だけでも読んでおこう

けっきょく
Google Nest Hub Maxはなにができるのか?

 それでは本製品ならではの独自機能を試していこう。まず「○○を再生して」というコマンドでコンテンツを再生することは、下位モデルの「Google Nest Hub」でも可能。ユニークなのがカメラを使った「クイックジェスチャー」機能だ。

 ディスプレーに向かって手のひらをかざせば、再生、停止を切り替えられる。早送り、早戻しなどのジェスチャーは残念ながら搭載されていないが、料理のレシピ動画を見ながら汚れた手で再生、停止を操作できるのは便利そうだ。

「○○を再生して」というコマンドでまずはコンテンツを再生

ディスプレーに手をかざせば、コンテンツを再生、停止できる。筆者が試したかぎりでは3m弱ぐらいの距離でもクイックジェスチャーが可能だった。なおジェスチャーは、タイマー、音楽、動画などで利用できる

 Google Nest Hub Maxは「Google Duo」を使ってビデオ通話を楽しめる。ひと味違うのは、127度広角仕様の6.5メガピクセルカメラには「オートフレーミング」機能が採用されており、ユーザーが移動しても画面の中央になるようにアングルを自動調整してくれること。カメラ自体が動くわけではないので極端に移動すればフレームからはずれてしまうが、部屋を歩き回りながらビデオ通話できるのは専属カメラマンを雇っている気分だ。

一般的なビデオ通話と同様に、相手の映像が大きく、自分の映像がピクチャーインピクチャーで小さく表示される

大きく動いたので筆者が中心からはずれているが、部屋の背景を見ればフレームが大きく変わっていることが確認できる

 さらに本製品は見守りカメラとしても利用可能。「Google Home」アプリから端末を選び、「カメラを表示」をタップするだけで、カメラがオンになっていれば部屋の様子などを確認できる。共有スペースで利用する際にはプライバシーへの配慮が必要だが、カメラ・マイクスイッチをオフにすればカメラとマイクが物理的に遮断される。このスイッチの使い方さえ共有しておけば、利便性のみを享受できるはずだ。

カメラがオンになっていれば、スマホの「Google Home」アプリから部屋の様子を確認できる

背面のカメラ・マイクスイッチをオフにすれば、カメラとマイクが物理的に遮断される。なおカメラ横のステータスランプは、カメラがオンになっていると緑色に点灯、カメラの映像がモニタリングされていると緑色に点滅、カメラがソフトウェア的にオフになっていると消灯、カメラとマイクが物理的にオフになっているとオレンジ色に点灯する

 最後にご紹介したいのが「Face Match」機能。ユーザーの顔認証モデルを登録しておけば、朝起きたときにカメラの前に立つだけでユーザーにパーソナライズされたGoogleカレンダーの予定、交通情報、天気などが表示される。もちろん複数ユーザーに対応しているので、皆が集うリビングに置いておけば便利に共有できる。

カメラがユーザーの顔を認識すると、Googleアカウントのアイコンが画面に表示される

カメラ搭載による利便性と
遮断するセキュリティー性を両立

 スマートディスプレーでビデオ通話する人は少数派かもしれない。しかしそのような方にとっても、カメラを利用したクイックジェスチャーやFace Matchなどの独自機能は魅力的なはず。プライバシー意識の高い方でも、物理的にカメラとマイクをオフにできるGoogle Nest Hub Maxは安心感が高い。Googleサービスに密着したスマートディスプレーの最上位モデルとして、Google Nest Hub Maxは魅力的な存在だ。

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