デザインという点でSurface Book 3は従来モデルを継承している。タブレット部とキーボード部は分離可能で、タブレット部単体でも利用でき、またタブレット部の向きを変えて装着すればスタンドモード、テントモード、タブレットモードとさまざまなスタイルで活用できる。
注意点としては、キーボード部にディスクリートGPUとセカンドバッテリーが内蔵されていること。タブレット部だけのスリムなスタイルでも利用可能だが、ディスクリートGPUのアクセラレーションを必要とする3Dゲームやクリエイティブ系アプリは、合体状態でなければ最大限のパフォーマンスを発揮できない。
というわけで基本的にはノートブックスタイルで利用することが多いSurface Book 3だが、タブレット端末として見ると特に15インチの大画面は魅力的。画面比率的に映像コンテンツを鑑賞するのには向いていないが、ウェブサイトや電子書籍の雑誌を読むのにもってこいのタブレットだ。もちろん15インチの大画面は、イラストや漫画などを描くのにも絶好の端末となってくれると思う。
3Dゲームやクリエイティブアプリ目的なら
やはり15インチか
さて最後にパフォーマンスをチェックしてみよう。今回はCore i7-1065G7 / RAM32GB / SSD512GB / GeForce GTX 1650という構成の13.5インチモデル、Core i7-1065G7 / RAM32GB / SSD512GB / GeForce GTX 1660 Tiという構成の15インチモデルでベンチマークを実施してみた。
実行したのは、CPUベンチマーク「CINEBENCH R20.060」、CPU/OpenGLベンチマーク「CINEBENCH R15.0」、3Dベンチマーク「3DMark」、3Dゲームベンチマーク「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK ver 1.2」、ストレージベンチマーク「CrystalDiskMark」、バッテリーベンチマーク「BBench」の6つ。下記の表がその結果だ。
CPU性能は突出して高いわけではない。最新世代とは言え4コア8スレッドのプロセッサーでは、やはり6コア、8コアプロセッサーとは見劣りする。これはタブレット部にCPUとメインボードを搭載するSurface Bookシリーズの設計上の限界だ。
なお同じCPUを搭載しているにもかかわらず、CINEBENCH R15.0のCPUスコアで15インチが13.5インチモデルの約85%に相当する702 cbに留まっている。複数回計測して718 cbが最高スコアだった。CINEBENCH R20.060では15インチモデルのほうが高いスコアを記録しているので、なにかしらの相性問題が発生した可能性がある。
一方3DMark、FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARKでは、15インチが13.5インチの約1.52~1.58倍のスコアを叩き出した。ディスクリートGPUの差が如実に表われた結果だ。。最新3Dゲームや、クリエイティブ系アプリ目的にSurface Book 3の購入を検討しているのなら15インチモデルを選ぶべきだ。
バッテリーベンチマークは13.5インチが10時間39分41秒、15インチが12時間16分19秒という結果となった。ボディーサイズはともかく、バッテリー駆動時間におけるモバイル性能はほぼ同等である。
いまだライバルが存在しない
異色のハイエンド2 in 1 PC
Surface Bookは、タブレット側、キーボード側それぞれに複数のラインナップを用意して、さらに世代を超えて組み替えられればカスタマイズ性、アップグレード性が実現するのでもっと魅力的なマシンになると思う。たとえばさらに大容量のバッテリーを内蔵したり、セカンドディスプレー、ゲームパッドなどを搭載したキーボード部のバリエーションがあってもいいかもしれない。
とは言え、それを抜きにしても、CPUを中心にしたメインボードをタブレット側、ディスクリートGPUをキーボード側に搭載したSurface Bookシリーズは異色の2 in 1 PCだ。購入を検討するにあたってライバルは存在しない。13か15か、目的と重さでどちらかになるのだ。