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【石野純也のソーシャルゲーム最前線-第5回-】

Cygames取締役が語る!『神撃のバハムート』海外での成功―その理由。

文●石野純也

2012年12月26日 18時00分

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海外向けへの
チューニングはしなかった!?


ケータイジャーナリスト・石野純也氏が、プラットフォーマーやゲーム運営会社にインタビューをしてソーシャルゲームの今後を占う本連載。今回は、初のSAP(ソーシャルアプリプロバイダー)への取材として、Cygamesに直撃。『神撃のバハムート』で、日本のみなならず海外でいち早く成功した理由に迫る!(取材日時:2012年11月22日)

Cygames取締役が語る!『進撃のバハムート』海外での成功―その理由。

Cygames取締役・飯野晃広2002年青山学院大学経済学部経済学科を卒業し、大和証券株式会社に入社。2006年2月ポリゴンマジック株式会社に入社。コンシューマゲームやアーケードゲームの開発に関わる。2011年5月にCygamesを立ち上げ、取締役に就任。2011年9月の『神撃のバハムートのリリースや、2012年2月の『神撃のバハムートの英語版である『Rage of Bahamutリリースに携わり、米国のApp Store、Google Play Storeでの1位獲得の立役者の一人だ。

 ソーシャルゲームは“日本限定のブーム”と言われることがある。iモードでブラウザからアクセスするコンテンツや、ケータイを利用した課金に慣れているユーザーがいたからこそ成功したジャンルだ、というのがそうした意見の論拠だ。一方で、DeNAやGREEをはじめとするプラットフォームは徐々に海外に進出しはじめ、結果も残している。日本ほどの市場規模にはなっていないが、普及の兆しがないわけではない。

 Cygamesの開発した『神撃のバハムート』は、成功事例の代表格と言えるだろう。神撃のバハムートは、Mobageで提供されていた(いる)カードバトル型のソーシャルゲームだ。これを北米向けにアレンジしたのが、『Rage of Bahamut(レイジ・オブ・バハムート)』というタイトルとなる。「Rage of Bahamut」はアプリとして提供され、6月にはApp Storeの全アプリ売り上げランキングで1位を獲得した。提供形態はアプリだが、内部にHTMLを読み込む形で実質的にはブラウザゲームの一種といえる。つまり、日本でおなじみのソーシャルゲームが、そのままの形で北米で成功したのだ。

 数々の“常識”を覆した「Rage of Bahamut」は、なぜ北米でヒットしたのか。海外展開にあたってどのようなチューニングが必要だったのか。世界に羽ばたくソーシャルゲームの先駆者であるCygamesの取締役、飯野晃広氏が、海外展開のきっかけや戦略を語った。

What's『神撃のバハムート』?

 

▲ソーシャルゲームとしての完成度のみならず、カードに描かれたイラストのクオリティでも高い評価を得ている人気作。細部まで丁寧に描き込まれた神話や伝説上のモンスター、歴史上の人物のイラストは、思わず見とれてしまうほどの美しさだ。


対応端末:Android、iPhone、ケータイ
料金:アイテム課金制
メーカー:Cygames

配信元:Mobage
URL:
http://www.mbga.jp/_game_intro?game_id=12007160

 (c)Cygames Inc.

――まずお聞きしたいのは、『神撃のバハムート』は、元々海外展開を意識して開発したソーシャルゲームだったのかということです。

飯野: いえいえ。元々は、完全に日本向けとして作ったものです。海外進出当時は、日本テイストの絵柄などが本当に受け入れられるのか、不安もありました。

――では、なぜ海外に打って出たのでしょうか。

飯野氏:開発当時は、一般的にフィーチャーフォンと呼ばれる端末がマーケットの主流でした。ただ、これからはスマートフォンだろうということでそちらに目を向けたとき、海外にはソーシャルゲームのようなコンテンツがほとんどありませんでした。違うプラットフォーム、違うマーケットでゲームを出していく一環に、「神撃のバハムート」の海外進出がありました。

――お話しをうかがっていると、あまり深く悩まず、サラッと海外に進出したようにも聞こえます(笑)。でも、実際には海外だと市場環境も違いますし、苦労したことも多かったのではないでしょうか。

飯野氏:僕たちは意思決定は早いですからね。やって駄目なら撤退してもいいと考えていたので、やる、やらないに関して、特に迷いはありませんでした。逆に、一番最初に出て行くことの先行者メリットもよく分かっています。取れるマーケットがあるのでやってみようと思ったのが、本当のところです。

――自分も含め、日本のユーザーは『Rage of Bahamut』はプレイできません。海外向けにチューニングした部分を教えてください。先ほど、カードの絵柄について不安だったとおっしゃっていましたが。

飯野氏元々は3つほどバリエーションを用意していました。UIをアプリ風にしてブラウザ特有のスクロールなどはなくしたもの、今よりややゲームアプリ風にしたもの、今のものそのままというのがその3つです。結果として、そのまま出すことでヒットしました。

 もちろん、そのままと言っても、露出度の高い男の子や、小さな女の子が戦うということ自体、海外ではよく思われません。よく言われるように、宗教に対しての反発も日本とはまったく異なります。そうしたカードはあらかじめ抜いておく調整はしてあります。また、内容に関しては、今、徐々に変えていこうとしているところです。

What's『RAGE OF BAHAMUT』?

 

▲グローバル版Mobageにて配信中。App Storeの全アプリ売り上げランキングで1位を獲得したほか、Google Playの全アプリ売り上げランキングで米国、スエーデン、カナダなどでも1位を獲得し世界的にカードバトルが受け入れられることを証明した。


対応端末:Android、iPhone
料金:アイテム課金制
メーカー:Cygames

配信元:Mobage

 (c)Cygames Inc.

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