iPhone 12シリーズで未出荷となっていたiPhone 12 miniとiPhone 12 Pro Maxが届き、これで一通りの評価が行えるようになった。

　この二つはそれぞれiPhone 12の小型版、iPhone 12 Proの大型版という位置付けだが、共通する要素も持ち合わせている。それはスペックで選ぶのではなく、"体験の質"で選ぶという点だ。

　iPhone 12 miniの良さは、その手で操作してみなければわからない。手にしっくりくる。なじみやすい。思ったよりも表示は小さくない。そう思えるなら価格の安さ（の上に性能、機能に変わりはない）を含めてお勧めの製品だ。

　一方でiPhone 12 Pro Maxは「画面の大きさ」と、その大きさからくる「持ちやすさ」「操作のしやすさがどうなのか？」という体験部分に加え、内蔵カメラの体験が異なることが大きな違いだ。

カッコよく撮るための65mm、
ワイドマクロでボケを活かす新型広角カメラ

　iPhone 12 ProとiPhone 12 Pro Maxのカメラの違いは、以下に集約されている。それ以外の違いはない。使われているセンサーにも違いはなく、とりわけレンズも同じスペックである超広角カメラに関する違いはない

・広角カメラが採用するCMOSセンサーの画素あたりの受光部が47%大きい
・広角カメラの手ぶれ補正がセンサーシフト式となった
・52mm相当だった望遠カメラのレンズが65mm相当（広角カメラの2.5倍）に
・望遠カメラは明るさ（F値）がF2.0からF2.3へと少しだけ暗くなった

　まずはこれらの違いが、どのような差を生み出すのかについて、基本的なカメラ特性の違いについて探ってみることにしたい。